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2018ブエルタ第19ステージ感想。最終決戦の前日に戦争や!

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さて、今年のブエルタも大詰め。いよいよ千秋楽が差し迫ってきた。残すは実質的な最後の決戦日である第20ステージと、おまけの最終日第21ステージだけ。

 

そんな状況で、第19ステージの最後の山では激しい総合争いが繰り広げられた。特にラスト10㎞ほどからは熱い展開やったね。

 

 

 

(1) 若き王者が輝き、ベテランが光を失う。

 




 

レースが勝負の結末に向けて本格的に動いたのは最後の山。ゴールまで残り10数キロあたりか。リーダージャージを着るサイモンと2位のバ師匠(バルベルデ)がいる先頭集団から、キンタナとLottoNLの2人、クライスヴァイクとベネットが飛び出す。

 

 

しかし10秒ほどの差がつくものの、あまり後方集団は離れず。決定的な動きとならない。

 

この時点では集団にMitchelton-Scottのアシストが二人残ってて(ヘイグとアダム)、サイモン・イエーツとしてはさほど慌てる状況ではなかった。そういう点では、きちんとその二人を残す作戦を遂行したMitchelton-Scottは素晴らしかったと言わざるを得ない。後から思えばもうこの作戦がきちんと決まってた時点で、結果は決まってたのかもしれへんね。

 

そして残り10㎞ちょうどあたりになった時点で、なんとサイモン・イエーツ自身が単独で集団からアタック。高速で登り、一気に先頭のキンタナたちに追いつく。このサイモンには2位のバルベルデがチェックに入らないといけないはず。しかし、バルベルデは動けず!たった一人残ってたアシストであるキンタナは先にいるため、バルベルデ自身が動くしかない状況で、サイモンの動きを抑えることができず、サイモンと差が開く結果に。

 

 

モビ☆スタはチームの作戦としてホンマにキンタナを先行させて良かったのか?ずっとバルバルデとともに走らせておくべきではなかったのか?そうすれば、キンタナがサイモンのチェックに入れたんちゃうか?最初にキンタナにアタックさせて無駄に力使わせるだけの意味があったのか?

 

さらにFDJのティボー・ピノが集団から一人で抜け出し、結局先頭はサイモン、ピノー、クライスヴァイクの3人だけに。サイモンとピノ&クライスヴァイクの2名は特に競合関係にないので、利害が一致。サイモンは、バルベルデとの差を広げることさえできればそれでOK。一方、ピノ&クライスヴァイクは自分たちの順位を上げることができればOK。なので、3人できっちり高速ローテーション。協調してガンガン山を登っていく。

 

そうなると後方集団には、

 

  • 現在1位のサイモンとの関係では、2位のバルベルデが積極的にサイモンを追走せなアカン
  • ピノ&クライスヴァイクとの関係では、その二人に順位を脅かされる可能性があるバルベルデはもちろんその他の総合上位を狙う選手たちも、その二名を追走せなアカン

 

という状況にあって、結局先頭の3人を追う必要があるのはみんな同じなのになかなか協調がとれず、どんどん先頭3人との差が広がっていく。

 

バルベルデ以外の他の選手たちは、バルベルデを疲れさせてあわよくば下克上を起こそうとしてるのか、バルベルデ一人に集団を牽引させる展開。しかし、バルベルデが牽引しようとするも力不足で秒差を縮められへん。もちろん、Mitchelton-Scottのアシストとして残ってるアダム・イエーツの存在も効果があったはず。

 

 

キンタナが先頭集団から下がってきて、バルベルデを途中からアシストするけど、もうキンタナにも高速で山を登る力が残ってないのか、全く差は縮まらず。去年も今年もキンタナは全盛期の輝きとはほど遠いね。来年大丈夫なんかいな。

 

最後はそんな追走集団からわちゃわちゃとした動きがあって、その動きにすらバルベルデはついていけず。これまで頑張ってたバ師匠が一人遅れていく姿を見て、ちょっとせつなくなったね。次の第20ステージの最終決戦もヤバそう。2位死守どころか表彰台も無理そうな感じがする。悲しい。グランツールの表彰台に登れるかおそらく引退前の最後のチャンス。

 

 

結局、最後まで快調に走り切ったサイモンが、バ師匠との差を予定どおり広げて終わったわけやけど、上でも書いたようにMitchelton-Scottの作戦が見事にハマったという印象やね。モビ☆スタとの頭脳性に勝ったという感じ。まぁそれも、サイモン・イエーツの好調さがあってのものやろうけど。

 

サイモンはジロでの悪夢をいよいよ払拭できそうやね。今回のブエルタでさらにグランツールの3週間を過ごす知恵と経験を得たのは間違いないから、来年のグランツールはさらにおもしろくなりそうやね。まぁまだ明日残ってるけど。今日の強さをみてると次の第20ステージもイケそうな気配。

 

まーとにかく、サイモンが強かった。

 



 

第19ステージのまとめ動画

 

 

(2)ついに最終決戦。第20ステージのコース概要。短距離山岳決戦!

 

2018ブエルタ第20ステージのコースプロフィール
© ASO ブエルタ公式サイトより。2018ブエルタ第20ステージのコースプロフィール

 

今年のブエルタの最終決戦の舞台、第20ステージは御覧のとおり距離はたった97.3㎞!しかし山!山!山!そして山!極度にエキサイティン!

 

本来の最終日である第21ステージは、ツール・ド・フランスの最終日と同じ形式やから、総合争いにとっては第20ステージが実質的に最後の勝負となる。おそらく総合上位を狙う選手たちは、この第20ステージから逆算して戦略&作戦を考えていたはず。

 

その思惑通りになった選手も、逆にうまくいかなかった選手もいるやろ。前者がその計画をどのように最後にまとめあげるのか、あるいは、後者が最後にどんなあがきを見せるのか。実に興味深い。第20ステージを満たす山々が、総合系選手はもちろんそのチームの関係者たちに対して、彼らの思考と感情を露わにさらけ出すよう要求することになる。山は全てに試練を与え、全てを包み込む。

 

さて、混戦のブエルタ。一体どんな結末となるやら。

 

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