レビュー
Rapha






Enter your email address below and subscribe to our newsletter

2025ツール・ド・フランス第18ステージはベン・オコナーがステージ優勝。Vismaは決死のギャンブルに出るも成功せず。
昨夜の2025ツール・ド・フランス第18ステージは最難関ステージ(クイーンステージ)だった。超級山岳が3つ登場する。そこでVismaがかなり早いタイミングで奇襲ともいえる一か八かの決死の作戦を敢行し、視聴者を驚かせた。
そんな第18ステージのレビュー、結果、ハイライトを。
目次
コースプレビューと優勝予想は「今夜超級×3の最難関ステージ!2025ツール・ド・フランスの第18ステージのコースプロプレビューと優勝予想」で。





2つ目の超級山岳で今大会フランスの星ケヴィン・ヴォークランが早くも遅れてしまう。これまでの疲労の蓄積で本来の力がもう出せないか。総合順位で現在6位だが、逃げ集団に同7位(ヴォークランと1分30秒差)のフェリックス・ガルがいるため、ガルに逆転されるおそれが高くなる。
前日までにセップ・クスが「後悔だけは絶対に残さない」とチームの覚悟を語っていたが、その言葉どおり、そして驚くべきタイミングでTeam Visma | Lease a Bikeが総攻撃を繰り出した。
なんと2つ目の超級山岳の登りの途中で、残り70km以上もある地点でVismaが高速牽引でポガチャルとUAEを攻撃にかかった。狙いはポガチャルを孤立させることか。
しかし同時にVismaも、逃げにのったジョーゲンソン以外のアシストを全てつかいきりヴィンゲゴー一人になってしまう。

そしてヴィンゲゴーも加速!ポガチャルだけがついていく。

そして二人は先頭の逃げ集団に合流。ここからジョーゲンソンが集団を牽引。
🐷「ジョーゲンソンの引きだと逆にポガチャル回復するんじゃね?」
この先頭集団には、ポガチャル、ヴィンゲゴー、ジョーゲンソンの他に、ログリッチ、ガル、オコナー、エイネル・ルビオ。この集団で2つめの超級山岳を通過。
ロゼ峠に入る前に上の先頭集団は途中で先行していたリポヴィッツと合流。そのリポヴィッツが途中で再び抜け出す。


また残ったメンバーの中からフェリックス・ガルがアタックしかけたりといった場面もあったが、牽制のような状態になり全体的にペースが落ちる。

そのすきに後方から、遅れていた総合4位のオスカル・オンレーのためにTeam Picnic PostNLが強力に牽引するプロトンが合流する。ここにVismaやUAEのアシストが複数入っていて、ポガチャルとヴィンゲゴーのもとに再びアシストたちが集う。
ロゼ峠に先頭で入ったのが逃げの2名、ルビオとオコナー。

そしてロゼ峠の序盤でベン・オコナーがアタック!ルビオを置き去りにする。オコナーは総合成績で30分以上遅れているので総合上位勢にとってはあまり脅威ではない。


そんな二人を追いかけるのが新人賞ジャージを着て総合3位のフロリアン・リポヴィッツ。リポヴィッツとしてはマイヨ・ジョーヌの集団で走る総合4位のオスカル・オンレーとの差を広げて総合3位を盤石のものにしたい。
同時に上手くいけばヴィンゲゴーとの差もひょっとしたら削れるかもしれない。ただヴィンゲゴーとの差は5分近くあるため総合2位を狙うのは難しいとは思うが。
しかし、そんなリポヴィッツは宙ぶらりんの状態になってしまい、やがてマイヨ・ジョーヌ集団に捕まってしまう。

ここで遅れていたヴォークランが、ポガチャルらの集団に追いつけるかもしれないところまで復活!チームメイトの強力ヘルプもあったはずだが、エースとしてド根性を見せる!

