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ティボー・ネイス、タルタルステーキでトキソプラズマ症か。ブエルタ・ア・エスパーニャ2026欠場の危機を乗り越え出場へ
今シーズンまともにレースができていないLidl-Trekのティボー・ネイスが、トキソプラズマ症によってブエルタ・ア・エスパーニャ2026への出場も断念する寸前だったことを明かした。
感染源としてネイス本人が疑っているのは、意外にも生の牛肉を使った料理「タルタルステーキ」だ。
その後12日間にわたる抗生物質の治療を経て体調は回復に向かい、最終的には自身2度目となるグランツールへの出場が決まった。
しかし、膝の故障で春の主要レースを欠場したネイスにとって、今回の感染症は苦しい2026年シーズンに追い打ちをかける出来事だった。
23歳のネイスは、ベルギーのラジオ番組「JOE morning show」に出演し、トキソプラズマ症に感染した経緯について語った。
ネイスは感染源について「タルタルステーキが原因だったと思う」と説明。症状は日常生活では気づきにくく、トレーニングを再開したときに初めて身体の異変をはっきりと感じたという。
このタルタルステーキというのは、エビフライとかにつけるタルタルソースがかかったステーキではなく、日本でいうとユッケに近い料理のことだ。次のフランス料理動画を見て欲しい。
ご覧のとおり生肉を使った料理であり、食材の管理や調理の仕方次第で食中毒や感染症にかかる可能性が高くなる料理であるのは一目瞭然だ。
このタルタルステーキを食べてからネイスは自転車へ乗ると以前のような強度を維持できなくなっていた。トレーニング開始から約2時間で完全に力を使い果たしてしまい、競技レベルの運動に耐えられる状態ではなかったようだ。
そしてタルタルステーキを食べて罹患したトキソプラズマ症とは、国立健康危機管理研究機構のWEBサイトでは次のように説明されている。
トキソプラズマ症は、Toxoplasma gondiiを病原体とする感染症である。主な感染経路は、経口感染および経胎盤感染である。発熱やリンパ節腫脹などの症状を呈す。胎児や免疫不全者などでは、脳炎や網脈絡膜炎などの重篤な症状を引き起こし、死に至ることがある。
世界では、人口の三分の一以上が既に感染していると言われており、特にブラジル、ドイツ、フランス、インドネシアなどで感染率が高い。
科学的・医学的にタルタルステーキによるトキソプラズマ症が原因だと確定したわけではないが、本人は以上のように推定している。
体調不良となったその後、ネイスは12日間にわたって抗生物質を服用。治療と回復に時間を要したため、クラシカ・サン・セバスティアンとブエルタ・ア・ブルゴスへの出場を見送った。
このトキソプラズマ症が判明した当初、ブエルタ・ア・エスパーニャ出場の見通しは厳しく、ネイスとコーチは出場をほぼ諦めていたという。しかし、その後は体調が予想以上に改善。大会開幕直前まで回復状態を確認し、最終的にブエルタ出場を決断した。
とはいえ、3週間にわたるグランツールを戦う準備としては決して理想的ではない。病気によって最終調整を中断され、実戦からも約2カ月離れた状態で大会を迎えることになるため、3週間しっかりと走れるかは断言できない。1日1日走ってみないとわからないだろう。
ネイスにとって今年の2026シーズンは開幕から困難の連続だった。
2025年にはアムステル・ゴールドレースで12位、ラ・フレーシュ・ワロンヌで8位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで5位に入り、アルデンヌ・クラシックで活躍。それを受けて2026年はさらなる飛躍が期待されていたが、左膝の痛みによって計画が大きく狂った。
3月に膝の手術を受けたことで春のクラシックを全休。当初予定していたジロ・デ・イタリアへの初出場も取りやめとなった。
ロードレースへの復帰は6月14日のカントン・アールガウ(GP Gippingen)まで遅れたが、その復帰戦では4位。その後はツール・ド・スイスとベルギー選手権に出場し、ベルギー選手権では5位に入った。
それでも今年に走れたレースはわずか7日間でしかなく、そこへトキソプラズマ症が重なったため、十分なレース経験と持久力を積めないままシーズン最後のグランツールへ挑むことになった。
そんなネイスにとって今年のブエルタ・ア・エスパーニャは、2025年のツール・ド・フランスに続く自身2度目のグランツールとなる。
本人は2026年について「できるだけ早く忘れたい一年」と振り返る一方、ブエルタで状況を好転させたいという意欲も示す。
レース不足と病み上がりという条件を考えれば、開幕直後から最高のパフォーマンスを求めるのは難しいかもしれない。まずは第1週を乗り越えながらコンディションを高める展開も考えられる。
パンチ力を生かせる登り基調のフィニッシュや丘陵ステージまで調子を上げられれば、区間優勝争いに加わる可能性は十分にある。
仮にこのブエルタで手応えのある走りができれば、来年に向けての良いモチベーションになるのではないだろうか。
膝の手術と感染症に苦しんだネイスがブエルタで復活を印象づけられるか、その走りに注目だ。