Google Mapが自転車ルート機能を改善へ。その背景にある社会的事実とは?
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2005年にサービスを開始したGoogle Mapは、もはや現代の生活やビジネスを支えるインフラとなったといっても過言ではない。とにかくどこへいくにもGoogle Mapで検索。乗り換えもGoogle Maps。車だろうが電車だろうが徒歩だろうが、とにかくGoogle Maps。「移動」に関するインフラを完全にGoogleが抑えたと言っても過言ではない。
しかし、そんなGoogle Mapでも自転車で移動する場合のルート案内など、自転車で移動する場合の情報という点ではほとんど役に立たない。都会なら役立つのだろうか。日本と海外でも事情は異なるかもしれない。
そんな貧相なGoogle Mapの自転車向け機能が改善されるもよう。
Google公式ブログ:Ride easy with new biking features in Google Maps
Google Mapの自転車向け機能のアップデート
2010年から自転車に特化した機能を提供してきたものの役に立たないまま今日まで来たが、今後予定されているアップデートによって、自転車乗りのとっての利便性向上が図られる。
①道路の情報を最新かつ最適化
アップデート内容の1つとして、各地域の行政当局や地域の協力者たちから提供される写真・画像などを資料にして、人工知能による機械学習で得られた結果と、人間による実際(実地)での分析とを組み合わせ、道路状況についての情報を最適化させる。
これにより、自転車乗りにとってより楽で安全なルート情報が提供されることになる。たとえば階段や急な坂があるかないかなどの情報が提供される。
②バイクシェア(自転車レンタル・共有サービス)の情報
また、世界の10都市におけるバイクシェアサービスの情報も今後提供されるようになる。対象となるそれら10都市は、
- Chicago, U.S. (Divvy/Lyft)
- New York City, U.S. (Citi Bike/Lyft)
- San Francisco Bay Area, U.S. (Bay Wheels/Lyft)
- Washington, DC, U.S. (Capital Bikeshare/Lyft)
- London, England (Santander Cycles/TfL)
- Mexico City, Mexico (Ecobici)
- Montreal, Canada (BIXI/Lyft)
- Rio De Janeiro, Brazil (Bike Itaú)
- São Paulo, Brazil (Bike Itaú)
- Taipei and New Taipei City, Taiwan (YouBike)
となる。日本?日本はないですね。
③自転車向け機能改善の背景とは?
このようなアップデート方針の背景にあるのは、新コロ助19である。
世界中で「3密」が回避される結果、電車・バス・自動車での移動から、自転車での移動に人々の移動手段が変化した。そうなるとこれまで自転車で移動していなかった人々に、自転車の移動に適した道路情報を提供しなければらない。
ベテランの自転車乗りならば誰もが、それぞれ自分だけの「気持ち良いルート」「安全なルート」を持っている。そして自転車乗り特有の距離感覚・時間感覚を有している。
しかし、これまで乗らなかった人間にはそれがわからない。また距離や所要時間も体感的に何もわからない。
そこで、Google Mapの機能強化である。
ただ、おそらくもう1つの社会的事実が隠れていると思われる。それは、自転車ユーザー向けのアプリ・サービスの競争激化である。言うまでもなく、Strava、ガーミンなどの自転車(スポーツ)に特化した強敵、そしてAppleというライバルがしのぎをけずっている。その中で、Google Mapの自転車サービスは弱弱しいと言わざるを得ない。
その巻き返しの意味もあるのではないか?