シヴァコフが世界選でポガチャルをアシストしたことを認める
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昨年の2024世界選手権でタデイ・ポガチャルは残り100kmからヤン・トラトニクを発射台としてアタック。前を行く先頭集団に追いつき、再び残り78kmあたりでアタックで独走に持ち込んだ。
その78km地点で一時的にポガチャルといっしょに飛び出したのがフランス代表でUAE Team Emirates – XRGのチームメイトでもあるパヴェル・シヴァコフだった。
→ポガチャルが残り100kmアタックでレインボー!2024世界選手権ロードレースのレビュー、結果、ハイライト動画
その後しばらくしてシヴァコフは力尽きポガチャルの独走優勝が決まったのだが、そのとき後方にはその日最大の脅威ともいうべきマチュー・ファン・デル・プールらのグループがポガチャルを追走していた。マチューらに追いつかれれば優勝のチャンスが激減するかも・・・・・・そんな状況だった。そして追走に追いつかれないためにシヴァコフはポガチャルとともに本気でペダルを回した。
今回の取材でシヴァコフはその時のことを振り返り、実質的にポガチャルのためにアシストしていたことを認めた。
情報源記事においてシヴァコフは次のように語った。
“When Pogacar and I were at the front, of course we worked together as teammates, but I pushed myself so hard that I eventually burned out,”
訳「ポガチャルといっしょに逃げていたとき、もちろん協力しあったよ、UAEのチームメイトやしね。でも自分はガチで限界まで走ったから結局最後は力尽きたけどね」
優勝を目指すならば、ゴールまでまだ80km弱もある地点で限界まで追い込むことはふつうに考えれば不要である。しかもそのときはシヴァコフ1人ではなくポガチャルという最強の選手がいたわけで、シヴァコフだけが限界まで力を使う必要はない。ポガチャルと二人でタイマンしてもポガチャルが勝つ可能性大だ。
シヴァコフが勝つためにはポガチャルに足をつかわせ、あるいは追走集団にあえて追いつかせて展開を混沌とさせ、残り距離を減らしてから再び登りで隙を見てアタックというほうがまだ勝率が高かったと思われる。
だが上のコメントの通り、シヴァコフはそうしなかった。その先の展開と自分の勝利を考えず追走に追いつかせないことを最優先にして、ただ単にポガチャルと協調するだけでなく、それ以上に自分を犠牲にしてポガチャルをアシストする走りをしたのだ。
はっきりと「アシストした」と話したわけではないだろうが、今回のコメントとレース展開を考えればそういう解釈になるだろう。