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Decathlon CMA CGMが法的拠点をジュネーブへ移転へ。ポール・セイシャス残留に向けた財務戦略か
海外報道によるとフランスのUCIワールドチーム、Decathlon-CMA CGMが、チーム運営を担う法的・管理上の拠点をフランスからスイスのジュネーブ州へ移すことが明らかになったようだ。次の情報源記事がそれだ。
情報源:Decathlon CMA CGM transfère son siège à Genève pour garder Paul Seixas
ただし、これはチームの競技拠点や国籍そのものをスイスへ移すという意味の移転ではない。
あくまで現場の拠点は引き続きフランスのラ・モット=セルヴォレックスに残り、場所が変更となるのは選手契約や給与、スポンサー契約などを扱う法人上の組織・システムだけとなるようだ。
この組織再編の背景には、フランスの高い社会保障負担を軽減し、ポール・セイシャスとの契約延長を含む選手獲得競争で、チームの競争力を高める狙いがあるとみられている。
Decathlon-CMA CGMは、ジュネーブ州ヴェルニエに「Decathlon Cycling Team Suisse SA」という新会社を設立したもよう。
同社は2026年8月17日にジュネーブ州の商業登記簿へ登録され、資本金は10万スイスフラン。本社所在地はDecathlon Sports Switzerlandと同じ住所に置かれているとのこと。
新会社の事業目的には、プロサイクリングチームの管理・運営に加え、次のような業務が含まれるようだ。
2027年からはこのスイス法人が男子ワールドチームの法務、管理、契約、規制対応を担う中心的な法人になる予定だ。
上でも書いたが今回の変更で注意したいのはチーム全体がジュネーブへ移転するわけではないという点だ。
選手、コーチ、パフォーマンススタッフなどの実働部門は、これまでどおりシャンベリ近郊のラ・モット=セルヴォレックスを拠点とする。2027年に始動予定の女子チームも同地に置かれる。
チーム側はラ・モット=セルヴォレックスを「プロジェクトの中心」と位置づけ、今回の変更はあくまで法務・管理部門に関する再編だと説明している。
また、UCIワールドチームとしてのスポーツ上の国籍についても、フランスを維持する方針だ。
つまり、フランスの競技チームというアイデンティティーを保ちながら、選手との契約などをスイス法人が扱う二重構造になる。
ジュネーブへの移転を促した大きな要因とされるのが、フランスにおける雇用主側の社会保障負担だ。
情報源記事によると、フランスでは雇用主が負担する社会保険料などが、選手の総給与額の約40%に達する場合もあるようで、年俸が数十万ユーロ程度であれば一定の範囲に収まるが、トップ選手の年俸が数百万ユーロ規模になると、チームが実際に負担する総額は大きく膨らむ。
一方、スイス法人を通じて契約を結べば、フランス法人よりも給与に付随する負担を抑えられる可能性がある。
同じ予算でも、選手本人に提示できる報酬を増やしやすくなるということだ。
チーム側は、スイス法人の設立についてフランスでの法律上の義務をに回避することが目的ではなく、国際化したチームにとって「持続可能で競争力のある枠組み」が必要だと説明している。
今回の法人再編は、ポール・セクサスの将来と無関係ではないと考えられている。
セクサスとDecathlon-CMA CGMとの現在の契約は2027年末までだが、2026年にイツリア・バスクカントリーとフレッシュ・ワロンヌを制し、フランスの期待を一身に受けて初出場となったツール・ド・フランスでもいきなり総合4位に入ったことで彼の市場価値は急上昇した。
将来のツール・ド・フランス総合優勝候補として、複数の有力チームがセクサスに関心を示していると報じられている。
特にスイスを拠点とするPinarello Q36.5 Pro Cycling Teamからは、年間1000万ユーロを超える可能性のある巨額オファーが提示されたとの報道もある。
そのためDecathlon-CMA CGMが2028年以降もセクサスを残留させるには、現在の契約を大幅に上回る条件が必要になるだろう。給与関連コストを抑えられるスイス法人の存在は、契約交渉における重要な武器となるだろうか。
Decathlon-CMA CGMは2028年からポール・セクサスを中心としたスーパーチームを作り上げることができるか?