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Rapha






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なぜLottoとIntermarchéの合併が遅れているのか?
今年の移籍市場がこれまでとは異なる様相になっていることは先日の記事「異常な今年の移籍市場。その原因とは?」で紹介したが、その要因の1つがベルギーのProTeamであるLottoと同じベルギーのワールドチームであるIntermarché-Wantyとの合併話の進展が遅れていることだと考えられている。
ではなぜその合併が遅れているのか?その理由の1つはIntermarché側の多額の借金かもしれない。
情報源1:Lotto and Intermarché-Wanty merger faces turbulent path ahead
情報源2:Big debt is impeding Lotto-Intermarché Wanty merger
合併が実現すれば、来年からワールドチームに昇格するはずだったLottoのチームライセンスを使うようで、Intermarché側のライセンスは不要なものとなる。それを買い受けるチームが出れば別だが。
現在ワールドチームは18チームあり、来年もその18という数字は維持される予定である。Intermarchéの1つ分が減り17へ、しかしそこにLottoが入るため18のまま。
一方UCIランキングでワールドチーム中ワースト3(最下位はIntermarché)の2位Cofidisと3位Arkéa–B&B HotelsはProTeamへ降格となりそうだが、Arkéa–B&B Hotelsは消滅する可能性が高い。どちらにしろワールドチーム枠が2つ分空くため、そこにUno-X MobilityとIsrael–Premier Techがワールドチームへ昇格して収まる可能性が高い。
公開されている決算報告によると、Intermarché-Wantyは2023年度会計において約€1 million(約1億7760万円)もの赤字があったようだ。そしてその赤字を埋めるために、1つのスポンサーから€500,000(約8880万円)、もう1つのスポンサーから約€2 million(約3億5500万円)を得たとのこと。
そうしたお金のうち約€2 million(約3億5500万円)が借金となっているらしい。ただ2024年度決算はまだ公開されていないので、現時点で2023年度のそれがどういう扱いになっているのかはわからない。
そしてIntermarché側はその返済資金を得るため、チームバスなど所有する財産を売却しようとしているようだ。
上述のようにLottoが合併の主導権を握ってるように思われるが、そのLottoとしても相手側の多額の借金を背負い込みたくはないわけで、まずはそれをなんとかしてもらってから、あるいはなんとかなる算段がついてから・・・という気持ちはあるだろう。
合併が進展しなければ多くの選手やスタッフが来年度の契約のない宙ぶらりんの状態のままとなる。それが移籍市場に大きな影響を与えるのは上の過去記事「異常な今年の移籍市場。その原因とは?」で書いたとおりだが、最大の注目はエリトリアの英雄ビニアム・ギルマイ(Biniam Girmay Hail)がどうなるか。
噂ではIsrael–Premier Techと交渉していたとされるが、実際に移籍が決まったのかなどの情報はない。
またLotto側のエース、アルノ・ドゥ・リーについてはLottoとの契約が来年も残っており、おそらく合併後の新チームのエースとして残留となる可能性が高い。