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Rapha








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元監督がIntermarché-Wantyの内情を暴露
今年中に合併する予定のLottoとIntermarché-Wanty。その進展の程度は不透明なままだ。そんな状況だが、Intermarché-Wantyでかつて監督を務めていたHilaire Van der Schuerenが、Intermarché-Wantyのチーム運営の裏側をベルギーメディアのHet Nieuwsbladに暴露した。
Hilaire Van der Schuerenは2013年まで当時のワールドチームのVacansoleil – DCMで監督をしていたが、2014年から当時まだプロコンチネンタルチームだったWanty – Groupe Gobert(現Intermarché-Wanty)で監督をするようになった。その後2023年まで10年間監督を務めていた。
その彼はIntermarché-Wantyには300万ユーロ(約5億4000万円)の借金があると暴露した。(以前の記事「なぜLottoとIntermarchéの合併が遅れているのか?その原因はIntermarché側の多額の借金?」では約200万ユーロという情報を紹介したが、それよりも増えている。どちらが正確な情報かは不明)
しかし借金をしなければならないほどチームに金がなかったにもかかわらず、チームのGMのJean-François Bourlartは12月にトレーニングキャンプを行うことを決定したことがあったと語る。しかも100人のスタッフという大所帯で。
これにHilaireは猛反対したと話す。「1月ならわかる。12月だと?そんな金どこにある?」と。
しかしチームの金欠は最近になって始まったことではなくHilaireが監督として加入した2014年もそうで、チームを作ることすら困難な状況だったとのこと。そこで彼はスポンサーを回って100万ユーロ(現在の為替で約1億8000万円)を集め、さらにHilaire自身は無給で働いていたと明かしたのだ。
その後2017年にチームはツール・ド・フランスに初出場することになるが、それはHilaireがGMのJean-Françoisたちをツールの主催者ASOの幹部に紹介したことが功を奏したからだという趣旨の発言もする。
このような大きな愛情と強い情熱でチームを支えてきたHilaireだけに、「チームがアビス(深淵)に落ちようとしていることに心が痛い」と語る。
さらにHilaireはIntermarché-Wantyのレース戦略の拙さも批判する。ビニアム・ギルマイはもちろんとしてヘルベン・タイッセンやロレンツォ・ロータなどの有力な選手もいるのに、全然勝てていないと。
特に「ギルマイを守るために選手が必要なのはわかるが、6人もいらんやろ。全然逃げに乗ってないやんけ」と批判する。
またこうしたレース戦略の拙さ、それに組織管理の拙さも加わりこれまでに20人以上のスタッフが辞めていったとも明かす。
さらにHilaireは、Intermarché-Wantyの組織のトップの人間がまっさきに合併後の新チームへ乗り換えようとしていることも気に入らないようだ。
この点【アダム・ハンセン「Lottoとアンテルマルシェの合併で解雇される選手リストを持っているから心配な選手は連絡をくれ」】で紹介したように、一部の選手たちには来年の契約がどうなるのかの情報がまともに伝えらておらず、選手(スタッフも含めて)を置き去りにしたまま上層部が勝手に合併話を進めていると報道されてきた。
これは、選手たちを放置して上層部の人間が真っ先に沈みゆく泥舟から真新しい船に乗り換えるということに等しいのではないか?そんな不義理が許されていいのかという不快感だろう。