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かねてから噂があったが、公式にUCIが今年の世界選手権をスイスでは行わないと発表した。次のUCIのTwitterを見てほしい。
The 2020 UCI Road World Championships will not take place in @aiglemartigny20 🇨🇭
— UCI (@UCI_cycling) August 12, 2020
The UCI will now work towards finding an alternative project, in Europe, during the same time period and with the same profile of course. More info 🔗 https://t.co/DZEhYz4tpD pic.twitter.com/R4NirNiJPK
もともと予定されていたのは、スイスのエグル(Aigle)とマルティニー(Martigny)という地域。
スイス政府はそもそも1000人を超える人間が集まるイベントを禁止していたが、スイス連邦議会は改めて9月30日まではその禁止を解除しないとの方針を維持。
また、スイス政府は、世界選手権が開かれた場合には参加選手たちがスイス入国にあたり厳格なコロナ検査を受けなければならないというルールをも堅持する。
技術的には検査精度の向上と結果が出るまでの時間が短縮されつつあるようだが、それでもまだ多数の選手や関係者らによる円滑な入国と競技環境の構築・運用は現実的には不可能である。
これら2つの理由により、UCIはスイスでの開催を断念。
世界選手権そのものを断念したのではなく、現時点ではあくまでスイスで開催することを断念しただけである。
ここで当然関心が向くのは、代替地はどこか?ということである。
仮に予定通りの期間(9/20~9/27)に世界選手権を行うとしても、もう準備・調整に必要な時間的余裕は少ない。ならば、すでに世界選手権を開催したことのある都市・国、またはロードレースの開催の経験が豊富な都市・国が候補となろう。
以前このブログでも記事にしたが、まずは中東のカタールのドーハがその候補という噂があった。しかし、上のUCI公式Twitterでは、「ヨーロッパ内」で代替地を探していると書いてある。
そこで中東よりもあり得そうなのは・・・イタリアである。
というのも、最近は日本のマスメディアでも報道されているかもしれないが、コロナで危機的状況に陥り、シャットダウンを実行していたイタリアは最近コロナ感染者数が激減しているもよう。いわばコロナ対策の模範生のようになっているのである。→参照:あのイタリアがコロナ感染者「激減」させた方法
そしてイタリアならばロードレース開催はお家芸である。コロナの状況も安定しつつあり、ジロ・デ・イタリア開催へ向けて各種の対策も議論されており、準備も進みつつある。ならば、世界選手権もいわばジロの予行演習としてできるのではないか?
だが実際はこんな安易な理屈で開催できるわけはないので、今後のUCIの決定を待つしかない。
「コロナとの共存」へ舵を切った世界、特にヨーロッパは今各国で第二波が到来しつつあるとの危機意識の下、再び厳格な対策を実施するかもしれない。そうなれば世界選手権の開催はおそらく不可能であろう。スイス政府もヨーロッパでの第二波を恐れ、厳格な対策の維持を決めたのだろうと思う。
個人的にはもう今年は世界選手権は無理だろうと思う。
グランツールやモニュメントはやるのに世界選手権は駄目というのはおかしな気がするが、グランツールなどはいわば「再開後のロードレースの事情やルールをわかってる者だけ」、または「ロードレースのコロナ対策に慣れている者だけ」が集まるイベントである。
しかし、世界選手権となると、再開後のロードレースのそういった現場の事情・ルールを知らない人間が多く集まる可能性がある。年齢層・国籍もツール・ド・フランスなどとは全く異なる現場の環境である。その違いを考慮すれば、世界選手権そのものの中止をUCIが決めるのも十分あり得よう。