ポガチャルが75km独走でヨーロッパ選手権を制覇。世界王者との二冠達成

今年の2025ヨーロッパ選手権エリート男子ロードレースは、ヨナス・ヴィンゲゴーも参戦したことで、ヴィンゲゴー vs レムコ vs ポガチャルの鼎立の構図になると期待された。

しかしアルカンシェル男がまたしても圧倒的な強さを見せつけただけとなった。

2025ヨーロッパ選手権のコース

レース展開ハイライトとレビュー

ヴィンゲゴーは前半でダメ

デンマーク代表ジャージのヨナス・ヴィンゲゴーはスタート前に「今年のヨーロッパ選手権は俺が中心となる」みたいな感じの強気のコメントを出してたにもかかわらず、残り100kmの時点ですでに集団から遅れる始末。

残り75kmでポガチャルがレムコをふるい落とす

序盤の終わりから中盤にかけて登場するのがサン・ロマン・ド・レルプスの登り。この日は3回登る。この登りは最大勾配14％で、昨日の女子ロードレースで優勝したデミ・フォレリング（オランダ）がアタックをしかけ独走にもちこんだ区間だ。

そこでやはりポガチャルが動いた。

このアタックにレムコがついていけず、後方から追うポール・セクサス（Paul Seixas）もポガチャルには到底追いつけない。

レムコは途中からそのセクサスとフアン・アユソー（Juan Ayuso）と合流しポガチャルを追うが、その3人があまり上手く協調できず、ポガチャルとの差は縮まるどころか、20秒、30秒、34秒と少しずつ拡大していく。今年のアムステル・ゴールド・レースのような展開に持ち込めない。

残り距離が長いだけに、アユソーもセクサスもTTモンスターのレムコに長く引かせたいのだろうが、レムコもそんな思惑はわかっていただろう。そんな駆け引きをやっている間にポガチャルとの差は1分以上に広がる。ポガチャル、そしてスロベニアチームの思うツボである。最初からこうなることは作戦の1つとして考えていたことだろう。

レムコを崩すには、登りを利用して長距離アタックをかませばいい。レムコが追走集団に入れば、誰もがレムコに引かせようとするので協調ができず追走集団の速度がおちるからだ。これが対レムコの黄金の必勝法。ね、簡単でしょ？それができるのはポガチャルだけだが（呆）。

そのレムコは後で追走集団から1人抜け出し単独でポガチャルを追うも、ポガチャルはTTモンスターを全く寄せ付けない平坦区間の強さを見せ、今日もいつものとおりの危なげない独走勝利。これで世界選手権からの二冠達成となった。

なおポガチャルの今後のジャージだが、アルカンシェルジャージのほうがUCIルール上の格が上なので、ヨーロッパチャンピオンジャージはこれから着ずに、もっぱらアルカンシェルジャージだけの着用（義務）となる。ヨーロッパチャンピオンジャージのほうがかっこいいと思うが。

レース全体のハイライト動画

結果（トップ10）