【若き覇王の貫禄】ティレーノ~アドリアティコ第4ステージの結果と感想
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さきほど終わった今年のティレーノ~アドリアティコ第4ステージの感想と結果を簡単に。
大会最難関!第4ステージのコース
まずはいつもどおり今日のステージの最後のコースプロフィールを。
この第4ステージは今年のティレーノ~アドリアティコの最難関ステージ(クイーンステージ)である。そのコースは、次のとおり。
📺 Segui la Tappa 4 della #TirrenoAdriatico in tv!
— Tirreno Adriatico (@TirrenAdriatico) March 13, 2021
📺 Follow the #TirrenoAdriatico Stage 4 on tv!
👉 @RaiSport
👉@Eurosport pic.twitter.com/W1Sag2CmKo
この最後の険しい山だけを切り取ると次のようになる。
📌 Inizia la salita finale di Prati di Tivo!
— Tirreno Adriatico (@TirrenAdriatico) March 13, 2021
📌 Final climb at Prati di Tivo starts!#TirrenoAdriatico pic.twitter.com/8VP8BFwD8W
登坂距離14.6kmで1026mを登る。平均斜度7.0%で最大斜度12%。グランツール名物の一部のキチガイみたいな山岳に比べると少しインパクトに欠けるが、今年のグランツールでの山岳決戦を占うには十分な山といえよう。
レース展開
まず、この最後の山岳Prati di Tivoが始まると本格的にレースが始まった。タデイ・ポガチャルを擁するUAEが集団の先頭に躍り出て一気にペースアップ。クライマーや総合エースたち勝負が始まった。
何をどうやっても今日は無理なマチュー・ファン・デル・プール。さっさと諦めて何かを食べながらチームメイト談笑しつつのんびりモード。
ここからトップクライマーや総合エースらが次々とアタックをしかける激しい展開となった。
まずはトレックのチッコーネが口火を切るが、しばくしてイネオスの高速トレインが牽引する集団に吸収。その後は、ベルナルがしかけるもやはり吸収。そしてすぐ後にゲラント・トーマスがアタック。
ただこれら全ての動きにリーダージャージを着て、総合優勝を目指すワウト・ファン・アールトが反応しない。反応できないのか、それともペース走法なのか・・・。彼を守るチームメイトは誰もおらず孤軍奮闘せざるを得ない状況である。
しばらく独走するが、少しして集団から昨年のツール・ド・フランス総合優勝者タデイ・ポガチャルが一人加速して飛び出す。
ポガチャルは圧倒的な速度ですぐにゲラント・トーマスをつかまえて合流。しかしそのGがポガチャルに全くついていけず、ポガチャルの独走へ。
一方、その頃集団からさらなる動き。ランダ、ベルナル、そしてサイモン・イエーツの3人が飛び出す。その3人から今度はイエーツがアタック!かつてのジロで最強の姿が戻ったかと思わせるダンシングでガンガン攻める。
俺たちのサイモン・イエーツが帰ってきたか!?
そしてゴールの少し手前でポガチャルとこの差!ポガチャル逃げ切れるか?それともイエーツが逆転か?
この後どうなったかは次のゴールシーンの動画をご覧あれ。
🎥 The mountain finish at Prati di Tivo saw a host of champions slugging it out. It came down to @TamauPogi vs @SimonYatess. Watch the final km of Stage 4.#TirrenoAdriatico pic.twitter.com/XFbatZ5lXp
— Tirreno Adriatico (@TirrenAdriatico) March 13, 2021
結局、ワウト・ファン・アールトは今日でリーダージャージをポガチャルに奪われた。最後の山では全く加速できず、ライバルたちの動きに即座に反応するというのは見られなかった。特にポガチャルの動きには絶対にチェックに入らないといけなかったはず。
このゴールの結果だけを見ると、やはりファン・アールトはいっぱいいっぱいだったのだろうと思う。
そしてポガチャルは狙いどおりに最難関ステージでリーダージャージを奪取することに成功。やはり昨年のツールの山をたった一人で戦い続け、最後に歴史的逆転勝利を収めた実力は伊達じゃない。今日の結果はまさに王の力の証明といったところか。
明日と明後日の第5・第6ステージは小刻みなアップダウンが続くだけのコース設定であるため、事故がなければ総合争いに変動は起きないであろう。
ファン・アールトの思惑と狙い
そして最終日は個人タイムトライアル。ファン・アールトはここに照準をあわせているはずだ。
たぶん今日リーダージャージをポガチャルに奪われることも想定ずみだったのではないか?最終日のタイムトライアルで差をつけることを前提にして、そこから逆算して何秒以内なら最後に逆転優勝できると計算しているはず。
なお、レース後のインタビューでファン・アールトは「今日の出来に満足している。まだ戦いは終わっていない」と述べている。ということは・・・想定の範囲内の秒差だったということか?
第4ステージ終了後の総合順位トップ10
この第4ステージの結果を受けて、総合順位は次のようになった。
今日の結果で、ポガチャルとファン・アールトとの差は35秒。この35秒を最終日に逆転できるかどうか。
なお最終日はコース自体は平坦なので優勝候補は世界王者フィリッポ・ガンナだろう。