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先日の2024フレッシュ・ワロンヌは低温と雨による過酷なサバイバルレースとなったが、今夜のリエージュも低い気温でのスタートとなりコンディションが心配された。
圧倒的優勝候補であるタデイ・ポガチャルも「寒さが気になる」とレース前に話しており、実際にスタート地点ではみんな各種ウオーマーにレインジャケットを着込みレースをスタート。
だがレースの主導権はその懸念された寒さではなく、あのチームの完璧な戦略シナリオだった。
目次
天気は風は強まるけれど回復していくみこみ
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) April 21, 2024
残り距離154.9km、先頭9人、4分10秒差
Cycle*2024 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ#LBL #jspocycle
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/xs57KG8vo3 pic.twitter.com/FgbUCvVAWh
上の落車にはギリギリ巻き込まれなかったマチュー・ファン・デル・プールだが、その後少しして次の落車に巻き込まれてしまう。
集団落車が発生
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) April 21, 2024
道いっぱいに広がって足止めになってしまいました
Cycle*2024 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ#LBL #jspocycle
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この落車の前から集団は登りでペースアップを開始していて、そのペースから遅れたりして集団後方にいた選手がこの落車に巻き込まれた。もちろんポガチャルは巻き込まれていないが、マチュー、ピドコック、カラパスなどなど有力どころが数多く巻き込まれてしまった。
すでにUAEの面々を含むプロトン前方はこの前から登りでのふるい落としを開始していたため、落車に巻き込まれた後続を気にすることもせず走行ペースを維持。
ストップを余儀なくされた集団は先行する集団から1分ほどの遅れとなる中、それ以上の遅れは致命的と考えたか、トム・ピドコックがアタック。
💥 Attaque de @tompidcock depuis le groupe de coureurs lâchés
— Liège-Bastogne-Liège (@LiegeBastogneL) April 21, 2024
💥 @tompidcock attacks from the group of riders left behind#LBL pic.twitter.com/ZLRMPkswPJ
だがマチューはこれを追わない。ピドコックと他数名が先行し、ポガチャルらのグループを追うことに。マチューは動けなかったのか、動かなかったのか。
結果的には10kmほど走ってピドコックのグループが先にポガチャルグループに追いつき、そしてそのすぐあとにマチューグループも合流することに成功する。その時点での結果だけを見ると、慌てずマイペースで走り続けたマチューが正解だったとわかるが、当然それはただの結果論。
リエージュでの恐ろしい落車。#ロードレース #ロードバイク #スポーツ #自転車 #ツール・ド・フランス #ジロ #ブエルタ #jspocycle #gcn #世界選手権 #LBL #LBL2024pic.twitter.com/bIZBKBBJDb
— バイクニュースマグ@ワイアードの豚 (@BikeNewsMag) April 21, 2024
残り35kmの斜度13%レベル登場する激坂コート・ド・ラ・ルドゥート(côte de La Redoute)。それまで全く目立たずなんの動きも見せていなかったあの男がついに動いた。
勝負所コート・ド・ラ・ルドゥートでポガチャルがアタック!カラパスがついていく!
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) April 21, 2024
Cycle*2024 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ#LBL #jspocycle
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🐷「うあああああああああああああ。今日は35km独走かよ」
この時点でもう誰もが「はい、今日の優勝決まり」と思っただろうし、そしてそれは正解。
レース前からこのコート・ド・ラ・ルドゥートでポガチャルがアタックする作戦だったのかはわからないが、とにかく今日のチームUAEとポガチャルは無駄なことを一切しなかった。先日のフレッシュ・ワロンヌは強力な布陣で臨みながらも、「なぜワロンヌでUAEは自滅したか?。低体温症のスケルモースはリエージュ出場へ」で書いたとおり、強欲すぎたか焦りすぎたか余計な作戦を敢行して自滅。
もちろん今日のリエージュにはポガチャルがいるという違いがあったわけで、だからこそ余計なことを考える必要もなかったのかもしれないが。
まるでツール・ド・フランスで見せるかのような完璧なシナリオと万全のチーム力で、すべてはポガチャルのためにというレース運びだった。
一人別次元のレースしているポガチャルは置いておいて、ポガチャル以外でこの日最も印象的な結果を残したのはチームDSMのベテランクライマーで元フランスの貴公子ロマン・バルデ(Romain Bardet)だ。個人的に好きな選手の一人でもあるのでずっと応援していた。
そのバルデはリエージュ名物の登り、コート・ド・ラ・ロシュ・オー・フォコン(côte de la Roche-aux-faucons)で追走集団から単独アタック。必死の走りで逃げ続けた。
ベルナルを含む後方が加速すればいつ捕まってもおかしくないタイム差での逃げだったが、そんなバルデに幸運となったのがバルデを追う集団に、登りで遅れたマチューのグループが合流したことだ。
今年のリエージュは登りゴールでもなく、平地でのゴール。つまり最後はスプリント勝負となる。基本的にクライマーだらけのリエージュであるため、そうなればマチューが勝つのは必然。そのため、マチューが合流すれば誰も先頭を牽引しようとは思わない。マチューに引かせて彼の脚を削り、自分の脚は温存したいからだ。
そしてやはりその理屈どおりにバルデを追う集団はお見合いとなりそのペースが落ち、実際にバルデと後方との差が開いていった。バルデはフラムルージュを通過してから後方が追いつけないことを確信し、サムズアップを見せる。そして2位でゴール。
🥈ロマン・バルデ
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) April 21, 2024
混沌の3位争いは……?!
🥉マチュー・ファンデルプール
Cycle*2024 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ#LBL #jspocycle
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/xs57KG8vo3 pic.twitter.com/h1akwlNTtn
バルデはゴール後に2位という結果にこれまでのいろいろな想いが湧き出し感極まったのか、涙を見せる。
Une 2️⃣eme place qui signifie beaucoup pour @romainbardet sur #LBL 🥲
— Liège-Bastogne-Liège (@LiegeBastogneL) April 21, 2024
A special 2️⃣nd place for @romainbardet in #LBL 🥲 https://t.co/wHkG4fFsP8 pic.twitter.com/6XaCEvEb53
昨年末の記事「ロマン・バルデが来年で引退か?」で書いたように、バルデはひょっとしたらこのリエージュが現役最後のリエージュとなる可能性もあったわけで、それでも2位を取れたことは本人にとってもとても大きな意義を持つものだろう。
🐷「良かった・・・2位とれたホンマよかった・・・」
1 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates | 1位との差 |
2 | Romain Bardet | Team dsm-firmenich PostNL | 1:39 |
3 | Mathieu van der Poel | Alpecin – Deceuninck | 2:02 |
4 | Maxim van Gils | Lotto Dstny | ,, |
5 | Aurélien Paret-peintre | Decathlon AG2R La Mondiale Team | ,, |
6 | Mauri Vansevenant | Soudal Quick-Step | ,, |
7 | Valentin Madouas | Groupama – FDJ | ,, |
8 | Alexey Lutsenko | Astana Qazaqstan Team | ,, |
9 | Pello Bilbao | Bahrain – Victorious | ,, |
10 | Thomas Pidcock | INEOS Grenadiers | ,, |