今夜の2025ジロ第17ステージのコースプレビューと優勝予想

昨日のジロ第16ステージは総合争いに大きなインパクトを残した1日だった。そのレビュー記事がこちら。

→ついにUAEの牙城崩れる！2025ジロ第16ステージはXDSアスタナがワンツーフィニッシュ！リチャル・カラパスとサイモン・イエーツがイサーク・デル・トロからタイムを奪取！

最後の1級山岳で昨日もEF Education-EasyPostとリチャル・カラパスがUAE勢を攻撃、それに続いてワウト・ファン・アールトとサイモン・イエーツも攻撃。この連続攻撃によってUAEのアシスト陣もそしてイサーク・デル・トロも完全に崩れた。

その結果、デル・トロはマリア・ローザをなんとかキープしたものの総合2位のイエーツとは26秒差に、カラパスとは31秒差へと大きく迫られる事態に。

今日の第17ステージは丘陵ステージだが、デル・トロとUAEのアシスト陣に疲れが蓄積しているならば決して油断はできない。

第17ステージのコース

丘陵ステージではあるが、どちらかというと山岳ステージに近い。獲得標高は3800m。距離はそれほど長くなく154km。

この日はスタートからひたすら上り勾配でまず2級山岳のパッソ・デル・トナーレを目指す。もちろん昨日と同様にこの日もスタート直後からクライマーや登れるパンチャーたちが多数逃げアタックを狙うはずだ。

昨日も大逃げで約10分の差がプロトンとついたタイミングがあったが、今日もメンバー次第だが6分以上の差は序盤でつくだろう。

おそらくこの2級山岳までは総合勢に動きはないはず。ただ、総合勢でも疲労困憊のままレースを続けている選手ならばコンディション悪化により早い段階でずるずると遅れていく危険性はある。集団牽引はもちろんUAE。

2級パッソ・デル・トナーレが終わると1級パッソ・デル・モルティローロ。こちらもジロでは伝統的な登り。伝説となったパンターニに関係の深い峠として有名。

距離は12.6kmとめちゃくちゃ長いわけではないが全体の平均7.6％、そして終盤の数キロは平均9.6％で最大斜度16％も登場するという難しさ。

ただこのモンティローロは個人的には登りより下りのほうが重要な気がしている。

というのも登りきっても長い下りがあること、そしてその下りがヘアピンカーブが詰め込まれているテクニカルな下りだからだ。つまり危ない。登りで仮にリードを得てもこの下りで1つでもミスすれば地獄行きだ。

またこの1級を終えても結局最後の3級山岳までそれなりに距離があること、そしてその3級もかなりパンチ力のある登りであるため1級で体力を使い果たすと逃げ切れないとも考えられるからだ。

したがって登りでは総合勢のチームがペースアップでじわりじわりとライバルの脚を削るのを図ることはあっても、総合エースの誰かが独走優勝を目指していきなり飛び出すというドラマティックな動きはおきないのではないか。

その最後の3級山岳ル・モッテとフィニッシュ手前の数キロのレイアウトがこちら。

生き残った逃げの選手もこのル・モッテで誰かが決定的な攻撃をしかけるかも。総合勢もここで遅れる選手が出てきそうだ。

優勝予想

今日のポイントはEF Education-EasyPostとTeam Visma | Lease a Bikeが逃げに選手を乗せるかどうかだと思われる。もし仮に両チームが逃げに選手をのせた場合、おそらくともに前待ち作戦となり、終盤にカラパスとサイモンがアタックすることが強く予想されるからだ。

第19ステージと第20ステージが（特に第20）ヤバい山岳ステージとして残っているが、できるだけタイムを（ボーナスタイムを）今日も稼ぎたいというのも考えとしては十分あるだろう。

もう1つの注目はRed Bull-BORA-hansgroheがどうするか。プリモシュ・ログリッチは昨日大会をリタイアしたが、まだジュリオ・ペリツァーリが総合成績で4分36秒遅れで9位に入っている。総合表彰台は難しいかもしれないが、総合5位までになら入れる可能性はある。

以上のようなことを考えると、130km地点に設定されているRedBull KMでボーナスタイム争いが勃発する可能性が高いのではないか。

個人的な予想では、このRedBull KMでボーナスタイム争いをしながらマリア・ローザ集団から抜け出した選手がその直後に前で待っていた選手と合流して、最後の3級山岳ル・モッテに突入してそのまま独走してフィニッシュ。RedBull KMでのボーナスタイムとステージ3位までに入ってまたボーナスタイムをゲットという展開を期待している。

なおステージ優勝は昨日動かなかった選手の中から逃げに乗った選手が逃げ切り勝利すると予想して、優勝予想は第8ステージ優勝（獲得標高も同じぐらい）のルーク・プラップで。