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Uno-X「ツールは総合成績も狙う」、クリストフ「ノルウェーにとって特別なツール」

今年のツール・ド・フランスについて、Uno-Xとアレクサンダー・クリストフが語る。その想いと狙いは?

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正月明けに今年の2023ツール・ド・フランスの全出場チームが発表され、そのワイルドカード枠が明らかにされた。

ワイルドカード枠は、

  1. ロット・デスティニー(Lotto-Dstny)
  2. トタルエネルジー(TotalEnergies)
  3. イスラエル・プレミアテック(Israel-Premier Tech)
  4. ウーノエックス(Uno-X)

となったわけだが、歴史上初めてノルウェーチームとしてUno-Xが出場する。そして今年から母国の同チームに移籍しているのが、ベテランスプリンターのアレクサンダー・クリストフ(Alexander Kristoff)。そんな彼が初めて母国のチームの一員としてツールに出場することの価値を語る。

情報源:’An exceptional moment’ – Uno-X keenly anticipating Tour de France debut

アレクサンダー・クリストフと今年のツール

35歳のクリストフはこれまでツール・ド・フランスでステージ優勝を4度挙げている。それゆえ彼にとっては初めてのツール・ド・フランスというわけではない。ただ、史上初の母国ノルウェーのプロチームに所属し、そのメンバーとして出場するという点ではやはり特別な想いがあるようだ。

クリストフは次のように話す。

“I’m proud, too, because it’s a historic moment for my country’s cycling. It’s cool to be part of it with the first Norwegian team, something to tell your kids and grandkids.”

訳「誇らしいわ、ノルウェーにとって歴史的な瞬間となるからね。ツール史上初のノルウェーチームのメンバーとして走れるわけやしね、そらもう子供や孫に自慢できるレベルよ」

ノルウェーチームの活躍がツールで大々的に報道されれば、ノルウェーの若い才能が自転車界に集まる可能性が広がる。そして若いヒーローが誕生することで、自転車人気の裾野が広がる。同国の自転車界に好循環が生まれる。

一方でベテランのクリストフには彼の経験・知見をチームに役立てるという点も期待されているが、すでにいくつかの点で現場レベルにおいて彼の助言がチームマネージメントに役立っているようだ。

たとえば、ファンやメディアとの接し方がそれだ。すなわち、彼らがよりたくさんUno-Xの写真を取ったり、サインをもらいやすくなるように、レース前などの時間にチームバスに滞在する時間を増やしたほうがいいとアドバイス。それがすでに実践されている。マスメディアだけでなくSNSなどへの露出を増やすことを考えれば、これは確かに納得。

そのため今年は、これまでより30分ほど早くレース会場などに到着するようにしているようだ。もちろん、圧倒的大観衆が押し寄せるツール・ド・フランスではそうしたファンサービスの時間帯はさらに重要なものとなるだろう。ノルウェー応援団も同国マスメディアもたくさん訪れるはずだ。

ツールでの経験豊富なクリストフは、そうしたツールでのファンサービスの重要性をチームの首脳陣よりも知っているかもしれないし、そのプレッシャーの大きさも理解しているだろう。おそらくチームの代表として、監督たちよりもメディアに追われるかもしれない。だがそうしたメディア対応もベテランのスター選手である彼の大切な役割だ。

Uno-Xのツールでの目標は、ステージ優勝と総合上位

さてチームとしては今年のツールの目標を2つ考えているようだ。ステージ優勝と総合成績だ。

普通に考えれば両者を同時に追い求めるのは難しいとも思われるが、チーム側は昨年のツールでラルプデュエズを制したトム・ピドコック(Tom Pidcock)の例をあげて、非現実的とは思っていないとの認識を語る。

ピドコックは第12ステージのラルプデュエズを独走勝利したわけだが、第11ステージの時点では総合11位で総合首位とは10分以上の差があった。そしておそらく総合優勝は狙っていないとも思われていたのであろう、総合勢は翌日に彼の独走を許容したという事情があった。結果、ピドコックは第12ステージを終えて総合8位にジャンプアップ。

つまり総合トップ10あたりの上位であっても、途中の抜け出しが許容されるほどのタイム差がついていればステージ優勝も狙えるというわけだ。

ただし、だからといってステージ優勝が楽に実現できるわけではない。同じなことを考えているチームは多いはずで、特に今年はワールドツアーチームでも、アンテルマルシェやEF Education-EasyPostが絶好調。そんな彼らもツールをひっかきまわして楽しませてくれるかもしれない。

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