レビュー

Rapha







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2025ジロ第20ステージ終了後のリチャル・カラパスのコメント。カラパスはデル・トロの考え方や走り方に不満。
2025ジロ・デ・イタリアは昨日の第20ステージでとんでもないまさかの大逆転劇が展開されて興奮の坩堝となった1日だった。その舞台は未舗装区間が8kmもある地獄のフィネストレ峠。
そこで総合トップ3の中で最も賢く、最も輝いたのがサイモン・イエーツ。7年前の2018年ジロ第19ステージではそのフィネストレ峠で大失速して総合優勝の夢が潰えた苦い経験を持つ。だが7年越しのリベンジを昨夜ついになしとげたのだった。
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そんなサイモン・イエーツから結局、リチャル・カラパスもイサーク・デル・トロも5分近く遅れてしまい、両者ともに目前にあった総合優勝のチャンスが完全消滅した。
カラパスは昨日も積極的にデル・トロに対してアタックをしかけたが、デル・トロはカラパスのホイールから離れなかった。そして「離れなさすぎた」とも言える。カラパスを逃すのを防ぐことだけに固執しすぎた。それがサイモンの大逃げを許してしまった。
そんなデル・トロに対してカラパスは「彼は俺じゃなく、ジロに負けたんだ」とレース後に皮肉めいた様子で語った。
#ATENCIÓN
— PostDataec (@postdataecu593) June 1, 2025
El ciclista ecuatoriano, Richard Carapaz, expresó su molestia con el mexicano Isaac Del Toro, tras la etapa 20 del Giro d'Italia. pic.twitter.com/cDGgNU8OAp
その日カラパスとしてはもうサイモン・イエーツに逆転されない範囲でデル・トロを攻撃するしかなかった。だがデル・トロを引き離せないならば、総合2位死守へと作戦を切り替えるのも当然。一方でデル・トロはカラパスとの差をコントロールするのが最優先だが、結果サイモン・イエーツに逆転の目を与えてはそれも意味がなくなる。
そんな状況ならお互いに対サイモンという観点で協調できるはずだった。だがどちらも牽制状態となり明らかに両者が脚を止めているような場面も多くみられた。
カラパスが全力でサイモンを追いかければカラパスだけが力をつかい、自分が遅れてしまうリスクがあるのでそれはできない。逆にデル・トロは後ろから追いかけてきていたチームメイトのラファウ・マイカとブランドン・マクナルティを待とうとしていたふしがある。だが彼らが追いつくには時間がかかっていた。
カラパスとしては自分の後輪につくことだけしか考えない、前を引こうとしないデル・トロに苛立っていたのだろう。総合1位陥落が見えているのにそれでも動こうとしないデル・トロの考えが理解できなかったのだろうと思う。総合優勝を狙うための走り方がどういうものか、それをデル・トロはわかっていないように感じたのではないか。
それがカラパスの上述コメントの「デル・トロはジロに負けた」ということの意味なのだろう。
そんなデル・トロの理解不能な走りがあったからこそ最後の登りへのつなぎ区間で、デル・トロが彼に何か話かけたときに、それを拒絶するかのように首をふった(そういう仕草をしたように見えた)だと思う。