マチューがシナリオを破壊！2025ツール・ド・フランス第9ステージはマチュー・ファン・デル・プールが173kmを大逃げもラスト1kmで捕まり、最後はティム・メルリールが勝利

昨夜の2025ツール・ド・フランス第9ステージも前日の第8ステージに続いて普通の平坦ステージというコース。ところどころ強風に注意しなければいけないところがあるぐらいで、カテゴリー山岳もなにもなく、最後は普通の集団スプリント･･････

🐷「だと思った？残念、神回でした！」

誰もがレース前から予想していたそんなシナリオをぶっ壊した選手がいた。Alpecin-Deceuninckの職人ヨナス・リカールトと怪物マチュー・ファン・デル・プールだ。

第9ステージのコース

レース展開ハイライトとレビュー

マチューが二人で大逃げ！マイヨ・ジョーヌ奪還に挑戦？

この動画でレースがスタートした瞬間一人でかっ飛んでいったのが、Alpecin-Deceuninckのヨナス・リカールト。そしてそのすぐあとにプロトンから飛び出したのがマチュー・ファン・デル・プールだ。結局この二人だけが逃げる展開に。そしてプロトンは二人に対して5分以上のタイム差を容認しながらレースが進む。

万が一プロトンに何か大落車でもあれば彼らの大逃げが成功し、マチュー・ファン・デル・プールがマイヨ・ジョーヌ奪還となる。本気でマチューがそれを狙って逃げたのか、それとも別の目的があったのか。レース後のコメントに注目したいところ。

ポガチャル危機！？アルメイダがリタイア！

第7ステージで落車し肋骨を骨折していたジョアン・アルメイダ。だが、翌日の第8ステージは出走し、完走していた。

しかしやはり状態が芳しくなく、このまま回復し調子が上がる見込みもないのか、この第9ステージ途中でリタイアとなった。

これでタデイ・ポガチャルの山岳ステージでキーパーソンとなるべきアシストが一枚消えたわけだ。現時点ではポガチャルが総合順位で優位な位置にいるが、それでもヴィンゲゴーが本領を発揮する超級山岳などでTeam Visma | Lease a Bikeの猛攻に対処するために、本来アルメイダがいれば使わなくていい力を使うことが多くなるのではないか。

マチュー vs プロトン！

今日はもうこのアルペシン・ドゥクーニンクの2名対プロトンという構図それだけ、乱暴にいえばそれだけである。だがそれでも終盤から超絶おもしろい神回となった。

マチュー＆リカールトとプロトンとの差は残り27kmで1分以内というタイム差。

残り26kmあたりからの強風区間でTeam Visma | Lease a Bikeが前に出てペースアップして、横風分断作戦を実行するような場面も。だがこのVismaの動きは決定的なものにならず後続グループもすぐに合流に成功する。

残り10kmになるとスプリンターチームもいよいよ焦り始めたのか集団前方で牽引を始める。

平坦コースでは10km1分という法則が存在する。プロトンが追いかける場合、10kmあれば1分縮められるという意味だ。その法則からすれば残り10kmを切っても50秒差というのはどっちに転ぶかわからない微妙なタイム差だ。特にプロトンで何か落車でもあれば一気にどうなるかわからない。

そして相手はあの化け物マチュー・ファン・デル・プールだ。

残り6kmで30秒差。ここでヨナス・リカールトがついに大きな仕事を終えて、あとはすべてをエースのマチュー・ファン・デル・プールに託す。

残り3.4kmで17秒差！

残り1.5kmで7秒差！カモン！マチューｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳ！！！

ここから結末は次の動画でどうぞ。

🐷「(´・ω・`) マチュ･･･」

残りたった800mというところでプロトンに捕まってしまった。スタート直後から173km逃げ続けた苦労が水泡に帰した。これがロードレース。悲しすぎる。だけどおもしろい。

それにしてもティム・メルリールが強い。ジョナタン・ミランもダニー・ファン・ポッペルの背後から飛び出していい感じにスプリントしたと思ったのだが、同じようなタイミングでスプリントを開始したメルリールの伸びに叶わなかった。ミランに何が足りなかったのか。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1	Tim Merlier	Soudal Quick-Step	1位との差
2	Jonathan Milan	Lidl – Trek	,,
3	Arnaud De Lie	Lotto	,,
4	Pavel Bittner	Team Picnic PostNL	,,
5	Paul Penhoët	Groupama – FDJ	,,
6	Biniam Girmay	Intermarché – Wanty	,,
7	Phil Bauhaus	Bahrain – Victorious	,,
8	Jordi Meeus	Red Bull – BORA – hansgrohe	,,
9	Stian Fredheim	Uno-X Mobility	,,
10	Kaden Groves	Alpecin – Deceuninck	,,

総合トップ10

1	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	1位との差
2	Remco Evenepoel	Soudal Quick-Step	0:54
3	Kévin Vauquelin	Arkéa – B&B Hotels	1:11
4	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	1:17
5	Matteo Jorgenson	Team Visma | Lease a Bike	1:34
6	Mathieu van der Poel	Alpecin – Deceuninck	1:46
7	Oscar Onley	Team Picnic PostNL	2:49
8	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	3:02
9	Primož Roglič	Red Bull – BORA – hansgrohe	3:06
10	Mattias Skjelmose	Lidl – Trek	3:43

各賞1位

総合1位	Tadej Pogačar（UAE Team Emirates – XRG）
ポイント賞1位	Jonathan Milan（Lidl-Trek）
山岳賞1位	Tim Wellens（UAE Team Emirates – XRG）
新人賞1位	Remco Evenepoel（SoudalｰQuickStep）