レビュー
Rapha






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2025ツール・ド・フランス第6ステージはベン・ヒーリーが42km独走でステージ優勝。マチュー・ファン・デル・プールがタデイ・ポガチャルから1秒差でマイヨ・ジョーヌ奪還。その結果とハイライト
2025ツール・ド・フランス第6ステージは個人的に予想していなかったことが起こった。逃げに乗った選手についてもそうだが、この日の逃げとプロトンの関係についても想定するのをすっかり忘れていたからだ。
目次
コースプレビューと優勝予想は「今夜の2025ツール第6ステージのコースと優勝予想」を読んでください。


今日はスタート直後から逃げの動きがあるもどれも決定的な逃げにならず。そんな中ようやく決定的な逃げになりそうな集団が形成されたのは約90kmほど走ったあたりだった。

その逃げのメンバーには今日のステージの優勝候補として有力なベン・ヒーリーやクイン・シモンズなど。しかし同時に個人的には意外な選手が含まれていた。その逃げ集団のメンツはこの8名。
個人的に意外だったのはサイモン・イエーツだ。ジロ・デ・イタリアで奇跡の大逆転総合優勝を成し遂げてからの連続グランツール出場となったこのツールではずっとヴィンゲゴーのアシストをするだけだと思っていた。本人もツール前にそのように言っていた。それゆえこのステージで逃げに乗るのは予想していなかった。
さすがに本格山岳ステージでもないこのステージでヴィンゲゴーのための前待ち作戦はあまり意味がないと思うので、単純に自分の脚を試しにいったと考えるべきか?
あとマチュー・ファン・デル・プールについては、ゴール前の登りがマチューにとっては斜度がきつすぎるように思うので、ステージ優勝の可能性はやや低いと考えられる。それでもマチューが逃げに乗ったのは大逃げが決まればポガチャルからマイヨ・ジョーヌを奪えるという思惑だろうか。
サイモンとマチューのこうした動きを考えると、裏返せば今日はUAE Team Emirates – XRGとTeam Visma | Lease a Bikeが動かない、逃げを容認することが最初から(レース序盤で?)プロトン内部でわかっていたのだろうか。
上の8名が逃げ続ける一方でプロトンはUAEが管理。しかし本格的に差をつめようとしないような雰囲気。
そしてプロトンとの差が4分ほどになった残り42.5kmで、逃げの中からベン・ヒーリーが鋭いアタックをぶちかます。

⚠️ Ben Healy solo ride alert! The Irishman launched a blistering attack that left his breakaway companions stranded. He's already 25" ahead!
— Tour de France™ (@LeTour) July 10, 2025
⚠️ Alerte numéro solitaire de Ben Healy ! L'Irlandais a placé une attaque foudroyante qui a laissé sur place ses compagnons d'échappée.… pic.twitter.com/nN0oF8flq6
後続はヒーリーにつけず、ヒーリーが悲願のツール・ド・フランス初ステージ優勝へ向けて執念の独走へ。
悪魔おじさんいた pic.twitter.com/c3AdOnaDSf
— 🚴バイクニュースマグ@ワイアードの豚🐷 (@BikeNewsMag) July 10, 2025
このヒーリーを追いかけるべく14kmほど走ったあと、ようやく追走から動きがでる。

残り28kmでLidl-Trekのアメリカチャンピオンのクイン・シモンズとTudor Pro Cycling Teamのマイケル・ストーラーが追走集団から飛び出してヒーリーを1分差で追いかける。
上の画像からでもわかるように残り30km弱でプロトンとの差は5分以上となっており、この日のプロトンは完全にサイクリングとなることが確定。
上記優勝予想記事においてはこの大逃げが決まる可能性を完全に失念していた。

