チームHuman Powered Health「カヴェンディッシュとの交渉はまとまる直前までいってた」
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まだ正式に移籍先が発表されていないマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish)だが、昨年末に噂になっていたのがアメリカのProTeamであるヒューマン・パワード・ヘルス(Human Powered Health)への移籍の可能性だった。
そのヒューマン・パワード・ヘルスのボスが、カヴェンディッシュとの交渉について振り返った。
情報源:Human Powered Health boss: ‘We came quite close to signing Mark Cavendish’
上の情報源記事のインタビューはかなり長いので、以下の2つの項目についてだけ大雑把に抜粋して紹介する。
活動の本拠地をヨーロッパへ
かつてはラリー・サイクリング(Rally Cycling)という名前でもあったアメリカの名門チームが現在のヒューマン・パワード・ヘルス(Human Powered Health)。アメリカのProTeamだ。
このチームからは、あの超一流クライマーのセップ・クス(Sepp Kuss)、元陸上の中距離選手だったマイケル・ウッズ(Michael Woods)など有名選手が誕生してきた。
同チームはかつてはアメリカを活動の中心とし、アメリカのレースを主戦場としてきた。しかし4年ほど前から本格的にヨーロッパを中心にしたレース活動へ移行している。
ヒューマン・パワード・ヘルスのボスは、アメリカを主戦場としていた時代と今の時代との違いについて、
We could focus on four or five objectives and prepare properly. Now we are racing four or five races per month that are at least as competitive as the Tour of California.”
訳「かつては4つか5つの目標となるレースに照準をあわせて、しっかり準備ができた。だが今は1ヶ月に4つか5つのレースがある。それも以前は最大目標だったツアー・オブ・カリフォルニアと同じような高いレベルのレースばっかりや」
アメリカを中心に活動していたころは、ツアー・オブ・カリフォルニアが最大かつ最高レベルの大会で、それがチームの最大目標だった。そしてその次にコロラド・サイクリング・クラシックやツアー・オブ・ユタなど、そして全米選手権がチームの目標だった。
つまり、チームが照準を合わすべきレース・大会は年間で4~5つぐらいだった。しかしヨーロッパに主戦場を移してから、これまで最高目標にしてたツアー・オブ・カリフォルニア以上のレベルのレースが、毎月4~5つというスケジュールに変化。とんでもなく多忙な日々が始まった。
そして、4年前にヨーロッパに拠点を移したときは「ゼロからのスタートだった」と振り返る。
“We didn’t even have one team car over here. We did not have European riders or staff. We didn’t have a business in Europe and nobody was living here. Now we have eight team cars, a bus, two campers, three mechanic trucks, two nine-passenger vans, and a sprinter van.
訳「4年前にヨーロッパを本拠地として活動始めたときには、チームカーなんて1台も持ってなかった。ヨーロッパ人の選手もスタッフもいなかった。ヨーロッパでの事業もしていなかったし、誰もヨーロッパで生活していなかった。でも現在ではこのヨーロッパで、チームカーは8台、チームバス1台、キャンピングカー(っぽい車)が2台、メカニックトラックが3台、9人乗りのバンが2台、スプリンターバンが1台や」
カヴェンディッシュとの交渉
そして昨年末からいろいろ話題になっていたマーク・カヴェンディッシュの移籍騒動については、
“We did try bring Mark Cavendish to our team for 2023 and came quite close,”
訳「本気でカヴェンディッシュを獲得しようとしてたのは事実で、実際、話がまとまる一歩手前までいってたのよ」
と話し、アスタナがカヴェンディッシュを取ろうとしなければ、ヒューマン・パワード・ヘルスへの移籍がおそらく決まっていたのではないかと思わせる。