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EF Education-EasyPostのボス、ジョナサン・ヴォーターズが語るロードレース構造改革について。レース数の減少や給与制限を主張
昨年もロードレース業界は様々なニュースがメディアを賑わせたものだが、年間通じてロードレースの構造改革の必要性というものが定期的に話題になっていた。
今回の記事ではそのロードレース改革についてEF Education-EasyPostのマネージャーであるジョナサン・ヴォーターズと、ロンド・ファン・フランデレンなどを主催するフランダース・クラシックのCEOトーマス・ファン・デン・シュピーゲルがメディアに対して語ったことを紹介する。
ジョナサン・ヴォーターズは「ロードレースを理解するのは初心者には難しい」と話す。その原因はツール・ド・フランス以外のレースが世間で全く知られていないことにあると考えている。
その例として、ジョナサン・ヴォーターズは2013年の当時Garmin Sharp(EF Education-EasyPostの前身)だった頃の出来事を語る。
その年は彼のチームで走っていたアイルランドの熱き漢ダンマーことダン・マーティンがついに念願のリエージュ~バストーニュ~リエージュで優勝した。言うまでもなくモニュメントの1つであり、ロードレース界では最高クラスの栄誉の1つだ。
ジョナサン・ヴォーターズはレース後に大興奮でスポンサーであるGarminのCEOに電話した。その時の両者の様子を簡単に書けば次のようになる。
ヴォーターズ「うおおおお!リエージュをとったどおおおおおおおおおおおおおおお!」
GarminのCEO「ん?なんのレース?で、ツールに出られるん?」
こうである。
チームのタイトルスポンサーであるGarmin社のトップですらモニュメントのレースを知らず、無関心で、結局ツール・ド・フランスにしか興味がなかったのだ。この温度差よ。
ヴォーターズが言うには、アメリカでもツール・ド・フランスを見たことがある人はかなり多いと話す。しかし逆にいえばみんなツール・ド・フランスしか知らないのだ。
ヴォーターズ自身も仕事を説明するときは、「ツール・ド・フランス」という名称を出さないと伝わらないとする。
それが🐷やこのブログを読んでいるくれている読者、他のロードレース・ロードバイクのファンたちといった集団と、それ以外の世間との認識の差である。
世間は「ツール・ド・フランス以外のレースはいろいろやっても意味あるん?」という認識だ。
こうした現実が厳然として存在し、ツール以外のロードレースというものは世間がわかりにくいものになっているのだと話す。
ジョナサン・ヴォーターズもトーマス・ファン・デン・シュピーゲルも、ツール・ド・フランスに依存したレースカレンダーでは、構造的な衰退を招くだけだと考えている。世界的にロードレースの人気を広めなければならないのに、ツールへの依存はそれを妨げるものだという考えだ。
そんな現状を改革するために、二人は多すぎるレースを将来のために減らすべきだと主張する。グランツールであるジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャですら3週間もやるべきなのか?を議論しなければならないとも話す。
現状はツールとそれ以外。しかし、レース数を減らして、より重要とすべき、よりPRすべきレースに力を注いでその価値を引き上げる。選択と集中というやつだ。ツール以外にもAやBやCというレースもあると世間に認識させるのが大事だということなのだろう。
上の項目ではロードレースにおけるツール・ド・フランスによる一極支配という話だったが、プロチームという観点ではUAE Team Emirates – XRGの一極支配というのも問題になる。具体的にいえば金満チームによる囲い込みだ。
長期的に見れば、どの業界、どのスポーツでも一強支配が続くのは決して良いことではない。チーム間格差の固定は、ファンの飽き、新規ファン獲得の機会の減少を招き、それらが業界の停滞などにつながりかねないからだ。
そこでこれまでも議論されてきたように、ジョナサン・ヴォーターズは年俸制限(サラリーキャップ)を導入すべきだと主張する。それによって有力選手たちの戦力の分散化が実現できるだろうと考えている。それはより予測不能でエキサイティングなレースにつながるだろうと。
そしてサラリーキャップを導入した場合の仮想世界の話として、
So Pogacar, the greatest rider in the world… but he has to race for Cofidis,”
訳「ポガチャルは世界最高の選手だが、コフィディスで走るべき」
もしそうなれば、ポガチャルはチーム力としては弱いチームで走らざるを得なくなり、彼1人で様々な展開・事情に対応せざるを得なくなる。一方で他のチームは5名の有力選手を揃えることができるかもしれない。その5人の一人ひとりの力はポガチャルに勝てなくとも、それらを合わせれば彼に対抗できるだろう。
そうなれば誰が試合に勝つかという予想は今までよりも刺激的なものになるはずだ。
ジョナサン・ヴォーターズはそんなことを述べる。
たしかに昨年も「優勝予想?ポガチャルやろ」というレースが多かった。正直に少し飽き気味だったファンもいたはずだ。そうしたファンならばサラリーキャップ導入にも好意的でだろうか。