仏政府のツール・ド・フランスについての考え
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今夏にツール・ド・フランスが開催できるかどうかについて、フランスのスポーツ省大臣Roxana Maracineanuがメディアに答えた。
この前3月24日に「フランス政府がツールの縮小開催を検討」という記事を書いたが、今回はそれの追加・補足ネタのようなもの。
情報源:French sports minister says government still mulling options for 2020 Tour
“We have [imposed spectator bans] for other competitions before, even though it won’t have the same impact because the business model of the Tour doesn’t depend on ticket sales like football or rugby.”
訳「ロードレース以外のスポーツではこれまで無観客試合にしたこともあったけど、無観客とした場合でも他のそれらのスポーツと同じ影響が社会的にあるとは限らへんかもね。というのも、ツール・ド・フランスはサッカーやラグビーといったスタジアムでやるスポーツとは違って、チケット収入に依存していないからや」
“Ultimately, it wouldn’t be so bad because you could still watch it on TV.”
訳「極論すればTVで見られるわけやから、まぁ最悪というレベルではないやろ」
たしかにロードレースってのは無料で道路で観戦できるわけで、だからこそこれまで人気を維持してこれたとも考えられる。観客収入に頼らないビジネスモデルがゆえに、観客がいなくても本質的には問題がないとも考えられる。もちろんプロトンが通る街の喫茶店とかスーパーは少しは影響あるやろうけど、でも地方都市の場合は一瞬でプロトンが通りすぎるだけやから、喫茶店とかの売上が伸びるのはほんの1日だけ。売上大幅減にはならないはず。むしろ、コロナによる外出禁止令とかのほうがビジネス上の損害は大きい。
それに観客がいなければ、警備員の数も減らせて人件費が安くなるかも?いやむしろ、集まろうとする連中を帰らせるために余計な手間が増えるか?どうやろ。こればっかりはやってみないとわからんね。
チケット収入に依存していない(そもそも観客がいようがいまいが関係ない)から、「やらなくても問題ないやろ」と考えるか、「やっても問題ないやろ」と考えるか。この2つの考え方ができるわけで、上述の大臣の言い方からすると、フランス政府としては後者の考え方か?
ただ政府としてまだそっちの方向と決まっているわけではなく、まだまだ全ての選択肢を考えているとのこと。全てはまだまだ想像の段階。
上述の大臣もTwitterで、
Le @LeTour est un monument du sport. Il est trop tôt pour décider. Il y a un temps pour tout. Dans l’immédiat, nous avons une bataille plus urgente à mener. Consacrons toutes nos forces à cette montagne-là avant d’envisager l’après.
— Roxana Maracineanu (@RoxaMaracineanu) March 25, 2020
「ツールは歴史的な大イベントやけど、まだ時間的に余裕はある。政府としてはツールの前にやらなあかんことは山積みなわけで、まずはそれからや」と述べる。
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