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ポガチャルのTTポジションは重心が前すぎたのか?2025クリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージでタイムが伸びなかった原因はエアロを重視しすぎたTTポジションか?
今年の2025クリテリウム・デュ・ドーフィネ(来年からは大会名称変更でオーヴェルニュ・ローヌ・アルプへ)で危なげなく総合優勝したタデイ・ポガチャル。しかし誰もが1つ気になった日があった。それが第4ステージでの個人TTでの結果だ。
結果だけみればその日のステージ4位であって別に悪くはない。だがライバルのヨナス・ヴィンゲゴーが2位でその差は28秒というそれなりの差がついた。
この結果について本人の本音はわからないが、世間では「期待を下回った」とか「不調なのか」といった評価が多かった。
そのポガチャルの個人TTについて、とある専門家は彼のポジションが影響を与えたという可能性を指摘する。
その専門家とはアントワープ大学の運動解析学者のStefan Deckxだ。彼が言うには、その日のレムコ・エヴェネプールとポガチャルのTTポジションを比べると、前輪のハブ位置との関係でポガチャルの重心が前に行き過ぎていたと。特にポガチャルの上腕のポジションに問題があったと指摘する。
ここで二人のその日のTTポジションを比較してみよう。今回専門家のStefan Deckxが重視しているのは、以下の画像で2つの直線の交差点とハブの位置関係だ。


直線の1つは肩から肘を通したもの、もう1つの直線はフォークから引いたものだ。注目すべき点はこの直線が交差するところで、それができるだけハブの真上にあるほうがいいというのがStefan Deckxの考えだ。
レムコがまさにその良い感じの例で、ポガチャルの場合はその交差点がレムコに比べて後方にあるように見える。この違いでポガチャルは本来の肉体のパフォーマンスを引き出せなかったのだと考えている。
すなわち、コーナーリングでのバイクの挙動が不安定になったり、高速時におけるリアタイヤへのパワー伝達効率が低下、上半身のパワーを上手く引き出せないなどの悪影響があった可能性があると話す。
専門的な詳しいことはわからないが、ポガチャルは上腕方向へ体重をかけすぎていた感じだろうか?
さらにStefan Deckxは去年のツール・ド・フランスにおけるタデイ・ポガチャルのTTポジションと比べると、このドーフィネのほうがひどく、まだ昨年のほうがずっとマシとまで言う。(情報源:Scientific explanation behind Pogacar’s disappointing time trial: “His position was much better in the 2024 Tour”)
Stefan Deckxは、今回のドーフィネでのそのような悪いポジションはUAE Team Emirates – XRGのスタッフのミスだったと考えている。
彼らが空力パフォーマンスを上げることだけを重視しすぎたせいで、肉体をどのように使うか、パワー伝達効率の向上を見過ごしていたのだろうと主張する。彼が言うには、生体力学的なパフォーマンスが落ちる分をエアロ性能では補うことはできないらしいので、後者も決して軽視してはいけない。