残り4kmでポガチャル落車！！2025ツール・ド・フランス第11ステージはアブラハムセンがマウロ・シュミットを下し勝利。マチューは少し及ばず3位

休息日明けの初日となる第11ステージ。第2週目のスタートだったが決して穏やかな1日ではなく、タデイ・ポガチャルが落車するなど終盤は落ち着かない1日となった。

第11ステージのコース

コースプレビューと優勝予想は記事「激坂でポガチャルが動く？今夜の2025ツール・ド・フランス第11ステージのコースプレビューと優勝予想」にて。

レース展開ハイライトとレビュー

マイヨ・ジョーヌが逃げに！？

最後の4級から3級でレース動く！

やはり今日のポイントはラストの4級山岳と3級山岳のコンビネーションだった。まず4級山岳で動きが発生。

1つ目はマチューとワウトが揃った第2集団（追走集団）からクイン・シモンズがアタック。

続いて第1集団（先頭グループ）からUno-Xのヨナス・アブラハムセンとJayco-AlUlaのマウロ・シュミットの二人が抜けだす。

そしてフィニッシュ前9kmあたりで登場するこの最後の3級山岳が予想以上に厳しかった。最大斜度20％近い激坂区間もあるとんでもない登りだった。

ここでマチュー・ファン・デル・プールがアタックし、先行していたクイン・シモンズを追い抜いて単得で逃げるアブラハムセンとシュミットを追う展開に。

登りを終えて最後の平坦区間。残り5kmで16秒差。先行の2名が牽制し合えばマチューは追いつけるはず。

またプロトンもその3級山岳で、ケヴィン・ヴォークランが動いたり、山頂付近でヨナス・ヴィンゲゴーが加速したりと動きがあったがどれも決定的なものにはならず。

ポガチャル落車！！！

そんな中、なんと残り4kmでポガチャルが、マッテオ・ジョーゲンソンの後輪に接触トビアス・ヨハンネセンと接触して落車してしまう大事件が発生する

いきなりコケたというよりは滑りながら落車したことが幸いしたか、そしてアスファルトよりも舗装がっスムーズな緑の舗装部分で滑ったことも幸いしたか、この落車によるダメージは少なそうですぐに立ち上がる。

だがレース復帰を試みるもバイクのチェーンが完全にはずれてしまっていて、シマノのニュートラルサービスの手を借りて対応し、無事にレース復帰する。

この第11ステージは平坦ステージではあるが、5kmルールは導入されておらず、ポガチャルに救済措置は発動されない。ポガチャルはライバルからタイムを失う危機だ。

関連記事：2025ツール・ド・フランス第1ステージは5kmルール導入、そのコースプロフィールと優勝予想

しかしベン・ヒーリーやヴィンゲゴーたちが揃った集団はポガチャルの落車を受けて走行ペースを落とす。マイヨ・ジョーヌを着るヒーリーが声をかけたか？

これはグランツールで有力選手が勝負どころでトラブルにあったときは復帰を待とうとするロードレースの紳士協定だ。何かひさしぶりに紳士協定発動を見た気がする。美しい。

このポガチャル落車のすぐ後にアダム・イエーツらUAEのメンバーが3人？ほど揃ってやってきてポガチャルに合流したのは流石のチーム力というか、何かあったときのためにしっかりと追走していたということだろう。これが常勝チームの仕事ぶりか。チームバスに帰るまでがお仕事。

ポガチャルは待ってくれたヒーリーらの集団に復帰してともにゴール。タイムを失うことはなかった。

このポガチャルの落車で気になるのは当然明日から始まるピレネー山脈の山岳ステージ3連戦への影響だ。落車直後とレース後すぐの映像を見た限りでは軽傷のようだが、それでもホテルで落ち着いたときにそれまで感じなかった痛みが出てくることもある。まずは明朝の起床後のコンディションがどうなるかが重要になるだろう。

なおこの落車についてレース後にトビアス・ヨハンネセンから謝罪のツイートがなされている。

最後はマチュー、アブラハムセン、シュミットの争い

ステージ優勝争いはマチュー・ファン・デル・プール、ヨナス・アブラハムセン、そしてマウロ・シュミットの3名のものとなったわけだが、残り1kmからフィニッシュの結末はこの動画でどうぞ。

マチューは惜しくも二人に届かず、二人がもう少し牽制してくれればマチューは追いついたはず。🐷も予想が外れて残念。

ヨナス・アブラハムセンはツール・ド・フランス3度目の出場にしてツール初勝利。グランツール初勝利でもある。またチームとしてUno-X Mobilityもツール初勝利でグランツール初勝利。

一方で2位となったマウロ・シュミットだがこちらはツール・ド・フランス初出場組。そしてツール初勝利を狙った（ジロでは2021年にステージ優勝）が惜敗で叶わず。残念無念だろう。

バカ観客

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1	Jonas  Abrahamsen	Uno-X Mobility	1位との差
2	Mauro  Schmid	Team Jayco AlUla	,,
3	Mathieu van der Poel	Alpecin – Deceuninck	0:07
4	Arnaud De Lie	Lotto	0:53
5	Wout  van Aert	Team Visma | Lease a Bike	,,
6	Axel Laurance	INEOS Grenadiers	,,
7	Fred  Wright	Bahrain – Victorious	,,
8	Mathieu  Burgaudeau	Team TotalEnergies	,,
9	Quinn Simmons	Lidl – Trek	,,
10	Davide  Ballerini	XDS Astana Team	1:11

総合トップ10

1	Ben Healy	EF Education – EasyPost	1位との差
2	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	0:29
3	Remco Evenepoel	Soudal Quick-Step	1:29
4	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	1:46
5	Matteo Jorgenson	Team Visma | Lease a Bike	2:06
6	Kévin Vauquelin	Arkéa – B&B Hotels	2:26
7	Oscar Onley	Team Picnic PostNL	3:24
8	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	3:34
9	Primož Roglič	Red Bull – BORA – hansgrohe	3:41
10	Tobias Halland  Johannessen	Uno-X Mobility	5:03

各賞1位

総合1位	Ben Healy（EF Education-EasyPost）
ポイント賞1位	Jonathan Milan（Lidl-Trek）
山岳賞1位	Lenny Martinez（Bahrain Victorious）
新人賞1位	Ben Healy（EF Education-EasyPost）