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ロードレースの2022パリ~ルーベ

マチューに異変?史上最速の地獄? 2022パリ~ルーベの感想・ハイライト動画と結果

序盤から速すぎる地獄となった2022パリ~ルーベの感想・ハイライトと結果

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事前の天気予報どおり、昨年とは全くコンディションが異なる晴天の地獄となったパリ~ルーベ。

優勝候補筆頭はマチュー・ファン・デル・プール(Mathieu van der Poel)か。その最大のライバルはワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)だが、コロナ感染からの復帰直後のレースということで少し未知数な部分。本人もアシストに専念するとレース前に宣言していた。

はたして結局その二強の対決となったのか、それともダークホースが地獄を制したのか?

コース

史上最速のパリ~ルーベ!?感想とハイライト

チームDSMは謎の秘密兵器を使わず

チームDSMがパリ~ルーベで使うと言われていた、ホイールのハブから直接タイヤの空気圧を調整・管理できる秘密兵器。しかし、理由は不明だがどうやらその投入はなかったもよう。

→関連過去記事:チームDSMがパリ~ルーベで、走りながらタイヤの空気圧を調整できるシステム「Scope Atmoz 」を投入か

イネオスの横風分断!?序盤から速すぎ!落車も連続!

雨水・泥の地獄だった昨年とは180度変わって今年は良好な天気に恵まれた。だが地獄は地獄。その種類が変わるだけ。今年も落車・トラブルの続出だ。

特に今年は序盤からイネオスの横風分断で(?)集団が割れ、しかもペースが速いという展開。アランベール(アーレンベルグ)までの平均速度は47km弱。パリ~ルーベ史上最速レベルの平均速度だったかもしれない。

途中から先頭を独走していたスポートフラーンデレンのレインデルスは石畳の途中でパンク。チームカーを待たず、隣を走るシマノのニュートラルサービスバイクからホイールを受け取り交換作業。

狭い石畳区間の道の中央付近で作業だが、しかしそのすぐ後方からは追走の集団が迫って危険が危ない!

前半からやはり予想通りにイネオスが積極的に集団に数を揃えて展開をコントロールしようとするが、肝心のエース、フィリッポ・ガンナ(Filippo Ganna)にメカトラが重なる不運に見舞われ、チームとしてリズムが乱れてしまう。

またトレックのエース、前世界王者で優勝候補の呼び声高かったマッズ・ピーダースン(Mads Pedersen)も最初に落車したせいか精彩を欠く。

下りのモホリッチが地獄のモホリッチに!

今年クラシック最強チームとなったユンボ・ヴィズマは中盤まで大人しい感じで走行。ワウト・ファン・アールトも静かな走りを続けていた。そして宿敵マチュー・ファン・デル・プールもまだまだ温存しながら走っていた。

2022パリ~ルーベ

そんな中、今年のミラノ~サンレモを下りを利用して優勝したマテイ・モホリッチを含めた数名が逃げを敢行。中盤のアランベール前からずっと逃げ続ける。

その後、メイン集団の方ではようやくファン・アールトとマチューという2強を含めて動きがあり、追走集団が形成されていた。その2名、ストゥイフェン、キュング、ランパールトなどの10名ほどの集団だ。

注目はその中にイネオスが2名、ベン・ターナーとディラン・ファン・バールレがいたこと。唯一複数の選手を送り込んだ。

もしこれらの集団がモホリッチらに追いつけばイネオスはとても有利になる。

(‘A`)「これひょっとしたら今日もイネオスか?でもワウトもマチューもいるしな・・・やっぱりないか」

と思っていた矢先残り37.6kmで逃げいた2名のうちモホリッチがパンクでストップ。

そしてついにモホリッチは追走に捕まってしまう。

(‘A`)「長時間逃げいていただけにモホリッチの命運はもうこれまでか・・・」

2022パリ~ルーベ

モホリッチ「待たせたな!戻ってきたぜ!」

(‘A`)「うおおおおおおお!これモホリッチの優勝や!」

なんとモホリッチが追走集団から再び加速。ランパールトをひきつれてデブリントの元に戻ってきた。そして少し遅れてセクター7の石畳でファン・バールレも合流。これで4名の逃げが出来上がる。

怪物マチュー・ファン・デル・プールに異変!

