ボブ・ユンゲルスが犯してきた間違いとは？今年の目標とレース予定

昨年までDeceuninck-QuickStepだったボブ・ユンゲルスは、今年からAG2R Citroënで走る。そんな彼はこれまでずっと間違いを犯してきたと告白する。それは一体何なのか？

情報源：Bob Jungels: In the past I’ve made the mistake of doing too much

情報源記事で、ユンゲルスは次のように長年の「間違い」を説明する。

I’ve made the mistake of trying to do too much in the past with doing the Classics and then going to the Giro,”

訳「今までの間違いというのは、あまりにもいろいろなことをクラシックでやりすぎてたことと、その流れのままジロに出場してきたことやね。」

“That was too much and I think that from a planning point of view it makes sense to have something solid and with not too much racing. The Tour of Flanders and Roubaix are races I’d love to compete in again one day and even this year after Catalunya if the team needs someone for the Tour of Flanders I’ll be happy to help.”

訳「出場するレースが多すぎたのよ。もっと何か特定の確固たる目標をきめたほうが上手くいきやすいから、レースを減らそうと考えてるのよ。ロンドやパリ～ルーベも大好きやからまたいつか勝利を目指したいけどね。今年はカタルーニャの後チームがロンドのエースを決めたら、喜んでアシストするよ」

すなわち、AG2Rへ移籍した今年ボブ・ユンゲルスは石畳クラシックの頂点を狙わないことになる。出場したとしてもあくまでアシストとして走るだけ。自身の勝利を目指して走らない。

かわりに、北の地獄の終了後のアルデンヌクラシックと、そして一週間程度のステージレースでの総合優勝を目指そうと考えている。

上述のように彼が長年やってきた間違いとは、レースが多すぎることである。

そもそもTT能力が高い彼は、クラシックでもステージレースでも安定した強さを誇る。つまり万能がゆえに、いろんなタイプのレースに出場し続けてきた。しかしそれは逆にいえば器用貧乏という結果になってしまった。

それぞれのレースではやはりそれに特化してトレーニングしてきたスペシャリストには勝てない。石畳クラシック、アルデンヌクラシック、そして一週間のステージレース、さらにグランツールではそれぞれ必要な能力は異なる。

それを当然わかっていながらも、多種多様なレースに出場し続けてきた。それが彼の言う間違いである。

もちろんそうした間違いの背景にはDeceuninck-QuickStepからそれらを求められていたという部分もあるだろう。しかし、新天地となるAG2Rではこれまでよりも、明確な目標をもち、それに向けてより戦略的な観点でレーススケジュールを起案しようとしているのである。

さて、そんなユンゲルスの今年の予定だが、まずスペインのブエルタ・ア・アンダルシア（Vuelta a Andalucía。別名ルタ・デル・ソル：Ruta del Sol）でシーズンインとなる。続いて、状態次第でフォーン＝アルデシュ・クラシック（Faun-Ardèche Classic）へ。そしてシーズン最初の大きな目標となるパリ～ニース。その後にいよいよ本命のアルデンヌクラシックという流れである。

それが終われば、ツール・ド・スイスまたはクリテリウム・ドーフィネを経て、ツール・ド・フランスとなる。ツールではステージ優勝を狙うチームの作戦にあわせて、積極的にチームメイトをフォロー、または自身のステージ優勝を狙うことになる。