逆に今度はリポヴィッツがポガチャルたちのグループから遅れ始める!オスカル・オンレーに逆転される可能性が出てきた!
この時点でマイヨ・ジョーヌ集団は、ログリッチ、ポガチャル、ヴィンゲゴー、アダム・イエーツ、オスカル・オンレー、フェリックス・ガルの5人に。
ここから最後のゴールシーンはこちらの動画でどうぞ。
🏆 The final kick towards an amazing win! Relive the final KM of today's stage!
— Tour de France™ (@LeTour) July 24, 2025
🏆 Les derniers efforts avant une victoire légendaire ! Voici le dernier KM de cette 18ème étape#TDF2025 pic.twitter.com/uuBN1hdYdN
ベン・オコナーはこの強さが大会初週からあれば、今頃総合上位だっただろうが、どうも今大会は最初からコンディションがあがりきらなかったようだ。
そしてまぁポガチャルのアタックがやばすぎる・・・はもう毎度のことだからスルーして、なんといっても評価したいのはオスカル・オンレーの好走。最後の最後までポガチャルとヴィンゲゴーについていけたのはすごいこと。チームとの契約は2027年まであるが、今日の走りと今大会の最終結果で、彼に食指を伸ばすチームが増えるかも。
ジョーゲンソンを前待ちに残して残り70kmもある地点で総攻撃をしかけたVisma。ポガチャルを早い段階で孤立させる目的(だったのかどうかはわからないが)は成功したように見えたが、そのために自軍のアシストも使い切ったのは(ジョーゲンソンがいるとしても)どうだったのか。
まぁ4分以上の差をつけられているポガチャルに対して普通の作戦でいったところで、そして仮にそれが成功したとしても総合優勝には手が届かない確率のほうが高いわけで、一か八かの賭けにかけるというのは理解できる。
それならばロゼ峠を前にアシストたちと再合流できた時点で、ロゼ峠でも総攻撃をしかけるべきだったのではないか。ロゼ峠では逆にUAEに主導権を握られてしまっていた。
ひょっとしたらVismaもそうしようと思っていたのかもしれないが、誤算もあったのだろうか。特にジョーゲンソンとワウトが難関山岳で大会前の期待を下回る働きしかできなかったのが今大会の誤算だったか?2023年の再現とはいかなかった。
たまたまかもしれないが、今年のジロ・デ・イタリアでサイモン・イエーツの大逆転総合優勝を導いたあのワウトと同じような強力なアシストが見られなかったように思う。
一方でUAE側でいうと山岳でアダム・イエーツとジョナタン・ナルバエスの仕事ぶりが光っていた。
単にポガチャルが強すぎるというのもあるが(というかそれが一番大きい要因か)、今大会のVismaは作戦立案能力や合理的な戦力運用に問題があったような気がしないでもない。じゃあどうすればよかったのか、と言われると🐷にはわからない。
Là c'est trois " bidon-collé "… #TDF2025 pic.twitter.com/ItHHYvNfkr
— 🅰ntoine VAYER 📸🖋️ (@festinaboy) July 24, 2025
山岳賞2位だったレニー・マルティネスはこの動画のとおり、ボトルをつかむ時間が長すぎる行為(スティッキーボトル)を理由としてペナルティーを与えられ、山岳賞ポイントを8ポイント剥奪された。
ニバリ「本物をみせたろか?」 2015ブエルタpic.twitter.com/SMfBP1uhi3
— 🚴バイクニュースマグ@ワイアードの豚🐷 (@BikeNewsMag) July 24, 2025
🐷「これはホンモノの魔法だからセーフ」
| 1 | Ben O’Connor | Team Jayco AlUla | 1位との差 |
| 2 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates – XRG | 1:45 |
| 3 | Jonas Vingegaard | Team Visma | Lease a Bike | 1:54 |
| 4 | Oscar Onley | Team Picnic PostNL | 1:58 |
| 5 | Einer Rubio | Movistar Team | 2:00 |
| 6 | Felix Gall | Decathlon AG2R La Mondiale Team | 2:25 |
| 7 | Primož Roglič | Red Bull – BORA – hansgrohe | 2:46 |
| 8 | Adam Yates | UAE Team Emirates – XRG | 3:03 |
| 9 | Tobias Halland Johannessen | Uno-X Mobility | 3:09 |
| 10 | Sepp Kuss | Team Visma | Lease a Bike | 3:26 |
| 1 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates – XRG | 1位との差 |
| 2 | Jonas Vingegaard | Team Visma | Lease a Bike | 4:26 |
| 3 | Florian Lipowitz | Red Bull – BORA – hansgrohe | 11:01 |
| 4 | Oscar Onley | Team Picnic PostNL | 11:23 |
| 5 | Primož Roglič | Red Bull – BORA – hansgrohe | 12:49 |
| 6 | Felix Gall | Decathlon AG2R La Mondiale Team | 15:36 |
| 7 | Kévin Vauquelin | Arkéa – B&B Hotels | 16:15 |
| 8 | Tobias Halland Johannessen | Uno-X Mobility | 18:31 |
| 9 | Ben Healy | EF Education – EasyPost | 25:41 |
| 10 | Ben O’Connor | Team Jayco AlUla | 29:19 |
| 総合1位 | Tadej Pogačar(UAE Team Emirates – XRG) |
|---|---|
| ポイント賞1位 | Jonathan Milan(Lidl-Trek) |
| 山岳賞1位 | Tadej Pogačar(UAE Team Emirates – XRG) |
| 新人賞1位 | Florian Lipowitz(Red Bull – BORA – hansgrohe) |
ロズ峠こそリベンジの大本命だと思ってたので、ポガチャルが勝ちに行かなかったのは意外でした。
良くも悪くも大人になっちゃったなぁ
ポガチャル(26)「自分もトシを取ったもんだ」
ポガチャル(26)「でも実は最終日への伏線・・・」
となるかも??