レビュー
Rapha








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2025ジロ・デ・イタリア第15ステージは、2級山岳でUAEがライバルから波状攻撃を受けるも、最強たる所以を見せつける。そしてチッコーネを失ったLidl-Trekのカルロス・ベローナが40kmの独走勝利!
昨夜の2025ジロ・デ・イタリア第15ステージは最後の2級山岳で、UAE Team Emirates – XRGに対して各チームの総合エースらが波状攻撃をしかけるという激アツの展開となった。
目次
この第15ステージのコースプレビューと優勝予想は「今夜の2025ジロ第15ステージのコースプレビューと優勝予想」で。

この日は誰もが予想していたようにスタート直後から逃げようとする選手が多数いて、逃げに乗ろうした選手の中にはワウト・ファン・アールトやマッズ・ピーダスンも。ピーダスンは中間スプリントポイント獲得のためだ。
しかし最初はなかなか逃げが決まらずプロトンも時速55km近くで走り続けることとなった。そうしてようやく逃げらしい逃げが決まったのがスタートから40kmほど走ったあたりだろうか。
その逃げだがレース中盤の1級山岳モンテ・グラッパではなんと29名という大集団の逃げとなるも、その山を終える頃にはプロトンに全員吸収。
なおモンテ・グラッパではエガン・ベルナルが動いたりなどもあったが全てレース結果を左右するようなものにはならなかった。
そしてこの後の2級山岳ドリを前にして再び逃げが形成される。次のようなメンツだ。
🔥 We have a new breakaway, with a 50" lead and 56 KM left.
— Giro d'Italia (@giroditalia) May 25, 2025
🇮🇹 @frigomarco_
🇪🇸 @PelloBilbao1990
🇫🇷 @NicoProdhomme
🇪🇸 @Carlos_Verona
🇮🇹 @gianmarcogarof5
🇮🇹 Filippo Zana
🇮🇹 @fiorebike
🇮🇹 Christian Scaroni
🇳🇱 Bart Lemmen
🇩🇪 @flo_stork97
🇫🇷 @romainbardet #GirodItalia pic.twitter.com/d0eWiUNGxt
その逃げグループの中から、Lidl-Trekのカルロス・ベローナが最後尾からダンシングで加速して飛び出す。
2級山岳ドリ、上り始めました
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) May 25, 2025
エースがリタイアしてしまったベローナがアタック💥
Cycle*2025 ジロ・デ・イタリア 第15ステージ#GirodItalia #jspocycle pic.twitter.com/iQHKSO0EeW
このカルロス・ベローナを追うのはJayco-AlUlaのフィリッポ・ザナとSoudalーQuickStepのジャンマルコ・ガロフォリ(Gianmarco Garofoli)だ。

カルロス・ベローナは2級山岳の途中、残り33kmで追走とは35秒差。プロトンとは4分近い差。
2級山岳が終わるとあとの残り28kmは細かいアップダウンだけなので、プロトンに追いつかれることはないと思うのだが、追走の2名とはまだどうなるかわからない。その2名が協調すれば余裕でベローナを捕えられるタイム差だろう。

この2級山岳の途中にRedBull KMが設定されているのだが、そこでエガン・ベルナルが奇妙な動きを見せる。

RedBull KMは上位通過3名にボーナスタイムが与えられるが、すでに3人は通過後。それなのにベルナルがアタック!これにマリア・ローザのアイザック・デル・トロがついていき、順番に通過。
ベルナルは3人がすでに通過したのを知らなかったのだろうか。それともUAEへの揺さぶりだったのかだろうか。
だがこのベルナルの動きがプロトンに刺激を与えたのだろうか、ここからUAEに対して各チームが波状攻撃を開始し、一気に大興奮の展開に変わる。

まず攻撃の火蓋を切ったのがEF Education-EasyPost。ジェフェルソン・セペダがエースのリチャル・カラパスを連れてUAEから主導権を奪いとり、その勢いのままカラパスがアタック!

かなり良い勢いの攻撃で一瞬後続と差が開いたが、結局この攻撃は成功せず。だがここから他チームの攻撃が連続する。

ベルナル!

再びカラパスがアタック!

デレク・ジー!

サイモン・イエーツ!

