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2024ツール・ド・フランスのタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)

2025ツールのコースはアンチ・ポガチャルなのか?

2025ツール・ド・フランスのコースはポガチャルに圧勝させないよう設計されたのか?

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先日ついに来年の2025ツール・ド・フランスの全ステージ・コースが発表された。それについては記事「2025ツール・ド・フランスのコース発表。ロズ峠!モン・ヴァントゥ!トゥールマレー!登りTT!そのコースの全容について」にてすでに紹介している。

基本的にはその記事でも書いたように、

  • 平坦ステージが7つ
  • アップダウンのある丘陵ステージが6つ
  • 山岳ステージが6つ
  • 個人TTが2つ。1つは33kmで平坦、もう1つが登りTTで13km
  • 最初の休息日は月曜日ではなく火曜日

このような構成となっていて、スプリンターにもパンチャーにもクライマーにもほぼ平等にチャンスのある、バランスのよいコース構成の大会になったと言える。

その2025年大会のコースについてはいろいろな専門家がそれぞれの考えを述べているわけだが、やはり各人によって評価が大きく異なっていたりする。今回はそんな専門家たちの見解を簡単に紹介しておく。

レムコ・エヴェネプールのために設計された?

まず2025ツールの第1週目は近年のツールに比べると少し穏やかで保守的というか、ある意味でよくある普通のツールの第1週目という感じが強い。

最近のツールは第1週目から厳しく危険なステージが設定されていたり、大きな山岳が入っていたりした。たとえば今年は第4ステージでいきなりガリビエ峠が登場したものだ。来年の第1週目はそれに比べれば比較的おとなしい感じのコースとなっている。

そんな来年のツールの第1週目はレムコ・エヴェネプールのためにデザインされたのでは?という意見も出ているようだ。

情報源:“We never design the course for one rider… But in general: the first week should definitely suit Evenepoel” – Tour de France designer on his expectations for 2025

もちろん大会主催者側はそんな意図を否定しているが、

  • 春のモニュメントの1つリエージュ~バストーニュ~リエージュに似たようなアップダウンの多い丘陵ステージが複数
  • 本格山岳ステージは第1週目ラストの第10ステージのみ
  • 33kmという長めの個人TTがあるという点を考えれば、

これら3点を考えれば、第1週目のコース設計レムコ・エヴェネプールにとってかなり有利なだと言える。

だがレムコに有利なコースはポガチャルにとってもおなじく有利なコースでもある。ヴィンゲゴーはその両名に比べると脚質的にパンチ力のある丘陵ステージでは特別有利とは言えないだろうか。

2025ツールはアンチ・ポガチャル?

一方で2025ツール・ド・フランスのコースは、できるだけポガチャルが強さを発揮できないように設計された、アンチ・ポガチャル・デザインなのではないか?と考えるむきもあるようだ。

情報源:“The Anti-Pogi-Tour: a course that suits him as little as possible” – Expert claims 2025 Tour de France route is a direct reaction to Pogacar’s dominance

現在コンチネンタルチームのBEAT Cycling Clubで走るオランダ人選手にしてジャーナリストのThijs Zonneveldは、今回のコースはできるだけポガチャルが圧勝しないように作られたという印象を持っている。

主催者側や大会スポンサーが恐れるのは、大会の趨勢が早い段階で決まってしまい、つまりポガチャルが第1週目からライバルたちに大差をつけてしまい、世間の関心が薄れてしまうことだからだ。TVのチャンネルをさっさと変えてしまう可能性が高い。そうなれば視聴率も下がり、大会の主催者とスポンサー双方にとって頭が痛い事態になる。

仮に最終的にはポガチャルがまた優勝するとしてもそれは遅ければ遅いほどいい。それまではライバルたちともつれあう展開が最も理想的。そうなれば世間の関心もメディアの注目も大きくなり続け、ウハウハ(?)である。

Thijs Zonneveldはそうした困った事態を避けるため、できるかぎりポガチャルが早期にタイム差を奪えないようなコースに、つまりアンチ・ポガチャル的なコースにしたのではないか?と考えている。

ヴィンゲゴーに有利だがポガチャルにはもっと有利?

しかし上のThijs Zonneveldにアンチ・ポガチャル的な見方とは真逆の意見を述べる専門家もいる。それがビャルヌ・リース(Bjarne Riis)だ。今年で60歳のオランダ人で1996年のツール・ド・フランス覇者。これまでCSC、サクソバンク、ティンコフといったチームでGMだったり監督だったりを務めてきた。

リースは、

If you look at it from Vingegaard’s and Pogacar’s perspective, you have to say that a route like this suits Vingegaard well, but I actually think that next year is even better for Tadej Pogacar,” 

このように語り、ピュアクライマーであるヨナス・ヴィンゲゴーに向いたコースだが、ポガチャルにもとってもさらに向いているとも主張する。

その理由は、今年のジロとツールで見せたポガチャルの山岳クライミング能力の著しいレベルアップだ。リースはもはやポガチャルのクライミング能力はピュアクライマーと同じレベルだと考えている。

そうであるならばポガチャルはまさに今年のジロまたはツールでそうだったように、あらゆるコースでタイムを奪える可能性が高くなり、単純にヴィンゲゴーよりもチャンスが増える。リースはそう考えている。

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