フルームは心臓にもダメージがあったことが判明。現役続行は絶望的か

数日前の8月28日（ヨーロッパ時間で）に発表されたクリス・フルームの単独落車事故。🐷は記事にはしなかったがチームからの発表をXで紹介した。

この事故でフルームはヘリコプターで病院に搬送され手術を受けた。今は容態は安定しており生命の危機はないようだ。

このときフルームの負傷の程度は、肋骨5本の骨折、腰椎の骨折、そして外傷性気胸と伝えられていた。外傷性気胸と聞くと肺へのダメージという印象だが、今回フルームの夫人のミッシェル・フルームが英国メディアThe Timesに語ったところによれば、心臓の心膜にも損傷があったようだ。

情報源：‘It’s going to be a long recovery’ – Chris Froome’s training crash woes included life-threatening heart injury

心膜とは心臓を保護するための二層の膜で、心臓の異常な動きを抑制したり、感染症から心臓を保護する役割を持つもの。

フルームは落車によりこの心膜が破裂していたようで、文字面からもイメージされる通り、それは生命の危機に直面する可能性があるような損傷だ。だが上述のとおり搬送先の病院で専門家による手術を受け、今では生命の危険はない。

ただ夫人によると回復にはかなり長期間の療養が必要になるだろうとのことで、今年の復帰はもちろん絶望的だろう。そして今年限りで所属チームのIsrael-PremierTechとの契約も終了するわけだが、来年の復帰すらどうなるかわからないこんな状態では来年度に向けた契約オファーを出すチームも現れないのではないか。

フルームは2019年クリテリウム・デュ・ドーフィネ参戦中に、個人TTの試走をしたときに落車し大怪我を負った。INEOS GrenadiersからIsrael-PremierTechへ移籍。年齢的なものもあったかもしれないが、その落車が直接の原因で（？）かつての力が衰えたと思われる。キャリアの大きな転機となった落車だった。

そして今回またトレーニング中の落車が彼の最後となるであろうキャリアに大きな影響を及ぼすこととなった。