レビュー
Rapha



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1907年から開催されワールドツアーの中で最も走行距離が長いミラノ~サンレモ。今年は289kmのコースとなる。いうまでもなく5大モニュメントの第1戦目となり、春の訪れを告げるモニュメントでもある。
走行距離が長くしかも最後の勝負どころ以外は特に難しい区間もないので退屈なレースと言う人もいるだろうが、それでも毎年終わってみれば「今年もめっちゃおもしろかった」と思うレースだ。
そしてやはり今年もチプレッサからの攻防は大興奮のものとなった。もちろんその主役はタデイ・ポガチャル。
ポガチャルが最も勝つのが難しいされるモニュメントで彼がいつどこで攻撃するのかが最大の注目であり、カレブ・ユアンが「ポガチャルは、勝つためにチプレッサは捨てたほうがいい」とも言っていたが、それでも今年もポガチャルはチプレッサでの攻撃にこだわった。
そして最後は世界王者経験者の3人だけのバトルとなった。
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勝負どころのチプレッサとポッジオのデータがこちら。
今年のミラノ~サンレモは雨と低温の中でのスタートとなった。
ポガチャルも体が温まらずこのように手先に温かい血流を送るためか上半身を動かす。他の選手でもこのように体や腕を動かす選手がいた。
だがプロトンが進むにつれて路面も乾き始め、やがて雨は完全に止みドライコンディションの地域へ入る。
残り50kmほどになり3連続CAPO(MELE、CERVEO、BERTA)が登場する頃になると、そこからしばらくのところにあるチプレッサに向けて少しずつプロトン内部の緊張が高まる。落車やちょっとした接触、メカトラなどが増えだす。
一方で逃げ集団の中からはバルディアーニのマルティン・マルチェルージが短い登りを利用して単独で力強く抜け出し独走をスタート。
そしてチプレッサが始まる。
そして残り30kmを切るとチプレッサ!距離5,6km、平均4.1%。粘ったマルティン・マルチェルージもチプレッサの登り口で吸収される。
昨年はチプレッサでUAEトレインがポガチャルを牽引したが、今年もティム・ウェレンスが先頭でチプレッサを牽引。だが最初はポガチャルが先頭から10番目~20番目あたりにいて、ポガチャルの周囲にもUAEの選手がほぼいない感じ。昨年のようなUAEトレインという感じではない。
🐷「あれ?昨年とは作戦がちょっと違う?もしかしてポッジオ一発勝負?」
だがこのあとポガチャルがジョナタン・ナルバエスとともに先頭に上がってくる。
ウェレンスの次はナルバエスがポガチャルを牽引。この時点でUAEのアシストはもうナルバエスだけ。
プロトン後方では昨年度の覇者で連覇を目指したヤスペル・フィリプセンが怪我影響か、チプレッサで遅れてお仕事終了となる。
そしてポガチャルいったああああああああああああ!!!
この攻撃に追いすがることができたのはフィリッポ・ガンナとマチュー・ファン・デル・プールのみ!
この中で一番つらそうなのはフィリッポ・ガンナ。ポガチャルが踏むたびにガンナは他2人に少し遅れる場面が何度かあるも根性でくらいつき、チプレッサをなんとか耐えきる。マチューはまだ余裕ありそうか?
ポガチャルはチプレッサでアタック!
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) March 22, 2025
Cycle*2025 ミラノ~サンレモ#MilanoSanremo #jspocycle pic.twitter.com/NdjXTLGviw
このポガチャルの攻撃で思ったのが、
🐷「でも、ポガチャルは2人がついてきた時点で攻撃やめてもよかったのでは?」
ということ。
🐷「ガンナはこの調子だとポッジオで落とすことができるだろう。でもマチューは無理っぽい。そうなるとマチューと2人でスプリント勝負?さすがにそれは不利すぎるだろう。どうせ結末がマチューとのスプリント勝負なら力ためてポッジオ一発勝負でも良かったのでは?」
🐷「あぁでもそれだとマチューに脚使わせることもできないか」
この3人はチプレッサで後方に十分な差をつけるべく協力しながら平坦区間も走り、最後の勝負どころポッジオへ。
ついに最後の勝負どころポッジオ(距離3.7km、平均3.7%、最大8%)。ここでも当然ポガチャルが断続的にアタックをしかける。
マチューはついていけるがガンナがどうしても遅れる。
ポガチャルはマチューをふるい落とすべく攻撃を繰り返す!
