レビュー
Rapha




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マーク・カヴェンディッシュ「将来自分のチームを持ちたい」
圧倒的勝利の数と実績から歴史上最高のスプリンターと評されるマーク・カヴェンディッシュ。タデイ・ポガチャルがエディ・メルクスを超えてGOAT(史上最高の選手)かどうかは議論が紛糾するものだが、少なくともスプリンターのGOATについて言えばカヴェンディッシュだと認める人のほうが多いだろう。
そんなカヴェンディッシュが、「できれば将来自分のチームを持ちたい」と語った。
2024ツール・ド・フランスで大会史上最多ステージ優勝を更新したマーク・カヴェンディッシュ。彼による現在のロードレース界のビジネスモデルについての問題意識は、「現在のビジネスモデルでは選手自身の権利において収入を十分に増やせていない」というものだ。
1950年代から変わらず今もロードレース界はチームのスポンサー頼みという決定的な構造は変わっていない。そのスポンサーに依存しきっているチームの脆弱さ・不安定さはほとんど毎年のようにニュースになるチーム消滅騒動で明白である。
そんなロードレース界のビジネスモデルに異を唱え、改革を進めようとする人間や団体も確かにあったが、どれも長続きはしなかった。また今年も下の記事のようにプロチームのマネージメント側の人間がレース観戦のチケット制(有料制)の導入について声に出すこともあった。
一方でマーク・カヴェンディッシュは彼自身の業界の影響力により、Nike、Oakleyなどのスポンサーを個人的に獲得してきた。そして2020年に契約してくれるチームがなく引退危機に陥った彼を救ったのはSpecializedだった。当時のその件の記事が下のものだ。
まさにカヴェンディッシュは自分の権利やコネクションを使ってチャンスを拾ったわけだ。
今回のカヴェンディッシュへの取材では彼がどのような新しいビジネスモデルを持っているのか具体的な内容は明かされていないが、おそらく選手自身がチームからの収入の分配に頼らなくても収入を確保できるような、選手自身のメディアへの影響力を使ってその収入を最大化できるような仕組みを考えているのだろう。
彼は現役プロ選手の名前は出さないが、選手自身の権利において十分にその収入を稼げているとは言えない選手がいると話す。もっと稼げるはずだということだ。もちろんメディアへの露出が高い有名選手のことだろうが、ポガチャルか?ヴィンゲゴーか?レムコか?
そしてF1のビジネスモデルを部分的に導入すればいいと話す。
カヴェンディッシュは、
I’d love to have a team in the future that is a lot more along the lines of other sports
訳「できれば将来チームを作りたいし、そこでは多くの点で他のスポーツのビジネスモデルに倣ったものにしたい」
もちろんカヴェンディッシュも他スポーツとロードレース界は異なりスタジアムを持たないというオープンな観戦スポーツであり、異なるビジネスであることもわかっている。だがそれでもカヴェンディッシュはまだまだ十分に活用されていない収益源があると考えている。