2021ジロ・デ・イタリアのルートと全ステージのコースデータ
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ついに今年のジロ・デ・イタリアのルートの全貌が明らかになった。5/8にトリノから出発する今年は総走行距離3450.4㎞、1日の平均走行距離は164.3㎞、そして総獲得標高は4万7000メートル!
全ステージのコースの概要
まずは公式のルート紹介動画を見てほしい。
次に各ステージごとの概要をまとめておく。
ステージ数 | 日付 | コースの種類 | 距離 | 想定難易度 |
---|---|---|---|---|
第1ステージ | 5/8 | 個人TT | 9km | ★★☆☆☆ |
第2ステージ | 5/9 | 平坦 | 173㎞ | ★★☆☆☆ |
第3ステージ | 5/10 | アップダウン(登りフィニッシュ) | 187㎞ | ★★★☆☆ |
第4ステージ | 5/11 | アップダウン | 186㎞ | ★★★☆☆ |
第5ステージ | 5/12 | 平坦 | 171km | ★☆☆☆☆ |
第6ステージ | 5/13 | アップダウン | 150km | ★★★☆☆ |
第7ステージ | 5/14 | 平坦 | 178㎞ | ★★☆☆☆ |
第8ステージ | 5/15 | アップダウン(登りフィニッシュ) | 173㎞ | ★★★☆☆ |
第9ステージ | 5/16 | 山岳(山頂ゴール) | 160㎞ | ★★★★☆ |
第10ステージ | 5/17 | 平坦 | 140㎞ | ★★☆☆☆ |
1回目の休息日 | 5/18 | カフェ | カフェ | ☆☆☆☆☆ |
第11ステージ | 5/19 | アップダウン(ストラーデ・ビアンケでおなじみのグラベルロードが登場) | 163㎞ | ★★★★☆ |
第12ステージ | 5/20 | アップダウン | 209㎞ | ★★★☆☆ |
第13ステージ | 5/21 | 平坦 | 197㎞ | ★☆☆☆☆ |
第14ステージ | 5/22 | 山岳(山頂ゴール) | 205㎞ | ★★★★★ |
第15ステージ | 5/23 | アップダウン | 145㎞ | ★★★☆☆ |
2回目の休息日 | 5/24 | カフェ | カフェ | ☆☆☆☆☆ |
第16ステージ | 5/24 | 山岳 | 212㎞ | ★★★★★ |
第17ステージ | 5/26 | 山岳(山頂ゴール) | 193㎞ | ★★★★☆ |
第18ステージ | 5/27 | 平坦 | 228㎞ | ★★☆☆☆ |
第19ステージ | 5/28 | 山岳(山頂ゴール) | 178㎞ | ★★★★☆ |
第20ステージ | 5/29 | 山岳(山頂ゴール) | 164㎞ | ★★★★★ |
第21ステージ(最終日) | 5/30 | 個人TT | 29.4㎞ | ★★★☆☆ |
注目ステージ
グラベルステージ
上述のステージ表で書いたように、第11ステージはトスカーナ地方を通り、ストラーデ・ビアンケでおなじみのあの未舗装路(グラベル)が登場する。
晴天ならば砂ぼこりのよる白煙が、雨天ならば泥が選手を襲うことになるだろう。必見である。
個人TTステージ
総合系エースにとっての鬼門はやはり個人TT。得意と苦手で大きく差が生まれる。今年のジロは上述のように初日の第1ステージで9㎞、最終日の第21ステージで29.4㎞と2回ある。どちらも平坦であり難易度はそれほどでもない。ただコーナーの数やその形状次第では危険なところがあるかもしれない。また雨になれば落車の心配がある。
最終日は少し距離が長めなので、昨年のジロでのタオ・ゲイガン・ハートのような逆転劇が生まれる可能性は十分にある。
TTに実力差があれば、ライバルに山岳でついていくだけでいいので精神的・肉体的な負担をほんの少し減らせるのも大きい。
山岳ステージ
TT以外でいえば、やはり重要なのはジロ名物のグランツールで最も美しく過酷な山岳ステージである。そんな山岳ステージは、第9、第14、第16、第17、第19、そして第20ステージと6回登場する。
それら各ステージのコースプロフィールを順番に画像で掲載しておく。
まず5/16の第9ステージの最後のCampo Feliceへ向かう山頂手前の2㎞は、ダート(未舗装路)となる。上の画像で少しその部分が色が変わっているのがわかるだろうか。
5/22の第14ステージで名物のゾンコランが登場。
本年度の最高到達地点(チーマコッピ)は第16ステージに登場する、標高2239メートルのPASSO PORDOI。
というか第16ステージの後半が全体的に標高2000メートル超えの登りが3連発で、その標高に弱い選手には辛いところ。もちろん今年のジロの最難関ステージ(クイーンステージ)となろう。なお、この最後の山岳(スキーのリゾート地)は、2026年の冬季オリンピックの舞台となる予定だ。
標高2000メートル台では酸素が薄くなるのはもちろんだが、やはり1000メートル台と比べると肉体の機能の仕方が異なる。高所で暮らすコロンビア人クライマーが輝くか?
また第20ステージも同じく標高2000メートル超えの山岳である。
このレベルの標高を苦にしない、かつ最終日の少し長めのTTもそれなりにまとめられる選手といえば、やはりコロンビア人のエガン・ベルナル。チーム力も当然だが優勝候補筆頭と言えるか。
背中の怪我からの回復具合が気になるところだが、先日のレースでは世界王者ジュリアン・アラフィリップを登りで置き去りにしたように、相当なレベルまで回復できている。それを考えるとその優位性は揺るがないか。
またジロは同じグランツールとはいえ、世界最大の大会であるツール・ド・フランスと比べて重圧が少ないため、より本来の実力を発揮できる可能性もある。