資格停止処分の可能性が2026ジュニア世界選二冠の天才ベンハミン・ノバルにあった

2026世界ジュニア2冠ベンハミン・ノバルに対して、18カ月の資格停止が検討されていたことが明らかに。15歳時の案件は期限切れで終了も。

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2026年UCIロード世界選手権でジュニア男子の個人タイムトライアルと同ロードレースを制したスペインの17歳の天才ベンハミン・ノバル。そんな彼に対して18カ月の資格停止処分が検討されていたことが明らかになった。

問題とされたのは、ノバルが15歳だった2024年4月に当時資格停止中のコーチ、ホセ・“ペペ”・マルティが関与するトレーニングに参加したことだった。

スペイン反ドーピング機関CELADは当初、18カ月の資格停止処分を提案した。

しかし、ノバルの年齢や当時の状況などが考慮されて最終的に処分は科されなかった。手続き開始から12カ月の処理期限を超えたため、2025年11月5日に案件は期限切れと判断されている。

情報源:Double junior world champion Noval faced proposed suspension over 2024 disciplinary case

時系列で見るベンハミン・ノバルの懲戒案件

今回の件は世界選手権後にスペイン紙El Paísが報じたものだ。改めて上述の内容を時系列で簡単に整理すると次のようになる。

時期事実
2024年4月15歳のノバルがスペイン・ナバセラダでトレーニングを実施。資格停止中のペペ・マルティが乳酸値を測定するなど関与
2025年6月INEOSがノバルとの契約を発表。2027年から加入予定
2025年11月5日12カ月の処理期限を超えたとして、懲戒手続きが期限切れで終了
2026年9月モンレアル世界選手権でジュニア男子TTとロードレースの2冠を達成。レムコ・エヴェネプール以来、史上二人目となる偉業
2027年ワールドツアーデビュー予定

2024年4月のトレーニングで何があったのか

問題となったトレーニングは、2024年4月にスペインのナバセラダで行われた。

当時15歳だったノバルは1kmの登りを繰り返すトレーニングに取り組んでいた。現場ではホセ・“ペペ”・マルティがノバルの血中乳酸値を測定していたという。

その場にはノバルの父親も同行していた。父親も同名のベンハミン・ノバルで、2004年から2007年までUS Postalと後継チームのDicovery Channelに所属した元プロ選手だ。ランス・アームストロングのチームメイトを務めた後、AstanaやSaxo Bankではアルベルト・コンタドールを支えた。

疑惑の医師マルティは、US Postalをめぐるドーピング事件との関係で2012年に15年間の資格停止処分を受けていた。ノバルとのトレーニングが行われた時点でもその処分期間中だったのだ。

マルティが資格停止を守っているか調査していたスペイン治安警備隊UCOの捜査員が現場を訪れ、マルティ、ノバル親子の3人を確認したことから、案件が表面化した。

問題はドーピング陽性ではなく「禁止された関係」

今回の件は、ノバルから禁止薬物が検出されたというものではない。

問題となったのは世界アンチ・ドーピング規程が定める「禁止された関係」だ。競技者は、資格停止期間中のコーチやトレーナーなどの競技支援要員から、スポーツに関係する指導や支援を受けることを禁止されている。

マルティがノバルの乳酸値を測定し、トレーニングに関与していたと判断された。

この件についてノバルは、マルティが関わったトレーニングに参加したこと自体は認めた。しかし一方でその行為が禁止されていることを知らなかったと説明し、参加したことへの後悔も表明したようだ。

スペイン反ドーピング機関CELADは当初ノバルに18カ月の資格停止処分を提案していたが、CELADと懲戒裁判所はノバルが当時15歳だったことや、マルティに対する調査の状況など案件を取り巻く事情を検討。

そして最終的には、手続きに認められた12カ月の処理期間を超えたことから、2025年11月5日に案件は期限切れとされた。このため、当初検討されていた18カ月の資格停止処分は科されていない。

重要なのは、ノバルが実体的な審理によって全面的に無実と認定されたというより、手続き期限の経過によって案件が終了したという点だ。

世界ジュニア2冠後に報道

案件が注目されたのは、ノバルがモントリオール世界選手権で歴史的な成績を残した直後だった。

17歳のノバルは、ジュニア男子個人タイムトライアルとロードレースの両方で優勝。男子ジュニアとして同一大会で2冠を達成したのは、2018年のレムコ・エヴェネプールに続いて史上2人目となった。

世界選ロードのフィニッシュシーンでは、父親がかつてアシストしたコンタドールの「ピストレロ」ポーズ(通称バキューンポーズ)を披露。

2025年6月にはINEOSがノバルとの契約をすでに発表している。ノバルは2027年にジュニアカテゴリーからNetcompany INEOSへ加入し、ワールドツアーでプロキャリアを始める予定だ。

若手選手を取り巻く環境にも課題

今回の案件では当時15歳だったノバル本人が規則をどこまで理解し、資格停止中の人物との接触を自ら判断できたのかという問題がある。

将来有望な若手選手の周囲には、家族、コーチ、育成チーム、代理人など多くの大人が関与する。金の匂いに敏感な大人はとても多い。

お金という観点だけでなく、特にアンチ・ドーピング規則という観点からも「人脈」には注意を払わなければならない。アンチ・ドーピングという点では禁止薬物の使用だけでなく資格停止中の支援者との関係にも及ぶからだ。

競技者本人が未成年であってもアンチ・ドーピング規則の対象になる以上、周囲の大人や競技団体には、誰から指導や測定を受けられるのかを事前に確認し、若い選手を不必要なリスクから守る責任があるだろう。

ノバルの案件はすでに終了しており、2026年の世界選手権タイトルや2027年のNetcompany INEOS加入を妨げる処分は存在しない。

一方で、若手育成とアンチ・ドーピング規則の教育について改めて課題を示す事例となったと言える。

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