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ロードバイクウェアブランドのGorewearが2026年で事業停止か
ロードバイク用ウェアや山登り用ウェアに人間にとって神のような素材といえばゴアテックス(GORE-TEX)。耐水性と透湿性という相反するとも思われる性質を高次元に両立させ、最先端素材として人気を勝ち取ってきた。
たとえば雨の中の運動となったとき、単なるナイロン系のウェアでは内部の蒸れによる不快感が肉体的にも心理的にも地獄となるものだが、ゴアテックス素材のウェアはそうした蒸れを軽減し、ある程度の快適性も保証する。
そんなゴアテックスを世に送り出したGore社だが、自らが展開するバイクウェアブランドのGorewearを閉業させるようだ。
情報源:Cycling apparel pioneer Gore to close Gorewear clothing division after 40 years
ドイツの自転車業界紙velobiz.deの報道によると、Gore社が数日前に小売店に向けて2026年にGorewear事業をやめるという知らせを送っていたらしい。
その知らせの中で、Gore社は同事業の持続可能性を慎重に検討し、長期的な展望を分析したものの、Gorewearブランドの収益性にとって明るい未来は描けず、事業の持続が難しいと判断したという趣旨のことを書いているとのこと。
今後の注文については2026年3月31日までは注文を受け付けるとのこと。Gorewear.comのWEBサイトもしばらくは運営が続き、在庫販売などが継続される。
なお情報源メディアがGorewearに取材を申し込んだが、まだ返事はないようだ。
仮に今回の報道が事実だとして、その注意点としては、あくまでGore社が展開するブランドの1つGorewearの事業が閉業となるだけであり、Gore社が閉業するわけではないという点だ。
そもそも情報源記事によればGore社全体におけるGorewear事業の占める割合はかなり小さいようで、閉業しても全体としてはそれほど大きな影響はないようだ。もちろん素材メーカーとしてのGore社の事業は今まで通り継続され、今後も世界中のアウトドアウェアメーカー、スポーツウェアメーカーがGore社の最新素材を使い続けるだろう。
ゴアテックス系ウェアの最高傑作?として名高いのがシェイクドライ(Shakedry)技術を使ったウェアだ。
その生地には有機フッ素化合物の1つPFAS(通称「永遠の化学物質」)という物質が使われていたのだが、その使用が世界的に規制されるようになった。結果、そのシェイクドライ系ウェアも新作が作られなくなり、もはや今では希少となったそのアイテムを現在でもなんとか手に入れたいと思っているユーザーもいる。
もちろんGore社もPFASを使わない最先端のハイテク素材「Gore-Tex ePE」をすでに開発し発表している。このePEとは、Expanded Poly Ethylene(延伸ポリエチレン)のことで名前のとおり、フッ素を表す「F」がなく、それは使われていないわけだ。
そのGore-Tex ePEの開発はアウトドアメーカーのパタゴニアと共同でなされたらしい。
その新素材Gore-Tex ePEは性能的には従来のゴアテックス製品と同等の性能らしい。ただ分子レベルでは従来のほうが高いようだが、その差はあくまで50年ぐらい使った場合の差であって、現実の使用上は無視していいレベルの違いでしかないようだ。