
スプリンターとコスパ。なぜJayco-AlUlaはフルーネウェーヘンとの契約をやめたのか?
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昨夜Jayco-AlUlaがIsrael-PremierTechで走るドイツ人スプリンターのパスカル・アッカーマン(Pascal Ackermann)と契約したことを紹介した。
しかし、Jayco-AlUlaは今年まで所属していたエーススプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(Dylan Groenewegen)との契約を更新せず、フルーネウェーヘンは不要との判断を下し、彼はProTeamのUnibet Rose Rocketsへの移籍することが少し前に発表されていた。
単純に考えるならば、スプリンターの入れ替えであり、別にそんなことする必要ないのでは?とも思える。ディラン・フルーネウェーヘンの動きに慣れていたリードアウトトレインも再びパスカル・アッカーマンのために調整していく作業が必要となり手間もかかる。
そしてJayco-AlUlaとディラン・フルーネウェーヘンとの関係性が悪化していたとのニュースもなかったように思われる。カレブ・ユアンのときのような面倒な状態でもなかっただろう。
それではなぜJayco-AlUlaはフルーネウェーヘンとの契約を延長しなかったのか?それはコスパが悪いと判断したからのようだ。
高額年俸スプリンターのコスパを意識
同チームのマネージャーBrent Copelandは取材に対して次のように語ったようだ。
“It made no sense to invest one to one and a half million euros in sprinters who didn’t guarantee us points,”
訳「100万〜150万ユーロ(約1億7800万円〜2億6500万円もの年俸なのにUCIポイントを稼げなかったスプリンターにそんな金を払うのは意味なかった」
実際2024年と2025年のフルーネウェーヘンの結果を比べると、2024年はツール・ド・フランスのステージ優勝やオランダ選手権優勝を含めてシーズン5勝、一方で今年はツール・ド・フランスに出場するもいいところなし、そしてシーズン勝利数も3勝だった。
そして彼が稼いだUCIポイントも2024年は1400ポイント以上だったのに対して2025年は半分以下だった。
同時にBrent Copelandはスプリンターについて、
“We’ve decided not to invest in sprinters next year,”
訳「チームとして来年はスプリンターに投資しないことにした」
このようにチームの補強方針を語る。実際今年の移籍市場で獲得した選手には、わりといろいろなレースでUCIポイントを稼げそうな、アンドレア・ヴェンドラーメ(Andrea Vendrame)、ドリス・デ・ボント(Dries de Bondt)、アモリ・カピオ(Amaury Capiot)、アレッサンドロ・コーヴィ(Alessandro Covi)といった選手が含まれる。
しかしそうはいうものの上述のようにそんなフルーネウェーヘンの代わりとなるスプリンターのパスカル・アッカーマンと契約したわけでそれはそのBrent Copelandの言葉と矛盾しているのではないかとも思われる。
だがチームとしては高額な年俸とUCIポイントの量とのバランスを重視しているというわけであり、おそらくパスカル・アッカーマンの年俸はフルーネウェーヘンと比べるとかなり低いのではないか。それならば辻褄があう。












