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近年急激に世界的トレンドとなった反差別運動。プロトンにも黒人選手はいる。有名なところではケヴィン・レザがそうだ。ケヴィンが述べるプロトンでの人種差別の有無については以前書いた。下の過去記事をまた読んでほしい。
多国籍の人間が集まるプロロードレースの世界でもやはりいわれなき差別への想いはあるようで、昨日は2020年ジロ・デ・イタリア総合優勝でチームイネオスのタオ・ゲイガン・ハート(Tao Geoghegan Hart)が、差別反対のための誓いと、その一環として自身がかつて所属していたアメリカのチーム、Hagens Berman Axeonのスポンサーとなることを宣言した。以下、本人のインスタグラムを見て欲しい。
ゲイガン・ハートは今日から始まるTour des Alpes Maritimes et du Varでシーズンインを果たすが、その前日に今回の宣言となった。25歳の英国人は次のようにインスタグラムで述べる。
Cycling has a problem with diversity and inclusivity. This is a fact. It is not unique within sport, but we must face it head on all the same.
訳「自転車界は多様性と包括性がまだ欠けている。これは事実である。スポーツ界だけでなく、全ての人間がいっしょにそれに真正面から取り組まなければならないのだ」
With this in mind, I will be taking action with @hbaxeon by sponsoring an under-23 rider to race with the team this summer. I hope this can be the beginning of a joint effort to increase racial diversity within the amazing sport of Cycling. I will work with @axelmerckx and his team in the coming months to identify, coach and mentor the person, and athlete, to join the team on August 1st. More details to follow.
訳「こうしたことを考え、自分が取り組み始めているのがHagens Berman Axeonで今夏からレースをするU23の選手を支援することだ。この自分の行動が他者との連携を生み、自転車というすばらしいスポーツでの人種的多様性の拡大につながればと願う。チームのマネージャーであるアレックス・メルクスと共同し、まずは次の数ヶ月の間に8月1日(UCIによる契約解禁日)にチームに加入するスタッフや選手の人選などを行いたい」
これ以上の具体的・詳細な支援内容は不明。だが、彼の今回の発表は、おそらくジロ・デ・イタリアを制覇したことが影響しているのではないかと思う。自信とそしてジロ優勝者としてのプロトン内外での責任。ジロ制覇がこの2つをはっきりと意識させたのではないだろうか。
なお、Hagens Berman Axeonはタオ・ゲイガン・ハートだけでなく、テイラー・フィニー、ジョージ・ベネット、ジョアン・アルメイダなど数多くのトッププロを輩出している名門チームである。