レビュー
Rapha




Enter your email address below and subscribe to our newsletter

2028年からINEOS Grenadiersはフランスチームに?
今から10年前頃はグランツール、特にツール・ド・フランスで最強チームだったINEOS Grenadiers。今は見る影もない。強いチームであることは変わりないのだが、他チームのレベルが上がりすぎたと言える。
そして今年のツール・ド・フランス前にはTotalEnergies社がINEOS Grenadiersのスポンサーになることが正式に発表され、ツールではTotalEnergiesの名前がジャージに入った。
→正式にトタルエナジーズがINEOS Grenadiersのスポンサーへ。UCIルールやチームTotalEnergiesとの関係は?
このINEOS GrenadiersとTotalEnergies社の来年からの関係性について複数の関係者から情報がいろいろもたらされたようだ。
これまでINEOS社はロードレース以外にも、ヨットのチーム、サッカーチーム、ニュージランドのラグビーチームなどのスポンサーとなってきた。しかし最近はそうしたプロスポーツチームのスポンサー契約をやめる、あるいはやめようとしていることが増えているようだ。
またINEOS社の創始者で大富豪のジム・ラトクリフ自身の財産も減少しているとのこと。昨年は65億ポンド(約1兆3,188億5千万円)減って、170億ポンド(約3兆5,507億5千万円)になったとか。
そして2019年の会計報告からINEOS社はINEOS Grenadiersへ3800万ポンド(約77億700万円)を投資していたとされるが、内部関係者の情報では今ではそれがさらに増えて4500万ポンド(約91億2,600万円)までに膨れ上がっているとか。
さすがにそれだけのお金をかけて、今のINEOS Grenadiersの成績では物足りない。過去記事「イネオスがスポンサー探し」で紹介したように、ジム・ラトクリフがもうこれ以上の額をチームへ投資したくないと述べたのも納得だ。
そこにTotalEnergiesが救世主と現れたわけだが、情報源記事によると両社とも広い意味で化学関係の会社であり、もともと長年ビジネスパートナーだったようだ。そうした本業のほうのつながりで話がついたのだろう。
両社のチーム予算の支出割合は、大雑把にいうと「INEOS:TotalEnergies = 3:1」とのこと。だいたいチーム予算を90億円として計算すると、INEOSが67.5億円、TotalEnergiesが22.5億円というところか。
なおこのINEOS Grenadiersと同じレベルの予算はRed Bull-BORA-hansgroheとTeam Visma | Lease a Bikeだと考えられている。そしてロードレース界トップはもちろんUAE Team Emirates – XRGでその予算は6000万ユーロ(約107億5,800万円)らしい。
さてイギリスチームであるINEOS Grenadiersにフランスの大企業TotalEnergies社が加わったわけだが、やはりというか、今年の移籍市場でフランス人選手がチームと契約した。ドリアン・ゴドン(Dorian Godon)とケヴィン・ヴォークラン(Kévin Vauquelin)だ。
今年もともとチームにいた唯一のフランス人アクセル・ローランス(Axel Laurance)と合わせて来年はフランス人が少なくとも3人いることになる。
一方でチーム名という観点からすると、TotalEnergies社はフランスのProTeamであるTeam TotalEnergiesのタイトルスポンサーであり、UCIルール上、同じ企業が2つのチームのタイトルスポンサーになることはできない。そこで現時点ではTotalEnergies社はINEOS Grenadiersのタイトルスポンサーにはなれない。
しかし2027年からは「Ineos-TotalEnergies」というチーム名になると予想されていて、それは同時にProTeamであるTeam TotalEnergiesの解散または代わりのスポンサーが現れて存続ということを意味する。
またさらなる噂として2028年または2029年からはTotalEnergiesが単独(?)タイトルスポンサーになり、フランスチームとして運営を始めることを計画していると。そんな噂があるもよう。