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Rapha






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新城幸也らも出場した中国のツアー・オブ・ハイナンの重要性と高まりつつある価値
今年は4/15~4/19に開催された中国は海南省のレースであるツアー・オブ・ハイナン(UCI2.Pro)。初開催は2006年で、2020年からUCI プロシリーズ(Pro Series)に昇格している。
本場ヨーロッパのロードレースファンからすれば極東のよくわからないレースという感じかもしれないが、ツアー・オブ・ハイナンは一見するだけではわからない重要性がある。
情報源:Chasing UCI points in the heat: The Tour of Hainan highlights China’s growing scene
現在のプロロードレース界では、昇格・降格制度の影響により「UCIポイント」がチームの存続を左右する重要指標となっている。同制度は3年を一区切りとしている。今は2026年~2028年いっぱいまでの3年間が対象となる。
UCIレースで最上位に位置するのがワールドツアー(World Tour)で上位成績に入ると多くのUCIポイントが得られる。そしてそのワールドツアーの1つ下のレースカテゴリーが、ツアー・オブ・ハイナンが属するUCI プロシリーズで(ジャパン・カップも同じ)。ワールドツアーよりは少ないが(上位に入れば)それに次ぐUCI ポイントが得られる。
UAE Team Emirates – XRG、Red Bull-BORA-hansgrohe、Team Visma | Lease a Bike、INEOS GrenadiersなどのトップチームはワールドツアーでいくらでもUCI ポイントを稼げるわけで、プロシリーズに積極的に参戦する必要性は薄い。
しかしUCI チームランキングで下位にあるチームはワールドツアーでUCIポイントを稼ぐことは難しい。そこでワールドツアーよりは上位に入りやすいプロシリーズでこつこつとポイントを稼ぐという戦略を取ることとなる。
この戦略で昨年までに生き残りに成功し大きな成果を挙げたのがワールドチームのXDS Astanaだ。
そして今年のツアー・オブ・ハイナンにもXDS AstanaとLotto-Intermarchéという2つのワールドチームが出場した。Lotto-IntermarchéもやはりUCIポイントをワールドツアーでは獲得しにくいチームだと言える。
こうしたUCIポイント獲得戦略が、アジアのチームを主体としていたローカルレースのツアー・オブ・ハイナンを「ポイント争奪戦の前線」として変貌させた。結果としてレースレベルも全体的に底上げされていると思われる。
ツアー・オブ・ハイナンの重要性を語るうえで欠かせないもう1つの観点が、ビジネス上の観点、つまり中国市場の存在だ。
近年、中国では以下のような変化が進んでいる:
こうした流れの中で、同レースは「アジア最大級のショーケース」としての役割を担うようになった。
単なる競技イベントではなく、市場拡大の象徴的存在となっている点が重要だ。
XDS AstanaのXDSをはじめ、近年複数の中国ブランドがワールドチームやProTeamの機材などのスポンサーになっているのもそうした中国の市場拡大を見込んでのことだろう。
以上のようにツアー・オブ・ハイナンはもはや極東のローカルレースではなく、
という3つの重要な価値をもつ大会へと進化している。
先日「UCIが新戦略「Global 2028」を発表。プロロードレースの国際化を加速へ」という記事を書いたが、ロードレースのグローバル化が進む中でこうした中国のレースの重要性はさらに高まる可能性が高い。