一方後方ではしびれを切らしたファン・アールトがキュングをつれて飛び出す。この動きにマチューが対応できない!

ロードレースの2022パリ~ルーベ

マチューはこの少し前からチームカーを呼ぶような仕草を何度かし、この場面でも後をふりかえり、誰かが代わりに加速してくれないか伺う仕草をしていた。

(‘A`)「マチュー!どうしたんや!まさかスタミナ切れか?」

ディラン・ファン・バールレ独走!

ロードレースの2022パリ~ルーベ

そして先頭はセクター5、難易度4つ星に突入。ここでディラン・ファン・バールレが加速に成功。残り3名からタイム差を稼ぐ。

ファン・バールレはこのままこの日最後にして最高の勝負場所、難易度5つ星のカルフール・ド・ラルブルを駆け抜け、さらにタイム差を広げていく。

(‘A`)「うぉおおおっ!」

ランパールトはおそらく観客と接触してバランスを崩したのだと思う。このあとランパールトはすぐに立ち上がりレースに復帰していたので大きな怪我なさそうだが・・・

ただこの時点ですでに先頭を独走するファン・バールレとは1分差。おそらくこのアクシデントがなくとも追いつけなかっただろう。

そしてワウト・ファン・アールトとシュテファン・キュングという2人のTTスペシャリストもファン・バールレとの差をつめきれない。

さて、そこから最後のゴールまではこの動画でどうぞ。

(‘A`)「今年のイネオスどうなってんだ?」

アムステル・ゴールド・レース、そしてブラバンツ・ペイルに続いてパリ~ルーベまでも優勝。こんなシーズンになると誰が予想しただろうか。

今年はこれまでユンボ・ヴィズマがクラシック最強チームとして君臨してきたが、イネオスが突然その最強の座を奪った形だ。

積極的にプロトンとレースをコントロールしようする姿は、かつてツール・ド・フランスで長年見せつけてきた戦略をクラシックに持ち込んでいるような、そんな気配すら感じられる。それは言い過ぎか。

あるいは、今までグランツール偏重のチーム編成だったがゆえにクラシックではやろうとしてもできなかったことが多かったが、グランツール支配力の相対的な弱体化という現実に直面し、トム・ピドコックを筆頭にチームの若返りとクラシック強化という戦略を選んだことでクラシックでやれることが増えた成果か?

もちろん全てのレースで満足なレースが出来ているわけではないが、それでもやはり今年は明らかに違うチーム力を感じさせる。

この調子で残るモニュメントのリエージュ、そして秋のロンバルディアも取れるか?

他レースはともかく、パリ~ルーベはこれまでイネオス(チームSky)に最も縁遠い印象のレースだったが、今日の勝利はまさに新生イネオスの象徴と言えるのではないだろうか。

ワウト・ファン・アールトはチームメイトが後半にいなかったせいで反応・動きが遅れてしまったのが致命傷だったか。相棒のラポルトがトラブルで遅れてしまっていたことも響いたか。調子は良さそうだったが、チームとしては運がなかったか。

ハイライト動画

結果(トップ10)

1ディラン・ファン・バールレ(Dylan van Baarle)INEOS Grenadiers
2ワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)Jumbo-Visma
3シュテファン・キュング((Stefan Küng)GroupamaーFDJ
4トム・デヴリーント(Tom Devriendt)Intermarché-Wanty-Gobert Matériaux
5マテイ・モホリッチ(Matej Mohoric )Bahrain Victorious
6アドリアン・プティ(Adrien Petit)Intermarché-Wanty-Gobert Matériaux
7ヤスパー・ストゥイフェン(Jasper Stuyven)Trek-Segafredo
8ローラン・ピション(Laurent Pichon)Arkéa-Samsic
9マチュー・ファン・デル・プール(Mathieu van der Poel)Alpecin-Fenix
10イヴ・ランパールト(Yves Lampaert)Quick Step-Alpha Vinyl
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