開幕即胸熱!2024 ツール・ド・フランス第1ステージのレビュー、結果、ハイライト動画
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ついに開幕となった2024ツール・ド・フランス。その初日はアップダウンのあるコースで距離も長めの206kmで、イタリアのフィレンツェからスタートだ。
今年のジロ・デ・イタリアも初週から史上稀にみるおもしろさだったが、ツール・ド・フランス初日もそれに負けないほどの大興奮と感動で溢れる美しいレースとなった。
目次
第1ステージのコース
こちらの記事で紹介してあるのでどうぞ。
感想・ハイライト
想像以上に厳しいステージ
上で紹介した今日のコースだが、ピュアピュアスプリンター以外なら調子が良ければなんとかこなせるのではないかと思っていた。しかし実際にレースが始まると暑い気温も含めて、想像以上にタフな登りばかりだったようで、ピュアピュアスプリンター以外でも、多少登れる選手らも初日から続々と遅れていった。
嘔吐するカヴェンディッシュ
またマーク・カヴェンディッシュは、レースの前半に走りながら嘔吐をする様子を見せ、暑さに体が順応できていないのか、体調の悪さを感じさせた。そしてどんどんプロトンから遅れていった。
今日の悪魔おじさん
今年も元気に参戦されています、悪魔おじさん!
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) June 29, 2024
Cycle*2024 ツール・ド・フランス 第1ステージ
【フィレンツェ 〜 リミニ】206km(丘陵)#TDF2024 #jspocycle
〜J SPORTSオンデマンドLIVE配信中〜https://t.co/JQBfBu7Y1I pic.twitter.com/EPMuhsRwAz
残り40km。チームDSMの作戦的中!
残り40kmほどとなった2級山岳で逃げは、以下の4名。
- ロマン・バルデ(Team DSM-Firmenich PostNL)
- フランク・ファン・デン・ブルーク(Team DSM-Firmenich PostNL)
- ヴァランタン・マドゥアス(GroupamaーFDJ)
- ヨナス・アブラハムセン(Uno-X Mobility)
このうちアブラハムセンがまず脱落する。
その後チームDSMの二人が登りでヴァランタン・マデュアスをふるい落とすことに成功し、なんとDSMコンビが独走態勢を築くことに成功する。チームDSMの狙い通りの展開といえるだろう。初日のマイヨジョーヌを狙える絶好の展開に持ち込んだ!
ロマン・バルデは最後のツール・ド・フランスだと明言していただけに、チームとしても絶対にバルデにマイヨジョーヌを着させたいとの考えだったのだろう。胸が熱くなる展開だ。
そしてそのチームDSMコンビを単独で追うのが、追走集団から飛び出したアイルランドのスター、ベン・ヒーリーだ。DSMコンビとは1分ほどの差で追いかけるがなかなか追いつけない。やはりDSMは二人というのが決定的に有利だ。
ギリギリ!残り5kmで35秒差!
DSMコンビは快走するがプロトンも少しずつ差をつめてくる。残り10kmで1分ほど。
通常のロードレースでは平坦区間は10kmあれば1分タイムが縮まるとされる(通称10km1分の法則)ため、このタイム差はまさにギリギリだ。
そして残り5kmで35秒差!
追走するプロトンももうだいぶ小さくなっているが、こうしたステージにめっぽう強いワウト・ファン・アールトと、マッズ・ピーダースンとリドル・トレック勢も残っていたため、小さくなった追走集団も決してあきらめずにDSMコンビを追い詰めていく。
特に🐷が気にしていたのは人数を多く残していたリドル・トレック。彼らが全集中パワーで鬼引きすればDSMとの差は一気に縮小するはずだった。ただそうするとあまりにも早い段階からアシストを使い切ることにもなって他チームのライバルを利することにもなる。リドル・トレックとしては「ぐぬぬ・・・」という状態でもあったかもしれない。
残り1km!
最後の残り1kmラインはまだか!残り1.2kmで11秒差!
すぐ後ろに集団きたああああ!
どうだ??
🐷「うおおおおおおおおお!きたああああああああああ!」
上述のように現役最後のツール・ド・フランスで、開催国フランスのベテランクライマーが初日にステージ優勝でマイヨ・ジョーヌ獲得!!これはフランスも大統領選挙どころじゃない!
