レビュー
Rapha


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なぜModern Adventureはアマチュア向けバイクをパリ~ルーベで使うのか?
今年からアメリカのProTeamとして誕生し活動をスタートさせているModern Adventure。
今年のパリ~ルーベにさっそく出場予定だ。
同チームが使うチームバイクは昨年までIsrael–Premier Techが使っていた英国ブランドのFactor。それにアメリカチームらしくSRAMを組み合わせている。
そんなModern Adventureが初参戦となるパリ~ルーベではFactorのガチプロ向けの機材ではなく、どちらかといえばアマチュア向けのバイクを使うことに決めたようだ。
Modern Adventureがパリ~ルーベ用チームバイクとして選択したのは、Factorの「MONZA」だ。
通常トッププロが使用する軽量・高剛性のOSTRO VAMやONEと比較すると空力的デメリットが存在する。
しかしチームは、その空力性能の差は約2.5ワット程度であり、勝敗を決定づけるほどではないという判断だ。
そしてそれ以上に重視されたのが、「壊れないこと」だった。
“a mishap leading to a broken frame 100% will put them out of contention”
訳「不運でフレームが壊れれば絶対にレースができなくなる」
すなわち、パリ〜ルーベでは落車や機材トラブルが頻発するため、フレームが破損する可能性が他レースよりも圧倒的に高いする。また石畳区間は狭いためチームカーがなかなか前へ上がっていけない。選手はその場で壊れたバイクを抱えてチームカーがくるまで立っているしかできないことが多々ある。
したがって、多少の空力損失よりも、耐久性を優先する戦略が合理的と判断されたわけだ。
そしてMONZAは同ブランドのハイエンドモデルと比較して、より頑丈なカーボンレイアップが採用されている。軽量化を極限まで追求したフレームではなく、衝撃耐性や長時間の振動に耐える設計が特徴となっている。
またFactor ONEが使われない理由も、パリ~ルーベの石畳ではONEが硬すぎるからだ。フレームの硬さゆえに衝撃が手に伝わりやすくそれが疲労の増加、操作性の低下、集中力の低下などのデメリットを生むと考えた。
近年のロードレースでは、エアロロードバイクの進化により、ほぼすべてのレースで「軽量かつ空力性能重視」の方向に収束している。
昨日の記事「Canyon Enduraceはオールロードの未来を示すか。パリ~ルーベでColnago Y1Rsとオールロード頂上決戦? 」もそれと同旨の内容となっている。
しかし、今回のModern Adventureの判断からすると、そのような現代的トレンドにもかかわらずやはりパリ〜ルーベは例外だと考えるチームや選手がいるということだろう。
「最速バイク」よりも「壊れないバイク」を。今回のModern Adventureの選択は、ある意味でそうした「原点回帰」とも言える思想を表していると言えるだろう。
これまでパリ〜ルーベは歴史的にも機材革新を促してきたレースであったわけだが、近年はそのパリ~るーべでも普段のレースと同じバイクで戦うことも多い。
しかし今回のModern Adventureのような判断が広まれば、またパリ~ルーベが新たな潮流の起点となる可能性もある。