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昨日の2023ツアー・ダウンアンダーのプロローグは個人TTだったが、そこでは選手がTTバイクではなく「改造した」ノーマルバイクでの出走となった。それはTTバイクが大会ルール上禁止されたからだ。
今回の記事では、TTバイク禁止の理由と、昨日のレースで見られた新機材や新技術といったことを簡単にご紹介。
情報源:Extreme positions, road bikes, time trial wheels and big helmets at the Tour Down Under prologue
理由は一言でまとめれば「面倒」だからだ。
ツアー・ダウンアンダーはステージレースだがグランツールと違って短期間で終わる。そして個人TTは昨日のプロローグのみで、しかもたった5.5kmの距離。さらに大会の開催場所はチームの本拠地があるヨーロッパから真逆の南半球のオーストラリア。輸送にかかる手間とそのコストを考えると、TTバイクを持ち込むのは非常に面倒である。
そこで大会側は、TTバイクは使わないルールを設定した。
そのルールによって選手はノーマルバイクを使うことになったのだが、TTヘルメットはもちろんとして、そのノーマルバイクにTTバイク用ディスクホイール、ブレーキレバーをかなり傾かせるなどの工夫を施した。
次の画像を見て欲しい。
You can’t say @BHRVictorious isn’t an inventive team.
— Domestique (@Domestique___) January 17, 2023
What a way to welcome the 2023 season.#TourDownUnder https://t.co/whlgJRxpAm pic.twitter.com/t44Ux8wAnT
これは新城幸也も所属するバーレーン・ヴィクトリアス(Bahrain-Victorious)のぺリョ・ビルバオ(Pello Bilbao)の姿だ。後輪にディスクホイールを使い、頭にTTヘルメットをかぶっているが、最大の注目はハンドルバーだ。
以前、今年の1月1日からUCIルールの新しい改訂・修正などが適用されると紹介した。それが次の記事だ。
過去記事:2023年1/1からUCIがルール改訂。バイクサイズ、ハンドル幅、ボトルケージなど複数のルールを明確化。6.8kgルールに変更は?
最近はエアロ効果追求のためにハンドルバーの幅が狭いのが流行していたが、この過去記事で述べたようにUCIはハンドル幅の最小幅を設定。極端に幅の狭いハンドルは使えなくなった。
しかし、バーレーン・ヴィクトリアスとビルバオは、この画像のようにブレーキレバーをかなり内側へ傾けることで、まるでTTバーのようなポジションを実現している。
そしてブレーキレバーの角度についてはUCIルールは特にそれを制限するような規定はないらしい。したがって、このようなブレーキレバーの設定は合法のようだ。
だがもう1つ別の観点からの問題がある。それはUCIがすでに禁止しているもので当時かなり話題になった点だ。すなわち、ハンドルバーの上ハン部分に腕をのせて、ハンドルを握らずにTTポジションっぽいものをとるポーズ、いわゆる「パピー・ポーズ(Puppy Paws)」ポジションの禁止だ。2021年に禁止された。
関連過去記事:女帝マリアンヌ・フォス失格!パピー・ポーズルールに違反
上のビルバオの画像は、まさにそのパピー・ポーズなのではないか?
ただハンドルそのものではないものの、ハンドルと一体化しているブレーキレバーを握っているので安全上問題はないであろうこと(むしろブレーキレバーを握っているので安全?)を考えると、パピー・ポーズにはあてはまらないと考えられる。よってUCIルールに違反しないのだろう。
またTrek-Segafredoの選手Marc Brustengaは、まだ発表されていないトレックの新型エアロロードヘルメットを着用していたもよう。