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2022ロンド・ファン・フランデレンで2度めの優勝を達成したオランダの怪物マチュー・ファン・デル・プール。
昨日はファビアン・カンチェラーラ(Fabian Cancellara)によるコラムを紹介し、カンチェラーラがゴール前スプリントのギア比がマチューとタデイ・ポガチャルとの差につながったと考えているのを紹介した。
もちろん勝利の要因は単純に1つだけではないだろう。その中でさらなる要因になるであろうのが補給だ。
いうまでもなくロードバイク乗りにとってハンガーノックは絶対に避けなければならない。そこで今回はマチューが所属するアルペシン・フェニックスがどのような補給作戦を使っているのかを紹介。
情報源:100+ GRAMS OF CARBS PER HOUR: DECIPHERING VAN DER POEL’S ‘NUTRITION STICKER’
まず次の画像を見て欲しい。
Mathieu van der Poel’s nutrition plan for the Tour of Flanders #RVV22 #rvv2022 from @cyclingtips
— Zach Nehr (@zachnehr) April 4, 2022
Any guesses as to what the 🙂 is? pic.twitter.com/49jKzpT0kD
これは今年のロンド・ファン・フランデレンでマチュー・ファン・デル・プールが乗っていたバイクのステムに貼られたステッカーだ。
プロ選手はよくコースの情報をこのようにステムに貼っているものだが、アルペシン・フェニックスの場合はコース情報だけでなく、どの地点でどういう補給を取るべきかまで指示する内容になっている。
○印はおそらくライスケーキ。長方形の印はエナジーバー。そしてウイダーinゼリーのような形状をした印はジェル状の補給食だろう。さらにボトルの印も見える
同じ印でも色が違っているのもわかる。これは、それぞれの補給食が担う役割・機能・目的は異なるため、適切なタイミングで適切な種類の栄養と量を取ることが重要だからだろう。
200km地点にはニコニコマークがある。その場所は終盤の決定的な勝負どころの1つ、オウデクワレモントが登場する場面だ。そのニコニコマークはおそらくカフェインが入った補給食を取れというマークだろう。
アルペシン・フェニックスはマチューだけでなく他の選手にもこのようなステッカーを使わせ、補給作戦・計画を万全のものにしている。
もちろんトレーニングキャンプなどで得たデータを分析し、選手個々に最適な補給計画を策定しているだろう。
このような補給計画も加えたステッカーは2019年のアムステルダム・ゴールド・レースでも使われていたようだ。
記事によると、普通の選手が1時間あたり肉体に取り込める炭水化物量は80~100gらしい。それ以上食べても体内で上手く・速く処理できないからエネルギーにならず、内臓などに無駄なストレスを与えるだけ。
しかしチーム側の説明によれば、マチューの肉体はちょっと規格外で、最大で1時間120gの炭水化物の摂取が可能らしい。つまり人よりも多くのエネルギーをとりこんで使えるということか?そりゃ強いわけだ。
逆にいえば人よりも多くのエネルギーを摂取する必要があるとも言えるか。
伝統的にはロードバイクのカロリー補給は、1gにつき4カロリーというのが1つの目安。それに基づくと、マチューは1時間ごとに最大480カロリーを補給することになる。
特に先日のロンド・ファン・フランデレンのような肌寒いレースでは、水分補給よりもカロリー補給のほうが重要度が高い。そういったことからもマチュー用に最適化された補給計画がステムのステッカーを使って用意されていたのだろう。
それがマチューの勝利の要因の1つだったと考えられるのではないか。
なお我々素人が1時間あたり100gの炭水化物を肉体的に処理できるかといえば、やはりそれをするにも訓練が必要らしい。トレーニングをしていない普通の素人はそれだけの補給をしても胃腸に不具合がでる可能性が高いようだ。それぞれの肉体レベルに応じた量というものがあるらしい。