Alpecin-Fenixのチーム方針とは?
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マチュー・ファン・デル・プールがこれまで所属していたプロコンチネンタルチームCorendon-Circusは、既報どおりAlpecin-Fenixへと名称が変わった。去年までワールドツアーチームKatusha-Alpecinのスポンサーだったシャンプー会社Alpecine社が第1スポンサーとして君臨するようになったから。
そんな新チームとなったAlpecin-Fenixは、2021年度の各種ビッグレースにおけるワイルドカード枠を確保するため、チームランキングに重きを置くと説明する。
情報源:Alpecin-Fenix will target ProTeam rankings to secure WorldTour wildcards in 2021
これまでも何度も記事にしてきた通り、今年からUCI改革の一環としてUCIの各種ランキングが少し変化する。統廃合と新ランキングの創出がその内容。また、ワールドツアーチームより1つ下のカテゴリーであるプロコンチネンタルチーム群におけるチーム順位がワイルドカード争奪戦に直接影響を及ぼすことになった。チーム順位が1位と2位ならばグランツールやモニュメント(クラシック)といったビッグレースへのワイルドカード枠を優先的に割り当てられるようになった。なお招待を受けても辞退は可能。
ビッグレースはマスコミの注目度が非常に高いため、いい宣伝になるのでスポンサーにとって重要な舞台。そこで各チームはビッグレースへの参加権が欲しい。確実に参加権をゲットするには、チーム順位で1位と2位になることが近道となる。それを実現できるチームにはスポンサーするだけの価値があると言える。そのためスポンサーを見つけやすくなるという意味で、チームにとっても重要。
チーム順位のためにはポイントが必要。極論すれば1位や2位といった順位を獲得できるだけのポイントだけあれば、勝利数は必要がない。ポイントさえあればそれでいい。勝利は不要。マチューといえどもチーム競技となる現代のロードレースではシクロクロスのように毎回勝てる可能性は低い。となれば、イチかバチかのマチュー頼み戦法よりは、マチューを囮(犠牲)にしてでも、毎回のレースで数多く上位でフィニッシュし、安定的かつ継続的にポイントを積み重ねるほうが得策とも言える。
しかし、Alpecin-Fenixを運営するボスのPhilip Roodhooftは次のように述べる。
“We will not miss that opportunity. But that must be primarily a result of something, not so much a goal. You can’t deny that aiming for those points influences the way of racing. You no longer race to win, but to gain as many points as possible,”
訳「ポイントを得られるならばゲットしたいよ。でもポイント獲得は、第一義的には目標というよりはあくまで何らかの結果という意味や。当然、ポイント稼ぎという考えは作戦に影響を及ぼすわけやけど。そうなれば勝つためじゃなくて、できるだけポイントを稼ぐためだけのレースになってしまう」
“We don’t want to be such a team. But if you count in the last weeks of the season and you appear like you’re going to come up just short, you will of course make adjustments.”
訳「ワシらはそんなチームにはなりたくないんや。でも、シーズンの最後になってどうしても必要ポイントが足りなくなれば、そんときはチームの方針も修正して、ポイントを稼ぐ作戦に変更するのも当然や」
というわけで、チーム存続のために(スポンサーのために)もポイント獲得は重視するけど、消極的な作戦を取るつもりはないみたいやね。ま、そんな消極的なチームやとマチューに愛想つかされるやろうけど。なお、マチューと同チームとの契約は2023年まで。そのときマチューは29歳やけど、さてどうなるかね。