與那嶺恵理と同じ病気か。アマンダ・スプラットが腸骨動脈の線維化症で手術へ
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現在バイクエクスチェンジで走る女子のスター選手の1人、アマンダ・スプラット(Amanda Spratt)が外腸骨動脈の線維化症により外科手術を受けることになった。
📰 FEATURE 📰
— Team BikeExchange (@GreenEDGEteam) October 11, 2021
A season of questions & underperforming but now the reason is clear.
“I could feel that something wasn’t right. My performances got worse and worse & if I reached the final of a race, my legs were the first to explode.” – @AmandaSpratt🎙https://t.co/2GXva09Wnm
英単語としてIliac Artery Endofibrosisを見たとき、もちろん医者でもなんでもないブタは「??」となったが、「iliac artery(腸骨動脈)」という単語は、たまに自転車メディアで目にして記憶にあった。
ファビオ・アルの不調についても腸骨の病気が原因という記事を書いたこともあった(当該記事はすでに削除したが)。 そして、「そういえば最近どっかで見たよな、この言葉」と思って調べてみたら、やっぱりビンゴだった。
東京五輪直前にして日本の女子選手の與那嶺恵理が、外腸骨動脈の線維化症という病気にかかっていたことを公表していたのだ。(参照:Cyclowired:與那嶺恵理が外腸骨動脈の線維化症を公表
與那嶺は「External」とついているので外腸骨。今回のスプラットはチーム公式ページを見る限りはExternalという文字は見つからなかったので、外ではなく内かもしれない。そのなると 腸骨動脈内線維症という日本語になるだろうか。
シクロワイアードの記事によれば、最近自転車選手に増えつつある病気のようだ。ただ、医学界の文献なども少ないようでなかなか判明しにくいらしい。
この病気の詳しい解説は日本のプロチーム那須ブラーゼンの元プロ選手の小野寺慶がしている。下のリンクから同人の記事を読んでほしい。
リンク:外腸骨動脈の線維化症
そして今回のアマンダ・スプラットも、やはりこの病気に気づくのにかなり時間がかかったようだ。
彼女も今年ずっとこれまでに経験したことのない症状に悩まされていた。明らかに脚の調子は良いのに、全くパワーが出せない状態になっていたのだ。そしてその原因が不明なまま夏を迎えた。
そして東京五輪に出場したことが1つの転機となったようだ。五輪でもその症状が強く出てしまい彼女を苦しめた。そこで五輪後に彼女は不調の原因を探ろうと決意。オーストラリア代表チームのドクターが、「腸骨動脈の線維化症かどうかの検査せなアカンわ」と精密検査を提案したようだ。おそらくこのドクターは最近の自転車選手のこの病気の事例などを知っていたのだろう。
そして専門的な検査を受け、やはり腸骨動脈の線維化症だと診断が下され、今回手術を受けることになったようだ。医者がいうには、病気によって腸骨の血流が悪くなるらしい。それがパフォーマンスを低下させる。そして現状ではその血流を回復させるのは外科手術が唯一の選択肢のようだ。そこで彼女もその方法を決断した。
レース復帰やリハビリにはかなりの時間がかかるようだ。
しかしスプラット本人は原因がはっきりとわかったことで精神的にも楽になり、手術による対処法もわかったため、今後のレースに向けてのモチベーションは高いとのこと。
ひょっとしたら今までの自転車選手でもこの病気だったにもかかわらず、それがわからなかった選手はいたのかもしれない。かかってしまった選手にとっては不幸だが、こうやってこの病気の情報・知見が蓄積されいくのは今後の自転車界にとっては良いことだろう。
自転車競技の指導者たちも知っておくべき病気となるだろう。