オーストリア当局がレッドブルによるボーラ・ハンスグローエ運営会社買収を承認
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今年の正月早々に明らかになったのが、レッドブルによるドイツのワールドチームであるボーラ・ハンスグローエ運営会社の買収だ。その記事でも書いたが、実際にはその時点ではまだ買収は完了しておわらず、レッドブル本社があるオーストリア当局、特に日本でいうところの公正取引委員会のようなところから承認を得なければならなかった。
→間接的にレッドブルがボーラ・ハンスグローエを買収へ。チーム親会社の株式の過半数を取得へ
そして昨日、オーストリア当局がレッドブル買収を承認したとのこと。
情報源:Red Bull Gives You Wins? Officials Approve Deal with Bora-Hansgrohe
この承認の背景にある事情や、買収の詳細な内容などは現時点では明らかになっておらず外野からわかることは買収が実現したという事実だけだ。
世界的企業であるレッドブルがボーラ・ハンスグローエに間接的に関与することとなり、おそらく同チームの予算が大きく増大すると思われる。そのため、これまで紹介したようにレムコ・エヴェネプール(Remco Evenepoel)やワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)を獲得するのではという憶測もあながち否定できないのではないか。
またこうしたグローバルな大企業がロードレース界に関係することで、ロードレース界のビジネスモデルにもなんらかの好影響が出てくる可能性もあり、それはロードレース界の改革にもつながるかもしれない。願わくば、そうした大企業がワールドチームのスポンサーに数多くなってくれればと思う。
レッドブルは1987年に設立。東アジアの飲料にインスピレーションを受けてエナジードリンクを作り始めた。作るといっても、レッドブルは自社工場を持たないファブレス企業であるため、生産は委託している。飲料業界でもレッドブルだけがファビレス企業とうわけではなく、日本のダイドーもファブレス企業だ。ただレッドブルの利益率はダイドーのそれを大きく上回る。
レッドブルの強さの本質は、共同創業者だったディートリヒ・マテシッツによるマーケティング戦略だ。彼は大学卒業後にP&Gに入社。P&Gといえばマーケティングに強いと有名。そこでマーケティングのイロハを学んだのだろう。それをレッドブルの戦略に生かした。
具体的には製品を売ろうとせず、大学生などに無料に配り、そして何よりスポーツ界を巻き込んだ。F1やエクストリーム系競技がその最たる例だろう。マーケティング戦略としてスポーツコミュニティを育てることを選んだ。それが今のエナジードリンクでのNo.1という地位につながっている。今回のボーラへの関与もその一環だろう。
ちなみに調べたところレッドブルの年間の売上は約1兆3200億円ぐらいのようだ。比較対象としては日本コカ・コーラが8000~8500億円ぐらい。