25歳ジェイク・スチュワートがミランとマチューを破り、2025クリテリウム・デュ・ドーフィネ第5ステージで勝利。そのレビュー、結果とハイライト

今回の2025クリテリウム・デュ・ドーフィネ第5ステージはピュアスプリンターにも勝機があるステージ。だが残り30kmあたりで登場する3級山岳がちょっとした鬼門となるかもしれない。そんなコース設定だった。

そして予想通りそこでは優勝候補のピュアスプリンターのジョナタン・ミランを蹴落とすため、ライバルチームが攻撃に出た。そんな第5ステージのレビュー、結果、ハイライトを。

第5ステージのコース

展開ハイライトとレビュー

残り30km：Lidl-Trek vs Alpecin-Deceuninck

今回のステージはスプリンターに勝機があるコースとなっている。そうなると優勝候補はジョナタン・ミランと言える。

しかし終盤の勝負どころが残り30kmで登場する3級山岳だ。ここでスプリンターが遅れたり、総合勢が余計な動きをするとスプリンターチーム、つまりミランを勝たせたいLidl-Trekの思惑が狂ってしまう。

その3級山岳に入るとAlpecin-Deceuninckが攻撃をしかける。メンバーを揃えてプロトン先頭を牽引。そこにはもちろんマチュー・ファン・デル・プールがいる。

最初はそのマチューの後にいたジョナタン・ミランだが、やがて後方に下がっていく。Alpecin-Deceuninckのペースアップについていけない。

このAlpecin-Deceuninckの加速により山頂を越えるころにはプロトンが少し分断され、その後方グループにLidl-Trek勢＆ジョナタン・ミランが取り残される。

Alpecin-Deceuninckの作戦通りとなったわけだが、しかしその分断は小さく、下りを利用してLidl-Trek勢が合流することに成功する。Alpecin-Deceuninckにとっては残念な結果に終わる。だが、ジョナタン・ミランの脚を削れたとすれば最後のスプリントでマチューに勝機が見えてくる。

ラスト1km: レムコ落車！ミランとマチュー伸びず！

今日の逃げのベンジャミン・トーマスらも最後の最後まで粘るも、上述の3級山岳での急速なペースアップとその後の逃げを許さないスプリンターチームらの牽引により、残り2kmでついに吸収されてしまう。

そのあとこの日の勝負にとって決定的に重要なカーブが登場する。それがこの180度ターンだ。

このカーブを終えればあとはフィニッシュラインへまっしぐら。そしてこのカーブを先頭でクリアしたのがジョナタン・ミラン擁するLidl-Trek。ミラン必勝態勢が出来上がる。

スプリンターたちのスプリント勝負が始まろうするまさにそのタイミングで、なんと総合1位のレムコ・エヴェネプールが落車してしまう。

ただ救済区間内だったため救済ルールが発動され総合タイムには影響しない。またチームメイトと談笑しながらフィニッシュしており、見たところ怪我もなさそうだったので安心と思われる。

そして先頭ではスプリンターたちの戦いの幕が上がったわけだが、このスプリント合戦の結末は次の動画でどうぞ。

まさかの（？）ジェイク・スチュワート！！

Lidl-Trekの最終発射台シモーネ・コンソンニの後方から、ジョナタン・ミランよりも早く仕掛けることで

Factorのヤバい新型エアロバイクの性能アピールに大成功か？

一方で最後の最後で伸びなかったのがジョナタン・ミラン。やはり3級山岳で脚がだいぶ限界に来てて残り距離で回復しなかったか。あるいはやはりジェイク・スチュワートの動くタイミングが良すぎて、ミランが遅れてしまったか。

またマチューも動くタイミングが悪かったか、伸びなかった。普通にやればさすがにガチスプリントでミランに勝つのはいくらマチューでも難しいので、本来ならマチューが先に仕掛けるべきだったと思う。そのタイミングを逸したか、あるいはそれを決行するだけの脚が残っていなかったか？

25歳の英国人のジェイク・スチュワートはこれで先月の4 Jours de Dunkerqueの第5ステージに続いて今シーズン2勝目。そしてワールドツアーでは初勝利となった。フィニッシュ後は同じ英国人でしかも同じ25歳というBahrain Victoriousのフレッド・ライトとも抱き合い喜びを分かち合っていた。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1	Jake Stewart	Israel – Premier Tech	1位との差
2	Axel Laurance	INEOS Grenadiers	,,
3	Søren Wærenskjold	Uno-X Mobility	,,
4	Laurence Pithie	Red Bull – BORA – hansgrohe	,,
5	Jonathan Milan	Lidl – Trek	,,
6	Paul Penhoët	Groupama – FDJ	,,
7	Emilien Jeannière	Team TotalEnergies	,,
8	Fred Wright	Bahrain – Victorious	,,
9	Mathieu van der Poel	Alpecin – Deceuninck	,,
10	Bastien Tronchon	Decathlon AG2R La Mondiale Team	,,

総合トップ10

1	Remco Evenepoel	Soudal Quick-Step	1位との差
2	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	0:04
3	Mathieu van der Poel	Alpecin – Deceuninck	0:14
4	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	0:16
5	Eddie Dunbar	Team Jayco AlUla	0:30
6	Iván Romeo	Movistar Team	0:31
7	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	0:38
8	Matteo Jorgenson	Team Visma | Lease a Bike	0:39
9	Fred Wright	Bahrain – Victorious	1:16
10	Alexey Lutsenko	Israel – Premier Tech	1:24

各賞1位

総合1位	Remco Evenepoel（SoudalｰQuickStep）
ポイント賞1位	Mathieu van der Poel（Alpecin-Deceuninck）
山岳賞1位	Paul Ourselin（Cofidis）
新人賞1位	Remco Evenepoel（SoudalｰQuickStep）