だが隙をついてマチューがカウンターアタック!ポガチャルとの差が少し開くが、ポガチャルも粘る!
結局2人ともお互いを引き離すことはできず並んでポッジオをクリア。
一方でガンナは2人から16秒ほど遅れてポッジオの下りへ突入。
ポガチャルもマチューも下りは苦にしないので、下りで彼らに追いつくのは難しいかと思われたガンナだが、ガンナも下りが速い速い。あのテクニカルな下りの間に2人のとの差をかなり縮小することに成功。
平坦区間でもTTスペシャリストとしての力で少しずつ2人との差をつめる。ゴールが近づくと2人は牽制を始めるためガンナは確実に追いつけるはず。
🐷「ガンナ追いついた!ガンナすげえええ」
この3人は、ガンナは元個人タイムトライアル世界王者、マチューは2023ロードレース世界王者、そしてタデイ・ポガチャルは現ロードレース世界王者。奇しくも3人の世界王者経験者だけによる戦いとなった。フィニッシュ動画はこちら。
🔻 Breathtaking. Possibly the greatest 1000m we've seen on la Via Roma.
— Milano Sanremo (@Milano_Sanremo) March 22, 2025
🔻 Mozzafiato. Forse il più grande 1000m che abbiamo visto sulla Via Roma.
⏪ The @continentaltire Ultimo Kilometro ⤵️#MilanoSanremo presented by @CA_Ita pic.twitter.com/u6E2ZMt5ZX
🐷「そらそうなるよ。まぁしゃーない。このレースはどうしてもそうなるわ」
これでマチューは2023年に続いて二度目の優勝。ガンナも2023年に続いて2位。ポガチャルは昨年と同じ3位。
ミラノ~サンレモの最多勝記録はエディ・メルクスの7勝。ついでコスタンテ・ジラルデンゴの6勝。マチューは今回の優勝でショーン・ケリーらの2勝組と並ぶことになった。仮に次勝てばオスカル・フレイレやファウスト・コッピらと並ぶことになる。
それにしてもやはりポガチャルは勝てない。ポッジオが平均8%、最大斜度15%であれば勝てるのだが、どうしても斜度が低いためマチュー(あるいはワウト・ファン・アールト)を振り切れない。
もし来年もミラノ~サンレモに出場して、マチューも調子が良ければ結局今年と同じ結果になる可能性が高い。それでもポガチャルは出場するだろうか。勝つまで出場し続ける可能性はあるし、勝つためのデータを集めるために挑戦し続けるか?
どうすればポガチャルは勝てるだろう?いっそのことジョナタン・ナルバエスをポッジオまで温存して、ポッジオで彼にアタックさせてマチューにそれを追わせたほうがいいかもしれない。そしてポガチャルはマチューをずっとマークし続けて、タイミングを見計らってマチューの背中から飛び出すか?
そのための理想は、ポッジオでナルバエス、ポガチャル、マチューという3人だけのシチュエーションを作り出すことだが、そもそもそれが難しいという・・・
のちほど。
1 | Mathieu van der Poel | Alpecin – Deceuninck | 1位との差 |
2 | Filippo Ganna | INEOS Grenadiers | ,, |
3 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates – XRG | ,, |
4 | Michael Matthews | Team Jayco AlUla | 0:43 |
5 | Kaden Groves | Alpecin – Deceuninck | ,, |
6 | Magnus Cort | Uno-X Mobility | ,, |
7 | Mads Pedersen | Lidl – Trek | ,, |
8 | Olav Kooij | Team Visma | Lease a Bike | ,, |
9 | Matteo Trentin | Tudor Pro Cycling Team | ,, |
10 | Fred Wright | Bahrain – Victorious | ,, |