そんなバルデに有終の美を飾らせようと最後までつきあったフランク・ファン・デン・ブルークは今年プロデビューしたばかりで、もちろんツール・ド・フランス初出場という23歳のオランダの若者だ。
まさに最初のツールと最後のツールという物語。今年のツール・ド・フランスはこんな美しすぎる物語から幕開けとなった。バルデのファンは夜中に嬉しい絶叫と嬉し泣きをしたのではないだろうか。
そしてDSMはチームとして、山岳賞ジャージ以外の、総合リーダージャージ、ポイント賞ジャージ、そして新人賞ジャージをすべて獲得。バルデ優勝も含めてチームとしても最上の結果といって間違いないだろう。
さてロマン・バルデがマイヨ・ジョーヌをいつまでキープできるのかが問題となるが、おそらく第2ステージはキープできるはず。今日よりも登りは軽めで、今日よりも集団ゴールとなる可能性が高いからだ。また続く第3ステージは平坦スプリントステージのため、こちらも終盤にトラブルがなければ集団ゴールとなるだろう。
問題は第4ステージは。今年のツールは第4ステージでいきなり超級山岳のあのガリビエ峠が登場する。山頂ゴールではないが、山頂後は下ってゴールとなっていて、ゴール前に平坦区間すらない。よって山頂通過の順位が決定的に重要となる。
その日はチームDSMがバルデのために逃げを狙う選手のアタックをつぶし、マークしなければならない。
そしてひょっとしたらヨナス・ヴィンゲゴーの調子を見るために、タデイ・ポガチャル&UAE勢がこの超級でなにかをしかけてくる可能性もある。ポガチャルが超級でもし動けば、はたしてバルデはついていけるだろうか。この第4ステージがバルデのマイヨ・ジョーヌ維持にとって難しいものとなるだろう。
カヴェンディッシュは失格を免れる
レース全体のハイライト動画
結果
ステージトップ10
1 | Romain Bardet | Team dsm-firmenich PostNL | 1位との差 |
2 | Frank van den Broek | Team dsm-firmenich PostNL | ,, |
3 | Wout van Aert | Team Visma | Lease a Bike | 0:05 |
4 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates | ,, |
5 | Maxim van Gils | Lotto Dstny | ,, |
6 | Alex Aranburu | Movistar Team | ,, |
7 | Mads Pedersen | Lidl – Trek | ,, |
8 | Remco Evenepoel | Soudal Quick-Step | ,, |
9 | Pello Bilbao | Bahrain – Victorious | ,, |
10 | Alberto Bettiol | EF Education – EasyPost | ,, |
総合トップ10
1 | Romain Bardet | Team dsm-firmenich PostNL | 1位との差 |
2 | Frank van den Broek | Team dsm-firmenich PostNL | 0:04 |
3 | Wout van Aert | Team Visma | Lease a Bike | 0:11 |
4 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates | 0:15 |
5 | Maxim van Gils | Lotto Dstny | ,, |
6 | Alex Aranburu | Movistar Team | ,, |
7 | Mads Pedersen | Lidl – Trek | ,, |
8 | Remco Evenepoel | Soudal Quick-Step | ,, |
9 | Pello Bilbao | Bahrain – Victorious | ,, |
10 | Alberto Bettiol | EF Education – EasyPost | ,, |
各賞1位
総合1位 | Romain Bardet(Team DSM-Firmenich PostNL) |
---|---|
ポイント賞1位 | Frank Van Den Broek(Team DSM-Firmenich PostNL) |
山岳賞1位 | Jonas Abrahamsen(Uno-X Mobility) |
新人賞1位 | Frank Van Den Broek(Team DSM-Firmenich PostNL) |
バルデ、良かったですね。フィニッシュ後のバルデの様子に、思わずもらい泣きしてしまいました。
フランスにとっても願ってもない幕開けになりましたね。
これまでずっと求めていたものを手にできなかったのに、まさか最後のツールでそれが手に入るとは。人生おもしろいものブヒね。
これからもチャンスを見てステージ優勝を狙ってくるだろうから楽しみブヒね。