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ガンナのリドル・トレック移籍をなぜイネオスは容認?トーマスが語る資金事情とターリングの存在
先日発表されたように、Netcompany INEOS Cycling Team所属のイタリア人TTスペシャリスト、フィリッポ・ガンナはLidl-Trekへの移籍する。ガンナは2027年まで同チームとの契約を残しながらLidl-Trekと新たに3年契約を結んだ。
ガンナはNetcompany INEOSに今後も必要な選手だと考えられていたし、チームとの関係にも問題があるなどの報道もなく良好な関係が続いていたと思われる。
それなのになぜガンナは移籍し、それをNetcompany INEOSは容認せざるを得なかったのか?チーム幹部となったゲラント・トーマスがその背景を語った。
ガンナの移籍先Lidl-Trekにはマッズ・ピーダスンやジョナタン・ミランがおり、もともと石畳クラシックやステージレースの平坦・丘陵ステージで強力だった陣容に新しくガンナが加わることで、さらにLidl-Trekの戦力が増強され、そうしたレースではNetcompany INEOSと戦力差はさらに広がると考えられる。
タイムトライアルとクラシックで活躍する主力の退団はNetcompany INEOSにとって大きな痛手となるのは間違いない。
そんなガンナの移籍について今回ゲラント・トーマス(以下、G)が判断の理由として挙げたのは2つの要素だ。1つはチーム予算の制約。もう1つはガンナと同じくタイムトライアルを得意とするジョシュ・ターリングの存在だ。
Gはポッドキャスト「Watts Occurring」で、「資金は無尽蔵ではない」と語った。かつてのチームメイトとの別れを惜しみながら、選手を維持するための費用にも言及した。
具体的な年俸や移籍に伴う条件を同ポッドキャストで語ったわけではないが、ガンナにはかなり高い年俸が支払われていたことが推測される。
チームはもともとINEOSがメインスポンサーで、その創業者で億万長者のジム・ラトクリフが積極的に支援をしていた。
しかし昨年の記事「イネオスがスポンサー探し」で紹介したように、そんなラトクリフも「無尽蔵に金をチームにつぎ込む考えはなく、これ以上の金額は出さない」という考えを明らかにし、新しいスポンサーを求めていた。その結果、TotalEnergiesとNetcompanyというスポンサーが新しく入ったわけだ。
決して予算不足というチームではないが、それでも無限にスポンサーから資金が得られるわけではない。今後のチームを担う若く新しい才能を多く獲得するためには、できるだけ予算を戦略的・合理的に使わなければならない。
ガンナ自身はまだ30歳でベテランというほどではない中堅選手だが、それでも彼の高い年俸、そうした年齢、チーム改革の方針とチームの未来像などを考慮すれば、ガンナよりも若い可能性を優先することに重きを置いたのだろう。
Gの語るもう一つの要因が若いTTスペシャリストのジョシュア・ターリングの成長・台頭だ。
今回Gは両者の能力に共通点があると説明し、ターリングがレース中にチームをまとめる役割も担いつつあると述べた。
ガンナとターリングに脚質・役割に重なる部分がある一方で、ターリングは22歳とガンナよりも8歳も若い。そしてチームの国籍と同じイギリス人。
上述の予算の限界という制約も踏まえれば、キャラクターのかぶる両者のうちより若い才能をチームに残さざるを得なかったということだろう。