ログリッチが語るポガチャル前とその後のロードレースの変化
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今年もブエルタ・ア・エスパーニャを総合優勝し、同大会4度の優勝経験者となったレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのエース、プリモシュ・ログリッチ。
元スキージャンパーだったが23歳から本格的に自転車競技を始めた。そんなかなり遅い時期でのロードレーススタートだったにもかかわらず、競技開始後3年後で当時26歳だった2016年にはワールドチームのTeam LottoNL-Jumb(Team Visma | Lease a Bike)と契約しプロデビューを果たした。
そんな彼が現在のロードレースが昔とは激変したことを語っている。
情報源:‘Going with these steps of the younger generation’ – The challenges that keep Primož Roglič chasing
激変したポガチャル時代のロードレース
ログリッチは、ポガチャル台頭前の時代と現在のロードレースとの違いを次のように話す。
“In the past how we were racing was mostly all the time saving, saving, saving and spending energy on some right moments or right places,”
訳「かつてはレース中のほとんど全ての時間がスタミナの温存、温存、温存に使われ、ある適切なタイミングだったり場所だったりで温存していたパワーを使うという感じだったんよ」
“But nowadays, or especially in the races against him [Pogačar], every day is the day. So, yes it’s from the first day and it’s from the first day, 100k to go or whatever. That is the day that you are there or you can lose it.
訳「しかし今では、そしてポガチャルに対抗するレースでは特にやけど、毎日が決定的に重要。もう初日からそうで、初日だろうと残り100kmだろうとなんだろうと体力温存なんてぬるいことしていられない。ポガチャルについていかないと負けるんよ」
このようにポガチャル時代のロードレースの特徴を語る。そして、「考え方、レースのやり方、そしてプロトンのレベル自体が、昔とは完全とは異なるものとなった」と述べる。
それは35歳になったログリッチのような30歳以上の選手にはかなり厳しい時代になったということだ。
見果てぬ夢ツール・ド・フランス総合優勝
これまでプリモシュ・ログリッチは2019、2020、2021、そして今年2024とブエルタ・ア・エスパーニャを制してきた。さらに昨年2023年は初めてジロ・デ・イタリアを総合優勝。3つのグランツールのうち2つを制した。残るはただ1つツール・ド・フランスだけ。
直近では2020年がツール優勝の最大のチャンスだったが、最終日前日の第20ステージの個人TTでタデイ・ポガチャルにまさかの歴史に残る大逆転を許してしまい、優勝を逃した。そこからポガチャルの伝説が始まったわけだ。
その後もログリッチはツール・ド・フランスに参戦し続けたにもかかわらず、落車の呪いが彼を苦しめてきた。今年は第13ステージでDNS。2023年は出場せず、2022年は第15ステージでDNS。2021年は第9ステージでDNSといった具合。
普通に考えればツールに自分は愛されていないと悟り、もうツールは諦めると方向になってもしかたないように思われる。
だがログリッチは、
“If I would think like that, then probably for sure I wouldn’t be a cyclist at all.
訳「もしそんなふうに考えるなら、おそらく確実に自分はロードレースの選手になってないやろね」
このように語り、どれだけツール・ド・フランスの女神に頬を打たれようとプロポーズを辞めない覚悟を示す。