だがこうした各チームの波状攻撃に襲われながらも、アイザック・デル・トロ、フアン・アユソーはもちんろんUAEのアシスト陣が全く崩れない!ラファウ・マイカやアダム・イエーツもしれっと後ろからこの集団先頭に戻ってきて再びこのグループの主導権を奪い返す。
🐷「アカン、UAEのチーム力が強すぎる・・・」
だがこれらの有力勢の動き、特に最初のカラパスの攻撃で遅れてしまったのがプリモシュ・ログリッチだ。

カラパスの一発目のアタックのときは、
🐷「まだ距離あるからログリッチは無駄に動かず冷静に走ってるだけ?」
と思ったりもしたのだが、しばらくしてそれが完全な誤解だったことが明らかとなった。RedBullはアシストたちが奮闘しログリッチを前方へ送ろうとするが、デル・トロたちの集団との差は全く縮まらず、少しずつ開いていく。まさかバッドデイか?あるいは補給をミスったか?
結局この日、ログリッチは上述のデル・トロやアユソーなどのグループたちから1分半ほど遅れてゴール。この日も大きくタイムを失うこととなった。
🐷「ログリッチのジロは事実上終わったか・・・」
このときログリッチに何が起こっていたのか、レース後のコメントに注目したい。

ここでおもしろい事態となる。
というのもログリッチが遅れたため、総合上位選手がログリッとの差をできるだけ広げるためにそうした選手を抱えるチームがマリア・ローザ集団の牽引に加わる。
そもそも2級山岳のアタック合戦で一気にペースアップとなっていたことに加えてこの協調態勢のせいで、先頭をひた走るカルロス・ベローナとの差はもちろん、それを追う追走集団との差も急速に詰まる。その勢いならば追走集団がフィニッシュする前にまずマリア・ローザ集団に捕まる可能性が出てきた。

本来追走集団はカルロス・ベローナを「追う」集団だったはずが、なんとマリア・ローザのグループから「逃げ」なければならない集団にもなってしまうという、実におもしろい構図となる。
一方カルロス・ベローナはフィニッシュまで残り3kmになれば、このタイム差を考慮するとほぼステージ優勝は確実。なぜなら残り3kmはずっと下り基調だからだ。その結末は次の動画でどうぞ。
上の「今夜の2025ジロ第15ステージのコースプレビューと優勝予想」において、
というわけで(どういうわけ?)優勝予想だが、今日は獲得標高が3900mあるので獲得標高が3000mを超えるレースで優勝したり上位に入った経験のある選手を選びたい。そこでチッコーネの無念を晴らすべく、Lidl-Trekのカルロス・ベローナだ!
🐷「ドヤああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
| 1 | Carlos Verona | Lidl – Trek | 1位との差 |
| 2 | Florian Stork | Tudor Pro Cycling Team | 0:22 |
| 3 | Christian Scaroni | XDS Astana Team | 0:23 |
| 4 | Romain Bardet | Team Picnic PostNL | ,, |
| 5 | Nicolas Prodhomme | Decathlon AG2R La Mondiale Team | ,, |
| 6 | Filippo Zana | Team Jayco AlUla | ,, |
| 7 | Gianmarco Garofoli | Soudal Quick-Step | 0:26 |
| 8 | Filippo Fiorelli | VF Group – Bardiani CSF – Faizanè | 0:29 |
| 9 | Damiano Caruso | Bahrain – Victorious | ,, |
| 10 | Max Poole | Team Picnic PostNL | ,, |
| 1 | Isaac del Toro | UAE Team Emirates – XRG | 1位との差 |
| 2 | Simon Yates | Team Visma | Lease a Bike | 1:20 |
| 3 | Juan Ayuso | UAE Team Emirates – XRG | 1:26 |
| 4 | Richard Carapaz | EF Education – EasyPost | 2:07 |
| 5 | Derek Gee | Israel – Premier Tech | 2:54 |
| 6 | Damiano Caruso | Bahrain – Victorious | 2:55 |
| 7 | Antonio Tiberi | Bahrain – Victorious | 3:02 |
| 8 | Egan Bernal | INEOS Grenadiers | 3:38 |
| 9 | Thymen Arensman | INEOS Grenadiers | 3:45 |
| 10 | Primož Roglič | Red Bull – BORA – hansgrohe | 3:53 |
| 総合1位 | Isaac Del Toro(UAE Team Emirates – XRG) |
|---|---|
| ポイント賞1位 | Mads Pedersen(Lidl – Trek ) |
| 山岳賞1位 | Lorenzo Fortunato(XDS Astana Team ) |
| 新人賞1位 | Isaac Del Toro(UAE Team Emirates – XRG) |