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ロードレースのプロ選手のための最大規模の団体がいわゆるCPA(Cyclistes Professionnels Associés)だ。今そのトップには、元プロ選手で、グランツールを何度も連続走破した鉄人、かつ選手でありながらも自分で自分のシューズを手作りするなど職人としても知られたアダム・ハンセンが就いている。
そんな彼が最近自身のSNSでロードレースにサッカーのようなイエローカード&レッドカードを導入してはどうかというアンケートの調査結果を投稿した。
情報源:A yellow card in cycling? Survey reveals peloton supports calling out dangerous riding
アダム・ハンセンが考えているアイデアは、まさにサッカーのような警告システムだ。プロトンで集団落車を引き起こすような危険な走り方をした選手に対して、まずはイエローカードのような1回目の警告を出す。そして次の警告でレースから退場となるシステムだ。
そして2度目の警告でいわばレッドカードをもらった選手は、最低でも次の1つのワールドツアーレースは出場禁止という制裁を課してもいいのではというアイデアだ。また以降の3つのレースに出場禁止という案もある。
その導入の是非についてプロトンにアンケートを取った結果が下ツイートだ。
It seems the riders would really want a rule like this put in place. If you are held accountable with a punishment, then you would think twice about taking risks and putting other riders in danger. pic.twitter.com/jI5Jvmd3dq
— Adam Hansen (@HansenAdam) April 21, 2023
171名の選手から返答があり、その全員がこの新しい警告システム案に賛成という結果になった。
もちろんこのアンケート結果からすぐに今回のアイデアがルールとしてUCIに認められるわけではないが、選手団体であるCPAの意見をUCIは尊重しなくてはならないので、UCIによって認められる可能性はあるだろう。その議論の最大の焦点は制裁の内容、つまり出場禁止処分の期間・レース数となる気がする。
プロトンでの危険走行という点では、今年のロンド・ファン・フランデレンでフィリプ・マチェユクが原因となった大落車が思い出される。次の過去記事を再び見てほしい。
過去記事:UCIがロンドでフィリプ・マチェユクが引き起こした大落車と、チームDSMの牛歩戦術について調査
またCPA側のもう1つの改革案として、ステージレースでの総合成績のタイムを計測する基準地点を変更しようというものがある。
普通ステージレースでもその日総合成績の順位を決めるのはゴールラインを通過したときのタイムが基準となる。しかし、CPA側の案は、ゴール前5kmの地点でのタイムを基準にして総合成績を決めるのはどうか?というものだ。ようするに平坦ステージでのゴール前スプリントで総合勢らを不要な落車リスクから解放しようという狙いだ。
ゴール地点でのタイムが全てなら、総合勢もライバルに差をつけるべく最後の最後までプロトン前方で位置争いをしなければならず、スプリント勝利を目指すチームだけでなく総合成績狙いのチームも入り乱れたカオスとなり、危険度が跳ね上がる。大きな落車となれば誰も得をしない。
もちろん救済措置の3kmルールもあるわけだが、この安全向上案も94%の賛同を得たようだ。