来年ファビオ・ヤコブセンはツールに出場できるのか?レムコと共存できるのか?
Share your love
クイックステップのレムコ・エヴェネプール(Remco Evenepoel)は、数十年ぶりのベルギー人グランツール総合優勝を成し遂げ、さらには10年ぶりのベルギー人世界王者にもなった。
そんなレムコに、世間はどうしても来年のツール・ド・フランスデビューと、タデイ・ポガチャルやヨナス・ヴィンゲゴーらとの総合優勝争いを期待してしまう。
クイックステップのボス、パトリック・ルフェーブル翁はレムコのツールデビューにはこれまで通りまだ慎重な考えのようだが、本人のやる気とベルギー社会からの期待などもルフェーブルの考えに影響を及ぼすかもしれない。
仮にレムコが来年ツール・ド・フランス出場となれば問題となるのが、クイックステップのメンバー構成だ。というのも同チームにはエーススプリンターとしてファビオ・ヤコブセン(Fabio Jakobsen)がいるわけで、もしレムコが総合優勝を本気で狙う場合は、登れる選手だけでチームを構成し、ヤコブセンをメンバーに選ばないという方向もあり得るからだ。
情報源記事ではこの点についてヤコブセンはインタビューに応じ、「チームの指示に従うだけ」という趣旨のコメントを述べている。また「自分はワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)でないこともわかっている」とも。
一人でスプリントも超級山岳優勝も山岳アシストも、そして個人TTでさえもと、なんでもできるワウト・ファン・アールトと異なりヤコブセンはピュアスプリンター。
ただでさえ誰もが目の色を変えて勝ちにくるツール・ド・フランスのスプリント合戦で勝つにはチームのトレインも必要。そうするとレムコのサポート要員が減ることになる。
そのため、今年のユンボ・ヴィズマのようにワウトのグリーンジャージ、そしてヨナス・ヴィンゲゴー(Jonas Vingegaard)のマイヨジョーヌという2つの偉業を両立させることは非常に困難。
ただし、上述のヤコブセンのコメントのようにあくまでチームの方針次第ということならば、チームがレムコとヤコブセンの共闘を決定すれば、そのようになるだろう。
その場合は、おそらくレムコはツールにデビューはするが、総合優勝を本気では狙わないでまずは山岳ステージや丘陵ステージでステージ優勝を狙うという方向になるだろうか。もちろんチャンスが転がり込んでくれば狙うとは思うが。
ツール・ド・フランス主催者側としてはもちろん世界王者の参加、それも若きスーパースターの参加はとても嬉しい。メディアの注目度もあがる。スポンサーもにっこり。
ヤコブセンが言うには今冬に来年のレース計画などが話されるようだが、はたしてレムコのツールデビュー、そしてヤコブセンのツール出場はあり得るのだろうか?