ジルベールがクライマーに苦言「トロくさいんやからゴール前ではひっこんでろ」

 

情報源：Tour de France: Gilbert complains of GC riders getting in the way in sprints

 

過去よりも近年さらに危険が増しているゴール前スプリント。チッポリーニトレインやHTCハイロードトレインのような圧倒的な支配力を有するチームが存在しなくなったこと、総合勢やクライマーもワーワーとゴール前に絡むようになったことなどなどが要因。

 

ジルベールが所属するクイックステップは、エーススプリンターであるフェルナンド・ガビリアで初日のステージ優勝を見事にゲット。続く第2ステージでも勝利を……と思っていたらゴール前の落車に巻き込まれて、ゴール前スプリント勝負には絡めずじまい。

 

それを受けてジルベールは、総合勢やクライマーの選手へ苦言を呈する。クライマーに対してクレイマー（ﾌﾟｰｸｽｸｽ）。

 

 

 

ジルベール「クライマーはどんくさいから、ゴール前にしゃしゃり出てくるな」

 

 

なぜ、ジルベールがクライマーや総合系選手に対して、こんな不満を持っているのかと言うと、上述のようにただでさえ危険なゴール前がさらに混沌と化し危険が増すから。それは、クイックステップのエースであるガビリアが勝利できなくなる可能性が高くなることも意味する。

 

情報源記事でジルベールはこう言う。

 

“What irritates me, is that certain riders, in spite of the three-kilometer rule that the International Cycling Union (UCI) created still ‘fight’ within the first 20 positions of the peloton,”

 

訳「ムカつくのは、ある選手たちが、UCIのゴール前3㎞内の救済ルールがあるにも関わらず、その範囲内に入ってもまだ闘おうとしとることや。上位20人に入ろうとしてな」

 

“Climber types are usually not as fast and manoeuvreable on the flat, which significantly increases the risk of falls. Too bad, because that regulation is especially for them. Yet, they continue to be guilty of the same mistake. We do not get in between them at the foot of a col, do we?”

 

訳「クライマーってのはだいたいそんなに速くないし、機動性に欠けるんよ、平地ではね。これは落車リスクを増やす重要なファクターなんよ。残念なことやけど、ルールが特に総合系やクライマーたちのためになっとるのが現状や。でもな、依然としてこれらの選手が同じミスを繰り返す可能性は残るわけよ。ワシらクイックステップが、山岳ステージでクライマーたちに混ざって勝負に出るか？そんなんせーへんやろ。（せやから、スプリントステージでは、スプリンターでもないならしゃしゃり出てくるな。おまえらがいると危ないんじゃ）」

 

 

ということやね。

 

クライマーたちは基本的に体重が軽いから、肉弾戦が繰り広げられるスプリント勝負ではちょっとした衝撃でふっとび、落車する可能性も高い。生粋のスプリンターならそんなのは昔から慣れてることやから、反応速度も速く、そして超高速でのバイクコントロールもお手の物。またどこのラインが安全かなどの判断力もやはり経験上センスが磨かれてるわけで。

 

喩えていうなら、高速道路にちゃんと免許持ってる大人が運転する車と、免許もってない子供が運転する車が混在してるような感じかね。そら、ヤバイわね。

 

よく聞く3㎞ルールってのは2005年にUCIが作ったもの。わりと新しいルールといえば新しいか。UCI規則第2.6.027に書いてある。簡単にいえば、ゴール前3㎞以内のアクシデントはたとえそれで遅れても救済してあげるで、ただし平地とかのステージだけな。というもの。

 

クライマーや総合勢はもちろん「いやそんなん言われましても……」やろうけど、ま、スプリンターチームとしての本音はたしかにこうやろね。

 

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（関連する過去記事とか、１つ前・後の記事は下のほうにあるで）