ロハン・デニスの減量と摂食障害
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情報源:Dennis reveals battle to shed weight that bordered on eating disorder
去年、すったもんだがあったロハン・デニス。ツールで得意の個人TTステージの直前にツールをリタイアをしたときから、様々な憶測・風聞が世界中で渦巻いた。このブログでも何度かネタとして紹介してきた。しかし、そんな逆風をはねのけ、世界選手権個人TTで連覇の達成。偉業を成し遂げた。
そんなデニスは世界選直前にバーレーン・メリダ(現バーレーン・マクラーレン)との契約を解消していたものの、移籍先の新チームがなかなか発表されなかった。「ひょっとして浪人か?」と思い始めてたころ、チームIneosとの契約の噂が流れ始め、そして実際に現実のものとなった。
デニスがツールをリタイアした原因はいろいろ言われてるけれども、世界選への指導をしたトレーナー(心理学の専門家)や今回の情報源記事で語る本人の言葉からすると、やはり、精神面の不安定な状態がその原因の本質・根幹だったもよう。というのは、本人曰く「摂食障害のようになっていた」とのこと。
How Rohan Dennis won Worlds with the help of his psychological scientist, @Brewlympics https://t.co/eZN7NYrpSX pic.twitter.com/TAhgd3Hvi5
— CyclingTips (@cyclingtips) November 7, 2019
デニスは次のように去年までを振り返って、減量にとりつかれ、心身ともにおかしくなっていた過去について述懐する。
I’ll be honest with you, I started to eat and not eat and was on that slippery slope of a complex or disorder.”
訳「(総合系選手へと変身しようとして)、正直にいうと、食べたり食べなかったりという状態になってて、摂食障害になりかけていたんや」
デニスは、TTスペシャリストから総合系選手へと変身しようとしていた。そう、ブラッドリー・ウイギンスやトム・デュムランのように。しかし、それには山岳でのクライミング能力を向上させる必要がある。そのために最もお手軽(といえば言葉は悪いけど)、最もシンプルな方法であろうそれは減量。しかし、それがまるで摂食障害に近い症状へ陥る罠だった。
“It got to a point where I was putting on weight, I would have one beer but then feel guilty and wouldn’t eat at training the next day, so then I couldn’t train properly, I wouldn’t do a good session, eat minimal and bonk again,”
訳「本当は体重を増やさなあかんかったんやけど、そんなときでもビールを飲んだら罪悪感に苛まれ、翌日は何も食べないでトレーニングをしてた。でもそんなんでトレーニングが上手くいくわけがない。良いトレーニングになるわけがない。でもそんなんを繰り返してたんや」
“I got down to 68kg just before Worlds but that was due to stress, and I was eating between 100 and 300g of chocolate every night on top of all my other food,”
訳「世界選直前には68㎏まで減ってしまってたんやけど、それはストレスが原因や。そこで体重を増やすために、毎晩普通の食事に加えて、100gから300gのチョコレートを食べてたんよ」
“I ended up having to get on creatine and whey protein powder to bring me back up to my time trial weight, which is 70 to 71 kilograms. I’m still lean at that weight but I’m [now] not looking in the mirror and thinking ‘you’re too skinny,’ and that’s where I was at before Worlds.”
訳「それでもダメで、最後にはクレアチンとホエイプロテインに頼って、ようやく個人TTにとっての自分のベスト体重70~71㎏に戻すことできたんよ。今もまだ体重に偏執してる感じはあるけど、今はもう鏡を見て『痩せすぎてまずいな…』と不安になることもなくなった。でも、世界選前はそんな不安定な状態やったんよ」
というように、減量にとりつかれ痩せすぎたものの、今度は太るべき時に太れないという状態になっていたもよう。太ろうとしても心身がそれを拒んでいたという感じやね。世界選までは少なくともそんな精神&肉体の状態だったもよう。世界選に向けて心理学の専門家を雇って指導を受けたのは正解だったようやね。
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