結局ベン・ヒーリーは42kmを独走してステージ優勝。これまでジロ・デ・イタリアではステージ優勝を達成していたもののツール・ド・フランスではこれが初勝利。
ベン・ヒーリーはアイルランド人だが、アイルランド人で登れるパンチャーまたはクライマーといえば、顔に似合わず熱い走り(骨折しても完走など)で好きだったアイルランド人プロ選手のダンマーことダン・マーティンを思い出す。個人的には勇敢にアタックを繰り出すベン・ヒーリーはそのダンマーの後継者だと思っている。
今回のベン・ヒーリーの勝利は所属チームのEF Education-EasyPostにとっても非常に価値のある勝利だ。なぜならツール・ド・フランスという世界で最も目立つ舞台で勝利しメディアに大きく取り扱ってもらうことはチームにとって極めて重要。無勝利で終わるわけにはいかない。
しかしまた大会第1週の途中でベン・ヒーリーが勝利したわけで、今後チーム全体にかかる重圧がかなり軽減される。またチーム内の士気も上がるだろうし、作戦の自由度も広がるだろう。いいことづくめだ。

一方でこの大逃げに乗ったマチュー・ファン・デル・プールはプロトンとのタイム差次第で、タデイ・ポガチャルからマイヨ・ジョーヌを奪える可能性が高くなっていた。第5ステージ終了時点でその差は1分28秒。

そしてポガチャルが最後の登りでスプリントをかけてプロトンの先頭でゴール。その結果、マチューとの差は1秒で、ポガチャルにマチューに1秒遅れているという状況になった。だが微妙すぎるタイム差ゆえに大会公式発表ではどうなるかわからない・・・

🐷「うおおおおお!きっちり1秒差でマチューだああああ!」
ただUAEにとってはマチュー、そしてAlpecin-Deceuninckにマイヨ・ジョーヌが渡って好都合かもしれない。というのも次の第7ステージも第2そして第4ステージと同じような丘陵ステージでアップダウンが多いものの、1日の獲得標高でいえばこの第6ステージほどではなく、それら両ステージと同じぐらいで、再びマチューのステージ優勝が狙えるかもしれない。あるいはそうでなくとも、マチューのマイヨ・ジョーヌを守るためにAlpecin-Deceuninckはプロトンを管理するだろう。
また第8ステージと第9ステージはピュアスプリンター向けのステージであり、そこでもカーデン・グローブスでAlpecin-Deceuninckがステージ優勝を狙うだろう。したがってここでもAlpecin-Deceuninckがプロトンをきっちりコントロールする責任を持つ。
つまりUAE Team Emirates – XRGはプロトンを支配する必要がなく楽ができるわけだ。
| 1 | Ben Healy | EF Education – EasyPost | 1位との差 |
| 2 | Quinn Simmons | Lidl – Trek | 2:44 |
| 3 | Michael Storer | Tudor Pro Cycling Team | 2:51 |
| 4 | Eddie Dunbar | Team Jayco AlUla | 3:21 |
| 5 | Simon Yates | Team Visma | Lease a Bike | 3:24 |
| 6 | Will Barta | Movistar Team | 3:29 |
| 7 | Harold Tejada | XDS Astana Team | 3:52 |
| 8 | Mathieu van der Poel | Alpecin – Deceuninck | 3:58 |
| 9 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates – XRG | 5:27 |
| 10 | Jonas Vingegaard | Team Visma | Lease a Bike | ,, |
| 1 | Mathieu van der Poel | Alpecin – Deceuninck | 1位との差 |
| 2 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates – XRG | 0:01 |
| 3 | Remco Evenepoel | Soudal Quick-Step | 0:43 |
| 4 | Kévin Vauquelin | Arkéa – B&B Hotels | 1:00 |
| 5 | Jonas Vingegaard | Team Visma | Lease a Bike | 1:14 |
| 6 | Matteo Jorgenson | Team Visma | Lease a Bike | 1:23 |
| 7 | João Almeida | UAE Team Emirates – XRG | 1:59 |
| 8 | Ben Healy | EF Education – EasyPost | 2:01 |
| 9 | Florian Lipowitz | Red Bull – BORA – hansgrohe | 2:32 |
| 10 | Primož Roglič | Red Bull – BORA – hansgrohe | 2:36 |
| 総合1位 | Mathieu van der Poel(Alpecin-Deceuninck) |
|---|---|
| ポイント賞1位 | Tadej Pogačar(UAE Team Emirates – XRG) |
| 山岳賞1位 | Tim Wellens(UAE Team Emirates – XRG) |
| 新人賞1位 | Remco Evenepoel(SoudalーQuickStep) |